急な訪問
『姫様?お時間よろしいでしょうか?』
「うん?まあ大丈夫よ。」
『ここから大体1km弱か?姫様の名前を呼んでいる…情報によると妖精だな…奴がウロウロしているとのことだ。敵意はなさそうだが…心当たりあるか?』
「妖精…うん?そういえば…名前とか特徴とか分かったりする?アースとか服装が茶色いとか…頭に双葉っぽい葉っぱが2枚くるくる回っているとか。」
『少々お待ちください。』
少々待たずに連絡が来た。植物の情報伝達スピードは光速は超えないが滅茶苦茶早い。
『名前は聞くことが出来ませんでしたが…他の特徴は一致しているとのことです。』
「分かった。捕まえに行くわ。」
とのことで、大地の精霊…アース、命名は私だが…に会いに行く。森の中なので雲梯の原理で早く到着出来た。目視出来るところで木の上に登り、声をかける。
「アース?こんなところで何してるの。貴女、黄金リンゴの木がある住処暮らしでしょ?」
アースは見かけ4歳の女の子である。ただ、背中には左右2枚ずつ系4枚のザ妖精とも言える透明の羽が生えている。その為飛んでいた。髪の毛は茶色だが…天辺にはさっきの特徴がある緑の葉っぱな様なものがあり、下半身は恐ろしいぐらい短い茶色のスカートを履いていたり、上半身は茶色い服というより「ボロ布に首が通せる穴開けただけだろ」と突っ込みたくなるような服を着ている…というより羽織っている。長さも全然足りないので、胸がなんとかギリギリ隠せているぐらいの長さしかない。まあ、女の子なので胸はまだまな板ではあるが…見かけは4歳だが、年齢は2千歳を超えているとのこと。
「だってーボク暇だったんだもーん。マイお姉ちゃん、暇な時は来て良いって言ってたもーん。前来た時にはマイお姉ちゃん来なかったけど…今日はちゃんと来てくれてよかったー。」
「前?」
「前も呼んだよー。来なかったけどー。」
「うーん…ああー」
アースは植物と会話出来ない。いや、それは私達の種の専売特権だろう。しかし、植物に声かけは出来る。彼女が私に用があるときは植物に呼びつけろと言っていたのであった。また、彼女は自分の拠点と街道近くの森を転移魔法で繋いでいる。彼女専用らしいが…。それ故、黄金リンゴの木が私の全速力で1日以上、人間の登山で数日以上であっても一瞬でこっちに来れるのであった。
(前、一回植物から連絡あったかしら。確か街にいるから遠すぎて諦めたのよねぇ。連絡手段ないし。)
そういえばあったなぁ…と謝罪する私であった。
「お姉ちゃんの住処に魔法陣置かせてよー。そうすればもっと来やすいー。」
「うーん。」
私の性格上、基本は一人の方が良いのである。拠点に魔法陣なんて置かれてしまったらいつこの子が突っ込んでくるか分からないので私が休めなくなってしまう。
「私の拠点やそこら辺は却下。」
「なんでー良いじゃん!」
「私は自分の拠点には誰も入れないって決めてるの。」
シュウ君はカウントされていないらしかった。ジェスさんは…あれは緊急だから仕方ないだろう。
「ムムーゴリ押してもー?」
アースは指を私に向け魔法陣を展開する。私は咄嗟にツルを地面に刺しいつでも自衛及び反撃出来る姿勢をとった。
「うーん…じゃあいいや。お姉ちゃんを追尾…」
「殺されたい?」
「…はしないけど、もう少し側にしてよー。呼んだら10分ぐらいとかさー。来る時間の基準ぐらい知っておきたいー。」
「はぁ…。ここら辺なら30分弱よ。それでも近い方なんだがら妥協してください。」
「まあいいやー。30分ぐらいねー。時間良く分からないけどー今日の体感ぐらいにしとくー。」
じゃあ聞くなよ!と突っ込みたいが面倒臭いのでやめた。ミサさんやケリンさんは面倒事を持ってくる生物であるが…アースは面倒事そのものなのが厄介である。




