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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
王都への道
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ゴーレムの襲来?

「リーダー、行く先に反応がある。人間じゃないみたい。」


 メリーさんからである。メリーさんは探知魔法が使える。


「分かった。マイ。マイは気づかなかったか?」


 リールが問う。メリーさんは探知魔法を使うことにより半径約1km範囲内の…本来200mぐらいらしいのでメリーさんの能力も計り知れないが…生き物を検知できる。まあ、全生き物なんてやってしまったらカオスになるのである程度強い生体反応…人間、動物、魔物…とかだけのはずだが。そして、私は植物伝達網で植物が生えている限り無限である。要は本来私が先に気づいて報告しなければいけないのだが…。


「あー、気づいてはいますが…脅威ではないと連絡が来ていまして…恐らく私が呼んだ子だと思います。」

「ああ、そういうことか。じゃあ、気にしないで…」

「ただあの子悪戯っ子なので…ちょっと面倒臭いかもですよ?」

「どう言うことだ?」

「ちょっと口封じされてまして…見ればわかると思います。」


 リールさんが眉を吊り上げたが私は黙認する。そのうち、前を歩いていた護衛が何か言った。


「うん?前に何かいないか?」


 私は後ろにいるが、体を乗り出して前を見てみる。確かに何かが見える。植物のいうことが正しいなら「ゴーレム」だろう。アースは小さい。この距離からでは見えるわけがない。


「うん?あそこ?」


 メリーさんが不思議がる。


「どうした。」

「うーん、生体反応的にもっと奥っぽいんだけど…」


 恐らくメリーさんの生体反応に引っ掛かってるのはアースである。で、ゴーレムはこっちに向かって来ている。要はゴーレムは探知魔法に引っかからないらしい。まあ、あれは生き物じゃないからなぁ。馬車一行は警戒しながら進むとのこと。そして、敵がある程度見えてくると全員止まった。


「何だあれは?!」


 ある程度近づいた時に全貌が分かってきた。大きさは大体5m程度。土で作られたであろうゴーレムである。街道をゆっくり歩いてこっちに向かってくる。街道は人が少ないが無ではない。たまに人が「うわ!!!」とか色々叫び声やら逃げる足音やらが聞こえるが、ゴーレムは一切人間達を無視してこっちにやってくる。


「ウィリー、メリー、迎撃できるか?!」

「私の矢じゃまだあそこまで届かないわよ!」

「じゃあ私がフルパワーで!」

「他の人間を巻き添えにするなよ?!」

「問題なし!」


 メリーさんが詠唱し炎魔法を発砲した。残り200mぐらいか。着弾する。爆発音は聞こえたが、ゴーレムの足は止まらない。


「くー、もう一発!」

「メリー、それが終わったらお前は一回退避だ。初動から魔力を大量消耗されたら困る!」

「了解!」


 メリーさんが再度ゴーレムに発砲する。ダメージは受けているのだろうか?暫く全員が様子見である。


「どうかしたか?」


 馬車からリグルト伯爵が顔を出した。


「伯爵様。ゴーレムです。どうやらこっちに近づいているようです。今戦闘準備中ですので馬車内に避難しておいてください。」

「あら、何でこんなところにゴーレム?ゴーレムと言えば誰かが作ったということになるんだけど?」

「わかりません。」

「シロ、とりあえず破壊してきて。貴方?私達を襲いそうな刺客の有無ってあったりする?」

「いや…こんな辺鄙なところ誰が狙うんだ…?」


 かくいうシロはどうやら馬車の前に行き既に警戒しているようである。


「お姉ちゃん!僕達も!」

「そうねぇ…まあ、万一対策はしておきましょう。」

「万一?」

「あのゴーレムが本当に危険なら、然るべき奴を締めようかな。」

「???」


 今の現状を完璧に理解しているのは多分私だけである。どうせ問題ないし、だったらあのゴーレムとここいらの護衛どっちが強いか興味があった。ゴーレムは着々と近づいて来ている。残り50mを割ったぐらいだろうか?護衛二人と前衛ハンター二人が一気に突っ込んだ。


「ゴーレムの弱点ってどこだっけなぁ…。」


 ウィリーさんはゴーレムに焦点を合わせ、矢を飛ばす。顔面に直撃した。


(スゲー。オリンピック出れるんじゃない?)


 私の思考は明後日であった。


「ねえねえマイちゃん?」


 メリーさんである。敵地に援軍が走っていってしまったため、魔法が放てない。メリーさんは攻撃ではなく探知魔法を見ていた。


「はい。」

「やっぱり、リーダー達が攻めている場所と探知魔法の引っかかってるところが違う感じがするんだけど…マイちゃん植物から何か聞いていない?」

「うーん、聞いているも何も普通に考えて…司令塔に探知魔法が引っかかっているんじゃないんですか?ゴーレムなんて生き物じゃないんですから、探知魔法に引っかからないと思います。」

「あ!…ってことは、本体叩けば!」

「…が、正論なんですけど…本体恐らく私が呼んだ援軍なんですよねぇ。だから私はゆっくりしているんですけど。」

「え?!…ってことはあのゴーレムって仲間?」

「結論から言えば。」

「え、え?!じゃあ、攻撃しちゃ…」


 とか言っているうちに何かが崩れる音がした。前を見てみるとゴーレムの残骸があった。

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