ハンター2人の行方と今後の行動について
「リーダー、何してたのよ!遅いじゃない!」
ギルドに戻って早々ウィリーさんに怒られてしまった。3人ともショボンである。しかし、既に地獄が始まっていることには誰も気付いていなかった。ただ、前兆は既に流れ始める。
「ウィリー、悪い。被害者の魔物と情報交換していてな。昼食も取ってしまったんだ。」
「はぁ…私も既に外食してしまったわ。で、後はベイルとメリーよね。彼らが来てからの方が良いかしら。」
「なんだと?あいつらもまだ帰っていないのか?」
4人はギルドの奥の方にあるテーブルで話している。マイの意味不明なルールだが、ギルドのテーブルでは何故かテーブルに突っ伏していた。
「ええ。まあ、リーダーは直接接触だし、シュウもいるし…何かトラブってるのかなとも思っていたんだけれど…あの二人って情報収集だけよね?」
「ああ、伯爵達にマイが指摘した貴族について調査して貰いたいだけだったのだが…直接接触をしてしまったか?」
「うーん、可能性を否定しきれないわ。メリーはああいう性格だし、ベイルも結構力でゴリ押そうとする性格だから。」
「うーむ。仮に何かしらあったならば完全に黒だが…貴族共に力で負けるかあいつら?」
私はテーブルに突っ伏しながら右手のツルを伸ばしてシュウ君の左手首に巻き付けて引っ張った。
「あ、お姉ちゃん?どうしたの?」
「シュウ君ー。ここ植物がいないよー、寂しいよー、外行きたいよー。」
「え…あ、リーダーさん。ちょっと外行っても大丈夫ですか?」
「うんにゃ。大丈夫だ。余り遠くに行くなよ?」
とのことで外へでて植物と会話する。今日は曇ってるので光合成が曖昧である。
「シュウ君、光合成しようよー。」
「え、えーっと…日光浴なら…」
私はシュウ君の右腕を左のツルで巻きながら…本題に走った。
「ちょっとお願いなんだけど…ベイルさんとメリーさん探してきてくれない?」
「え、僕?」
「うんうん、植物さん達。分かるかな。」
『特徴とかございますか?』
王都に来たとき一緒だったとか、午前中にギルドから出発するときにいた人とか…まあ、伝わったとは思う。
『少々お待ちください。』
植物達の情報伝達が始まる。植物達は基本フリーである。ただ、私に危機的状況が発生するとアラートは鳴らしてくれる。それ以外ならこちらからアクションしないと基本的には動かない。
「お姉ちゃん、植物さん達に聞いてくれてるの?」
「うん。ろくなことになら無ければいいんだけど。」
「お姉ちゃん、ありがとう!」
「…受け取っておくわ。」
少しして返答が来る。一番聞きたくない返答が帰ってきた。
『室内に植物はおりませんので詳細は不明ですが…公爵の家に行った後…暫く経って、侯爵の家に行った模様です。家に入った後の消息は不明。ただ、外からでも聞こえる爆発音がしたとかどうとか。』
はい終了ー。帰ってこないと言うことは捕まっているが濃厚説。或いは現在進行でやりあってる。私ではどうしようもない。室内は植物が生えていないので…オンボロ孤児院は知らん…攻撃すら出来ない。どうするのこれ。
「はぁ。シュウ君。匙投げたいんだけど…何か面白いこと無いー?」
「え?」
従魔の不機嫌に振り回されるテイマーであった。ギルドに入る。
「疲れたー。今日は降参ー。」
私はテーブルに突っ伏した。
「シュウ、何かあったか?」
リールさんがシュウ君に問い合わせる。リールさんは伊達にBランクパーティーリーダーをやってるわけではない。
「えっと…お姉ちゃんが植物さんと会話した後不機嫌に…」
「はぁ。やはり、女の子のように駄々こねて外行ったわけじゃないか…で、マイ。何かつかんだのだろう?話せ。」
「えー、匙投げたいだけですよー。シュウ君ー私を癒してー。」
マイが再起するまで5分ほどかかったが…推論だけを伝えることになった。
「不味いわねぇ。絶対何かしら罠か何かあるわよ?助けるにしても。」
「うーむ。ウィリー、すまない。頼みがあるんだが。」
「何かしら。」
2人で何かしら話している。シュウ君は伸びた私の頭を撫でていた。まあ、ここはデレナール領ではない。魔物についてあーだこーだ言われたくないので帽子も被ったままである。それが更にマイを不機嫌にしている。
「分かったわ。シュウ君、マイちゃん。リーダーは作戦を考えるそうだから、私達3人で人質の1人を助けに行きましょう。」
「え、う、うん。」
どうやら悪化している方は一回横に置くようである。この選択が良いか否かは分からないが…地獄は拍車をかけていた。




