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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
王都の課題
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結局妖精は人間ダメらしい

 ここから暫くは王都編です。書き終えてから思いましたが…予想よりボリュームが増えてしまいました。色々詰め込みすぎたなぁ。。

 しばらくは何もなく、そのまま王都へ到着しようとしていた。いや、全く何もなかったわけではない。とりわけアースが通りすがる人に対し、気紛れで老若男女問わず悪戯をしていると言う課題があった。迷惑範囲は土を跳ねて服を汚すわ、急に背後にゴーレム作って脅かすとか…しかもアースは上手く隠れて絶対見つかることがないと言う下らないところで脅かしのプロだった。3000年弱一生懸命磨いた技量が意味が分からんと頭を抱える私である。


「おい、駄妖精!今度は何をやらかした!」


 ベイルさんはアース叱責役になっていたが…アースにしてみればそれも面白いらしい。最早怒られるためにやっていないかと思うレベルである。私としては注意するよりスルーした方が効果的な感じがした。


「クスクス…」


 で、馬車の後ろに付いている小さめのベランダには、アリア伯爵令嬢が何故かいる。アースが悪戯する様子や怒られる様子を見ていて楽しんでいた。


「アリア様?一応何度も言っていますけど…あれやられたら皆怒りますよ?」


 アースがやっていることは完全に傍迷惑だった。まあ、怪我人はいないが…。


「だ、だって…面白いんですもの…フフフ。」


 私はこの令嬢やっぱり終わったわ、とため息をつく以外出来なかった。


「よし、王都が見えてきた。もう一頑張りだ。最後まで気は抜くな。」


 リールさんからである。私は植物からの情報でちゃんと警戒している。見た目はベランダに腕をのせてその上に顔をのせてボーッとしているようにしか見えないが…いや、本当にボーッとしているが…まあ、仕事はしているのである。


「お姉ちゃん。何かあったりする?」

「うーん、植物達からは特に何もないわね。」

「私も探知魔法展開してみたけど、何もないみたい。」


 順調に進んでいた…が、リールは地味に焦っていたりしてる。


(捕虜の奴…頭が良いのかどっちもほぼ絶食状態だ。早めにギルドに渡さないと情報聞き出す前に死んじまう。)


 また、マリア令嬢の死体をどうするのかもまだ決まっていない。リグルト伯爵には「王都に行ったら親元に返す」と言われているが…ムサビーネ伯爵夫人の姉は王都内の統治の補佐として家族全員王都に住んでるらしい、領土があるのではなく王都の一部を統治している…あくまで死体である。早くしないと腐敗してしまう。


「ところでアース。」

「マイお姉ちゃん、どうしたのー?」

「貴女、王都に入るの?私入って見たこと無いけど…まあ普通に考えて人間ばっかりよ。おそらくデレナール領よりも。」

「あー!」


 雰囲気的にあまりにも人間に悪戯しすぎたのが原因で…人間と直接あまり関わりたくないと言う概念が飛んでいたようである。


「うーん、流石に王都に行くのはなー。悪戯しにくそうだしー、人間に見つかっちゃうー。」


 基準が良く分からないが、やっぱり嫌らしい。


「そうだなぁー。じゃあ、転移魔法をそこら辺に仕掛けておいてボクは一回森に帰ろうかなぁー。えーっと、いつ帰るのー。その時にこっち戻るー。」

「うーん、聞いてみないと分からないわね…シュウ君。」

「お姉ちゃん?どうかしたの?」

「シュウ君って貴族達がいつ帰るとか聞いてる?」

「えーっと…分からない。…聞いてくる?」

「あ、じゃあお願いしようかしら。」


 シュウ君はベランダから馬車の中に入っていった。


「私が聞いても良いのですけど…シュウさん、私も頼って欲しいなぁ。」


 横にいたアリア様もベランダから戻っていった。


「ウィリーさんやメリーさんって、いつ頃帰るとか聞いています?」

「いいえ。おそらく到着してから決めるのだと思います。まあ、時間的に大体は1-2日ぐらいだとは思うけど…」

「でも貴族の依頼は初だし…マイちゃんの仲間の住みかとか…マリアお嬢様の件もあるみたいだがら、一筋縄では行かないかも。」

「メリー?盗み聞きされるかもしれないからもうちょっと小さい声でね。まあ、そこら辺はデレナール伯爵達がやることだから私達は結構自由かも。王都なんて滅多に行ける場所じゃないから観光しても良いかもね。」

「おおー、どこ行こうかなぁ。」


 ハンター達では帰還タイミングは不明みたいである。少しするとシュウ君とアリア令嬢が戻ってきた。


「お父様曰く、2日は確定みたいです。依頼期間が2週間強なのであまり伸ばしたくは無いみたいですけど…それでも延びてしまうかもと言っていました。」

「僕的には転移魔法使えるんだったら…毎日王都の出入口ぐらいで帰るかどうか連絡するのが一番かなぁ…って考えたんだけど。」

「相変わらずシュウ君の発想には顔負けねぇ…アース?どう?」

「なんでも良いよーじゃあどこ集合にするー?」


 最終的に、アースは王都には入らず…正面門の側の街道に転移魔法をおいておき毎晩大体同じぐらいに来ると言うことになった。報告役はシュウ君である。報告のときに明日帰るとか、何日後帰るとか決まったらその晩アースに報告して当日指定された時間程度に来るとのこと。まあ、課題はこの妖精…時間にルーズと言うより時間の概念分かっていなさそうなので…彼女の拠点森のなかだし…ずれることは諦めて貰うことにしよう。駄妖精だが、実力は本物である。

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