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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
王都への道
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大地の妖精の能力

「プハー、生き返るー!」


 アースは地面に潜り、頭の双葉っぽい何かだけ地面から出している。アースは双葉を出すことにより顔が地面に埋まっていても声が聞こえたり音を発することは出来るらしい。視界はダメらしいが。


「この妖精は謎だな。」

「謎言うなー!」

「ところで、あなたの拠点暫く放置になってるけど良いのかしら?まあ、呼んだのは私だけど。」

「うーん、いいんじゃないー?別にあそこに居座らなきゃいけないわけじゃないしー。」

「そうなの?」


 植物の話ではこの妖精が土を潤し黄金リンゴ木の養分になっているとのこと。この子がいなくなったら終わってしまうのだが…と考えると、この妖精無意識で彼処にいるのだろうか?


「お前だって森の中を点在していたのではないのか?」

「そうだけど…私は私なりの、この子はこの子なりの事情があるのよ。」

「そうなのー?」

(自分のことを理解していないのか…。)


 この妖精やっぱり気楽だなぁ…と考える私であった。私は一箇所にい続けることが出来ない。土がいずれ枯れてしまう。枯れ始めると違和感が出てくるので移動するのである。それゆえ、デレナール領とかは長く居続けることが出来ない。


『姫様。姫様の花の匂いで魔物が感づいたようです。』

「あー了解。」


 雨の中のため、私は帽子を取ってしまっていた。濡らしたくない。シュウ君が代わりに持っている。雨が降ると匂いが届きにくくなるらしいが、それでもどうやら私の花の匂いは魔物にとって強力らしい。シロは理性があるらしく、私を襲おうとはしないが…理性がなければ襲っていると本人も言っている。


(本来はこの魔物と妖精共に私はもっと警戒しないといけないのよね…裏切られたら一瞬で終わっちゃうし…。まあ、とりあえず邪魔者の駆除はしておきましょう。)


 私は前世の経験込みで結局「信じる」と言う概念が壊れてしまっているのであった。結局この日はほぼ移動が出来ず終わってしまった。食べ物は一々料理しないと食べれない物ばかりではない。寧ろ、ここまで長距離移動なのである。貴族云々言ってられない。まあ、このデレナール領は本当に辺鄙な場所にある。いわゆる盆地なのだろうか。街を守る障壁は他の国や領土から襲われないように…と言うより、魔物に襲われない様に…が正しいだろう。次の日になる。天気はまだ晴れてはいないが、雨は止んでいるため移動開始となった。ただ、そのちょっと前…私は驚いていた。


(ここの土…いつからこんな養分たっぷりの腐葉土になっていたっけ?)


 昨日雨が本降りになった直後は…街道の脇道ということがある…土に養分などあったっけ…無ではない…であったが…今は腐葉土なのである。しかもそこいらの森よりも養分が多い。


(…まさか…これが、アースの力?)


 腐葉土が出来上がっているところでは、アースが地面に潜っていた辺りである。先日アースが夜眠るために地面に潜った時にはそんなことにはなっていなかった。以上を考慮して…私は結論に至った。


(アースは大地の精霊…土に潜って雨に当たると、周りの土をゆっくりだけど腐葉土に出来るのかしら?しかも、天然を遥かに超えるレベルの。この子私のペットにでもすれば私拠点移動しなくても良いのでは?)


 最後は欲望丸出しのマイであった。なお、補足であるが…生活水準レベルが上がると元に戻れなくなる。アースをペットにしてアースが作り出す腐葉土で生活し始めたら、アースとはぐれた瞬間に地獄を見ることになるが…マイ?大丈夫かい?


(まあ、黄金リンゴの育成にアースが必須な理由は分かったわ。実がなる分布が滅茶苦茶なのも全部気まぐれアースが原因ね…。人間には…アースにも、この原理について言わない様にしましょう。互いに良くないわね…。)


 アースが気まぐれだから黄金リンゴは数が限られるし、黄金リンゴを養殖も出来ないのである。原理がバレたら、アースは間違いなく人間に捕まるだろうし、アース自体も自由に動けなくなるだろう。それこそ今の私の様に…。実年齢は私より遥かに上のアースであるが、見かけが4歳の女の子だし…その為後輩というイメージが私にもあるし…母性反応だろうか、守ってあげたいのであった。私は内心で色々考えていたが…貴族と護衛軍団は街道を引き続き進んでいくのであった。

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