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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
テイマーの模擬戦
201/331

得意不得意

「ベイルさん?」

「あ、ああ…模擬戦終了だ。」


 私は束縛に利用したツルを全部解除する。シュウ君は私のところまで走ってやってきた。何故か私に抱きつく。


「お姉ちゃん!勝ったよ勝ったー!」

「うん。シュウ君お疲れ様。」


 私はシュウ君の頭を撫でてあげた。まあ、実力は私であるが…戦略は全部シュウ君だしシュウ君の手柄で大丈夫かな。私はちょっとエネルギー使いすぎたので、「この後しばらく休憩ー」とか考えていた。魔物だから戦えると言えば戦えるが無理をすると倒れる。前世の私がそう言っていた。


「相変わらず、可愛い女の子なのにやることえげつないわねぇ…。」


 ウィリーさんからコメントである。実際、大分野次馬の視線も減っていたが…リールさんがツルで襲われてから敗北まではほぼ全員が唖然としているようだった。


「魔物ですよ、私は?最近誰も私のこと恐れてくれないので悲しいです。」


 私は皮肉っておいた。


「見かけ上は恐れる場所わかんねぇんだよなぁ…見かけは。」


 ベイルさん曰くである。


「油断したな…まあ、やはりお前達は組ませると厄介だな。うん。」


 リールさんは若干悔しく若干嬉しそうであった。


「えへへー。」


 シュウ君は滅茶苦茶嬉しそうである。私は他人の感情に飲まれやすい性格である。あまりこの戦いに興味はなかったが…巻き込まれ笑顔になっていた。なお、マイは自覚していないが…見かけ10歳の女の子である。笑顔なんてしたら一部の男性には心理的に大ダメージを与えてしまうのであった。しばし空気が和んだところで本題に戻っていく。


「さてと…まあ、実力は分かったな。だが弱点も分かった。」

「え、弱点?無敵じゃないのあんなの?」


 メリーさんが問う。


「いや、無敵じゃない。メリー色々考えてみるんだ。今回の戦いについてシュウが出した条件とかシュウの行動、後は俺の失態とかもな。」

「うーん…何処かあったかなぁ。」


 メリーさんは考える。メリーさんは20ちょいぐらいの女性であるが、しかめっ面をするとちょっと残念な顔になってしまっていた。普段は美人なので羨まし…くはないか、前世男性で今も魔物だし。


「メリー?例えば、シュウ君はルールで1対1と言っていたわ。まあ、テイマーだからマイが何処かしらで出てくるとは思っていたけど…リーダーはマイへ攻撃してはいけなかったのよ。本来実戦でそんなルールないんだから、私だったら弓使って速攻魔物撥ねるわね。」

「それにこいつはどうやら攻撃する時に自分のツルを地面に刺さなきゃいけないみたいだしな。戦闘中マイは隙だらけだったぜ。まあ、それを全部リカバリーしていたシュウが凄いわけでもあるんだがな。俺でもあの状況じゃマイを警戒するのは難しいな。」

「ええ、シュウ君誘導美味かったわね。初めから仕掛けるまでゆっくり動いていただけだったけど、リーダーが襲撃されてから気付いたわ。マイを見えなくするようにシュウ君が動いているって。」


 ベイルさんやウィリーさんは流石Bランクと言ったところか。タネさえ分かって仕舞えば色々考察出来るようである。メリーさんは「うーん」とまだ考えていた。


「まあメリーは魔力ゴリ押しだからな。メリーにはマイの倒し方でも後で考えてもらうか。」

「リールさん?それは止めてください。私怖いんですけど。」

「うんにゃ。良いことだぜ?俺もリール倒す方法よく考えるからな。実戦で役立つ時もあるさ。」


 やっぱりこのパーティーよく解散しないなぁと疑問に思う私であった。


「俺はとりあえず、今日のことを考えて今度の依頼に向けて戦略も考えておこうと思う。まあ、向こうの護衛との打ち合わせも吟味しないといけないけど。」


 向こうの護衛とは貴族の護衛ことである。闘技場には練習のため他のハンターもちらほらいる。盗み聞きされたくないのだろう。


「後は…ベイル。俺と交代交代でシュウの教育に手伝ってくれ。見て分かる通り、シュウは単体では戦闘にすらならない。実戦でいきなりさっきみたいな場面になることはないだろうが…テイマーだからな…護衛当日まで極力お荷物状態から少しでも自衛出来る様にはしたい。」

「おう。任せとけ。…マイはどうするんだ?俺らじゃ鍛えれなくねえか?本体攻撃してはいけないなら俺らが鍛えられる方になっちまう。まあ、それでも俺は良いがな。」

「マイちゃんさっき疲れているって言ってたじゃん。休憩で良いんじゃない?」

「ええ、私もそう思うけど…私的にはこの二人のコンビネーションを鍛えた方が良さそうな気はするけどね。私アーチャーだから腕っ節鍛えろって言われても出来ないものは出来ないってなるわよ?」


 ウィリーさんからの指摘である。苦手克服より得意延長の方が良いんじゃないか?であった。


「そうだな…俺もテイマーはあまり見ないし…何が良いかよく分からないからな…。ちょっと全員で何か良いものあったら考えておいてくれ。マイは疲れているなら暫く休んでいて良いぞ。無理して当日戦えないが一番困るからね。」


 とのことで、今日は解散になった。シュウ君は暫くはソロでギルド依頼を受けたり修行の日々が続く。他の栄光メンバーも忙しくしていた。一番忙しいのはリールさんだろう。リーダーとしての仕事や後日打ち合わせがあって戦略会議やそれをチームに展開する必要性もある。良く出来るなぁ…と、前世スケジュールとかすら立てることがロクに出来ない私は…森の中で光合成をしながら植物達とギルドの状況とかについて会話したりしていた。そして暫し過ごしていた私は…当日の護衛とかについても色々考える時もあったが…それに付随してか、あるイベントが発生していた。

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