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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
鬼畜魔法に分断される仲間達
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敵地までの道中

「あら、裏路地に出たんだけど…誰もいなければ良かったなぁ。」


 丁度人が1人いた。一瞬で何かが光りその人は消えてしまった。


「何したんですか?」

「え、記憶を消してちょっと側に転送しただけよー。私が人間っぽい行動しないと付きまとわれたことあったしさー。」


 今の段階で人間っぽい行動の概念が壊れた女の子2人であった。


「うーん、大分遅いんだけどそれにしては人の気配多くない?」

『姫様。今、この王都は姫様を探している人間が非常に多いです。ご注意ください。』

『変だよな。数日前姫様きたばっかじゃねえか。いつからこんな有名人になったんだ?』

「既に私は指名手配犯になってしまっているのね…。」


 当たり前だが、この世界には電気らしいものはない。だが、魔法がある。魔法具がある。それが電気の代わりをしている。ケリンさん等が住んでいるところを開拓した場所についてはど田舎中のど田舎のためそんなものはないが、王都なので前世の夜ほどではないが真っ暗というわけではない。前世では夜間懐中電灯を持って彷徨(さまよ)いていた時期もあったが、今世ではそれが魔法や魔法具ということもある。どっちにしても、夜間とは言え私を狙って彷徨っている人はいるようである。


「有名人って良いわねーねー思わない?」

「え…そうでしょうか。」


 魔女が伯爵令嬢に問いかけていた。まあ、アリア様も誘拐されそうになっている。アユミさんも魔女という理由で狙われたこともあるのだろう。皮肉にしか聞こえなかった。


「さて、アリアちゃん。問題の侯爵ってどこら辺に住んでいるとか知っている?」

「えーっと、私もそこまで王都に詳しくないというか…ここに来るのも初でして。」

「マイちゃんは?どうせ知っているでしょ。」

「なぜ断定なのですか?」

「植物と会話したい放題じゃない。魔女でも植物との会話は無理よ。」

「あー、そういえばありましたね…。」



 調査すると、公爵達が住む拠点とかなり近いことも分かった。


「じゃあしばらくは私が先導するから案内役よろしく。あ、アリアちゃん。ここって王都であってデレナール領関係ないから王民軽くあしらって大丈夫よねー?」

「え…どうでしょう。」

「うん。問題ないって受け取っておくわ~。」


 この後は酷かった。最早魔女にとって邪魔してくるものは全員害虫らしい。魔法を駆使し、私を狙ったであろう人間は全員吹っ飛ばしたりして機能停止にしていた。恐ろしい魔女である。容赦など無かった。


(昔のおばあちゃん木もこんな形だったの…)


 私が生まれておばあちゃん木から独立するまで私はおばあちゃん木に守られて生きてきた。勿論当初はそんなこと全く知らなかったが、おばあちゃん木が死に魔物に襲われるようになってからおばあちゃん木が多大の魔物を殺していたことを知った。私を守るために。今それをアユミさんがやっている。目と鼻の先で。


「ま、魔女様…こ、殺したりは…」

「うーん、手は抜いてるから多分死なないんじゃない?死んだら運が悪かったねーで終わり。」

「………」


 アリア様も黙ってしまった。実験材料とか言っている魔女である。アリア様もいよいよ魔女について危機を察知したのかもしれないが…逃げることは出来ないのであった。蛇足であるが、アユミさんと時止め魔法内で話したときは口調はあれとは言えとても優しそうな性格だった。多分、実験体とか言っておきながら無理をさせたりはしないと思う。前世の私みたいに鬱になったりはしないだろう。


(それにしても敵味方良く分かるわね。)


 植物からの伝言は『人間が私を狙っている』である。具体的に誰かまでは分からない。植物達も流石に洗脳魔法にかかっているか否か等瞬時に分からないからである。しかし、アユミさんは容赦なく全員吹っ飛ばしていた。そして害が無さそうな人が側を通ると素通りである。いや、何かしら魔法は放っていたが…吹っ飛ばしたりはしていない。マイには分からなかったが、本人の探知魔法、鑑定魔法は恐ろしいレベルのチートだったのであった。


「さてと、敵地についたわー。うん、強行突破でOK!」


 門番から門から容赦なく吹っ飛ばして進んでいくスタイルである。これ大丈夫なのか本当に。


「アユミさん?これ大丈夫なんですか?アユミさん後々目立つんじゃ…。」

「うん?記憶消しながら吹っ飛ばしてるし、目が覚めたら何で倒れてるんだろうって思うくらいじゃない?」

(あ、もうこれなんでも良いやつだ。)


 チートキャラが出てくると色々滅茶苦茶になることが分かった私であった。

 チートキャラって大体こうなると思うんですよね。ですので、私はあまり主人公達を最強にしたくないのです。物語が直ぐ終わってしまうので…。

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