魔物を虐待しても碌な処罰にはならないらしい
「シュウ君とマイちゃんには申し訳ないけど…あと、そこの魔物も…恐らく罰はそれほど重くならないでしょうね。」
私達4人は連行された奴らとは別に…雄花が少々落ち着いてから、ギルドに向かうことになった。流石に泣きじゃくった見かけ女の子を連れて行ったら目立ってしまうためである。そしてウィリーさんが説明してくれたことを前世の日本人で換算するのであれば、私達はドブネズミ換算であった。言わば害虫。人間にとって魔物は危険な生き物であり駆除するべき生き物。それを何処で買おうかどのように扱おうがそこまで問題にならない。まあ、前世なら動物愛護団体が出てくるかもしれないが…本物の人の女の子を買ったり売春すれば重罪案件だが、魔物だから問題にならないのである。
(責めて、アルビトラウネ族に攻撃をしたと言う程度の罪で終わってしまうのか…私としてはその攻撃の糸口の方を徹底的に潰して欲しいんだけどね…)
前世換算、後ろからグサなのか趣味として拷問し続けて死んでしまったでは全然違うような気がするのだが…結局人間のルールで魔物などその程度らしい。横では肉体精神共に数ヶ月ズタズタにされた女の子がいるというのに、人間じゃなかったとしてもあんまりな人間の対応に私は反吐しか出ないのであった。蛇足だが、明らかな罪人でなければ奴隷犯罪人として売ることが出来ない。ウィリーさんにして見ればそういう意味でも悔しい部分があったらしい。
「僕…これから、どうなるの?」
雄花の発言である。現状ギルドへ移動中。個人的に推定年齢120歳。ただ、圧倒的にそれより幼い挙動である。寿命2万と仮定すれば確かに赤ちゃんだが…120年ぐらいは生きているのである。やはり色々やられ過ぎて心が壊れてしまっているのかもしれない。
(私って結局どういう性格?)
私も生まれた直後は幼稚な行動や発言しか出来なかった。ただ、100歳を越えている時には自由民如く好き勝手行動していたし、今に至っては周りの人間関係の問題で性格が更に確変している。要は私自身自分の性格がどう行ったものなのか良く分かっていないのであった。前世今世問わず周りに流されやすいと言う癖は結局変わっていない。
「私からは何も言えない。ただ、最終的には森へ帰れると思う。」
私は曖昧に答えた。ただ、個人的この子はもう今までのように生きれないだろう。私は前世の記憶が残っている。いや、細かいことは全くないのだが…前世虐められたと言う嫌な記憶はあるのである。それが魔物としてではなく人間としても人間に拒絶反応がある理由でもあるのであるが…彼もそんな感じだろう。魔物として人間を恐れるの域を越えすぎているのである。
「まあ、私も何とかしてみるわ。魔物だとしてもしゃべれるから何かしら聞かれるかもしれないけど。」
ウィリーさんがフォローをいれたが…次の事件は直ぐに起きようとしていた。
まあ当然と言えば当然ですが…魔物目線から見れば理不尽ですよね。




