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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
鬼畜魔法に分断される仲間達
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令嬢誘拐事件の黒幕

「マイさん。無理はダメです。」

「そうそう。それでも喋れるでしょ?何なら魔法を使って心情読んでみる?」

「いや…自分で喋る…」


 この魔女は転生者だからか、魔法を使って何でも出来ると思った方が良い。まあ、限界もあるようだが。私は起きた出来事をそのまま話した。後は推測も。


「えー、メリーちゃんも巻き込まれちゃってるのー。あの娘、雑魚だけど私にとってだからねぇー。」


 王都へ来る途中、盗賊に襲われたが…魔法の破壊力的にあれが雑魚ならそこら辺の魔術師全員顔真っ青なのだが…魔女にとっては基準が違うらしい。


「マイさん。シュウさんは?」

「…自分が精一杯過ぎて、今どうなっていることやら…」


 ここは室内かつ地上から高い。植物が側になかった。と言うより、マイは元人間。緊急かつ冷静でいられない時は適切な対応が出来ないことが多い。植物に聞こうと言う概念が若干飛んでいた。


「そうねぇ。私もさっき被検体拷問したんだけど…面白い情報があったわよー。」

「誰拷問したんですか?」

「ほら、誰だっけ…あんたやメリーか何かを誘拐しようとしたおっさん2人。別に私そんな趣味ないからねー。清楚な女性よー。」


 何を考えているか知らないが何も考えないことにした。


「で、うーん、まあ、マリアちゃんのことについてもちょっと分かったわよ。後、これからの行動の糧になるかも?」

「え、お姉様ですか?!」


 マリア様ことアリア様のお姉様…厳密には従姉だが…は人身売買され盗賊に加担せざるを得なくなり、自己防衛とは言え私が殺してしまった少女である。


「これからの…」

「あら、誰か来たみたいね。」


 魔女はアリア伯爵令嬢がいるこの部屋の扉を見ながら言った。


「アリアちゃん?アリアちゃんはマリアちゃんの誘拐事件の背景知りたい?」

「背景?」

「後5秒で答えて。」

「あ…え、はい!」

「良し、じゃあ軽くどっか行くって置き手紙書いたら出掛けましょう。」

「ええええ?!」


 魔女のこの自由さである。「ちょっとお出掛けしてくる」的な内容の置き手紙を早急に書かせたかと思うと、私達3人は気付いたらアユミさんの拠点となる小屋にいた。私も大分息切れが落ち着いてきて椅子に座れるまでにはなっている。残りも座った。


「さてと、ま、ざっくり言うとこんな感じよー。復讐したいー?」


 マリア様を誘拐したのは盗賊。それは良しとしていて、それの手伝いをしたのはなんと間接的に侯爵らしい。


「公爵様?!そんなはずはありません。お母様のお姉様達がそのような…」

「うん?貴女の家族や親族は関係ないわよ?」


 よくよく聞くと公爵(こうしゃく)侯爵(こうしゃく)を聞き間違えたらしい。権力的には侯爵<公爵となる。文字では分かりやすいが、発音となるとややこしい。アリア様は安堵の顔が見えた。まあ、結局殺されたが覆ることはないが…両親が盗賊に娘を拐わさせたとかなったら余りにも残虐すぎる。


「どうやら、そう簡単にバレないようにかなり入り組んだ手段を取ったようよー。」


 侯爵自体が洗脳魔法を使えるとの情報である。盗賊と手を組み、守衛の1人の家を襲撃。そのまま連行し洗脳して自宅に帰還させたとのこと。襲撃と言ってもドンパチではなく寝込みを狙ったらしく、殆ど誰も気付かなかったらしい。そして、夜間上手く洗脳させた奴を使い公爵らを言いくるめ夜間の門番の護衛を1人にして貰い、後は簡単に潜入との手段とのこと。元々、ここら辺の盗賊は潜伏技術が高い輩が多い。流石に公爵家の防壁を乗り込むのは厳しいが…門番以外にも徘徊する守衛はいる…厳密に言えば言いくるめる前はもっと厳重で無理だったが、が正しいか…入ってしまえばマリア様の部屋に入るのは難しくない。まあ、私もツルを使えば入れちゃったし。


「と言うことは、公爵様の守衛達のなかに敵がいると言うことでしょうか?」

「操られている奴がね。門番が機能しなくなれば、かつ夜間になれば…庭ぐらいなら好きに動けるでしょうね。」


 アリア様は唇を噛んでいた。早急に伝えないとまた狙われる。


「操られていれば誰かそのうち気付くものじゃないの?」

「あらー無理じゃないー?」


 私が突っ込んだが、真っ向叩かれてしまった。その後、アユミさんは何かをアリア様に放った。アリア様はキョトンとしている。


「えっと、何をなさったのですか?」

「良し、アリアちゃん。アユミに操られているって言ってみて?」


 アリア様は何も喋らなかった。


「そうねー。手を叩いて。」

「え?」


 アリア様は不思議な声を出したが手を叩いた。


「じゃあ、服を脱ぐ…はストップ。」


 本当に脱ごうとしたので止めに入った。


「…抵抗不可能?」

「…体が勝手に動きます。」

「あー、これ面白いわ。じゃあ私の思ったこと喋ってー。」

「シュウ君好きです付き合ってください!」

「おい魔女!」


 私は若干キレ気味だった。


「あらー、貴女何で怒るのー?嫉妬ー?」


 魔女はにやにやしていた。私は膨れながら立ち上がりかけた席を座る。


「まあ、洗脳魔法の検証はこれぐらいにして…」

「ま、魔女様…は、恥ずかしいです!」

「と言うように記憶は残るんだけど。」


 この魔女、被検体やら実験材料とか言うが…扱いは本当にそんな感じなのだろうか?

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