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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
テイマーの模擬戦
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テイマーからの下剋上作戦

「シュウ君?普通に中央で向かい合ってヨーイ、ドンじゃダメなの?」


 メリーさんが言ってきた。


「そうするか?」


 リールが問う。


「うーん、お姉ちゃん普段そんな戦い方しないもん。うーん…」


 シュウ君は再度考える。そして、シュウ君は何故か閃き度が異常に高い。「あ!」って言ったと思ったら私の方に来た。


「お姉ちゃんお姉ちゃん。」


 小声で声が掛かる。


「うん?」

「お姉ちゃん、ここら辺の地面って…ツル刺せたりする?」

「うーん、ちょっと待ってね。」


 コソコソっぽいので、私はコソコソ検証する。まあ、固いが大丈夫だろう。


「出来なくはなさそうだけど…地面傷付けて平気?」


 私は開けてしまった穴を見る。シュウ君は足で土を動かし穴を埋めた。


「ちょっと聞いてみる!でねでね、お姉ちゃんには…」


 シュウ君の策略は分かった。これはコンビネーション求められるなぁ…。まあ、万一が起きても誰も死なないから良いか。


「リーダーさん、リーダーさん!」

「うん?決まったか?」

「うん、大丈夫!じゃあルール説明。」


 ざっくり言えば、一騎討ちである。リールさんVSシュウ君。闘技場の一定範囲内から出てしまったりしたら負け。後、今回は共に軽めの木刀を持ち、相手の体の何処かに当てれば勝ちらしい。まあ、相手を瀕死とかだったらシュウ君100%負けるのでしょうがない。怪我もしちゃうし。と言うより実力を図るだけである。模擬戦ではない。勝ち負けは関係ない。


「分かった。闘技場にいる奴らには退いて貰うか。」


 リールさんが声をかけに行った。朝早いので人は少ないが…今日は修行と練習している人はいる。


「しっかし、お前ら2人の実力を図るんだよな。一騎討ちってどう言うことだ?」


 ベイルさんは突っ込んだが…リールさんは聞こえなかったかのように準備している。


「さて、人払いは済んだ。シュウ、始めるぞ?」


 とのことで、2人は木刀を持ちある程度距離をもって向かい合う。審判はベイルさんがやるらしい。


「じゃあ、まあ…試合開始だ。リール?本気出すなよ?シュウ死んじまうぜ?」


 そして模擬試合…というよりは実力測定試合が始まるのであった。リールさんは栄光Bランクパーティーリーダー。対して相手はただの10歳の男の子。まあ、シュウ君は定期的にギルドに顔を出している男の子である。知っているハンターは知っている。勝敗など一目瞭然だが、興味本位で見ている人もいた。


(一騎討ちか。所謂互い1対1の勝負だが…まあ、テイマーの実力を図る試験だ。マイが何かしらしてくるだろうが…。)


 リールは戦闘開始早々、シュウだけでなくマイも警戒していた。まあ、当たり前の対応であるが…マイは腕を組んで2人を見ているだけである。また、シュウからの事前連絡で「互い以外の攻撃は禁止」とあった。要はリールはマイを見るのは問題ないが、攻撃してはいけない。


(まあ、どうせ地面からツルを出したりなんかだろう。足元だけは警戒だな。)


 シュウは彼から見て右の方へ動きつつある。リールは自身も右へ動く。互いに反時計回りで進んでいく。


(さあ、シュウ…何時でも懸かってこい!)


 自分から突っ込むと速攻ノックアウトである。実力が図れない。まあ、テイマー試験なのでシュウ単体の実力を見たいわけではないが…先に仕掛けさせてあげるのが上級者の役目だろう。足元や、マイ、シュウの様子を伺う。


「リーダーさん、いくよ!」


 シュウがリールに向かって突っ込んでいく。言っちゃ悪いが、シュウはごく一般の男の子である。リールに勝てるわけがない。リールにしてみてば隙だらけではあったが…木刀を使って受け止める。


「シュウ、昨日も行っただろう?そんな単調だと簡単に防げるし、押し返されるぞ?」


 リールは受け止めた後、自分の木刀を強く押し返した。シュウの木刀はシュウから離れ飛んでいき、シュウ君も地面に寝転ぶ。野次馬ハンターは、まあそんなもんかと大抵は関心をそらした。


「シュウ君!転がってでも良いから逃げなさい!」


 マイが叫んだことが分かった。更にシュウは何とか立ち上がった後、転がった木刀の方へ走っていく。


「おい、シュウ。敵に背を向けて走るな!」


 そしてトドメを指そうと走り出す。その途端、リールは「しまった!」と思った。今の発言はブーメランだったのである。足元に何かが絡んで躓いた。


(全く…相変わらず、シュウ君の読みは恐ろしいわね…)


 シュウ君からの作戦を超簡単に説明すれば、「リールさんの隙をついて攻撃しろ」だった。私は超遠距離射撃型。普段は敵が私に気付く前に奇襲する。しかし、こんな闘技場ではリールさんは、私がどう頑張っても私に気付いてしまう。実際初めは警戒されていたことも知っている。だからシュウ君が囮役と言うわけである。また、リールさんは昨日シュウ君を教育していたらしい。その為、多分油断してるから僕は大丈夫とのことだった。まあ、何処まで油断していたかは私には分からないが…シュウ君が仕掛けるまで攻撃しなかったり、シュウ君の攻撃を受け止めたりと手は抜いているようであった。


(最初の反時計回りも上手かったわねぇ。)


 ゆっくり移動すれば相手もゆっくり移動する。リールさんの死角に私が入った時…リールさんの後ろに私が行くようにシュウ君は誘導していた…シュウ君は仕掛けた。完璧すぎた。


(シュウ君指揮官として向いてるんじゃない?)


 おまけであるが、シュウ君が背中を向けて走ったのも私が叫んだのも全部トラップである。リールさんをシュウ君の方向へ走らせるため。足元にはツルでずっこけるようにトラップを仕掛けておいた。彼がシュウ君に気を取られているうちにであった。


「おっ…」


 リールさんが躓いた瞬間の隙で一気に奇襲にかかる。私はそこまで動体視力も反射神経も良くはない。Bランクハンターが本気で動いてしまえばツルで捕まえるなど不可能である。しかし、不意打ち作戦はぶっ刺さった。バランスを建て直す前に両足をツルで固定し…バランスを崩して右手を付いたので右手も地面に固定。そのままツルで腹から地面になぎ倒して…まあ、満身創痍状態までは簡単である。どんな強者だって私のツルに捕らえられたらゲームオーバーなのだから。シュウ君が木刀を拾って振り返ったときにはリールさんは既に行動不能であった。


「シュウ君、後はよろしく。」

「うん!」


 シュウ君は木刀を持ってリールさんの頭をコツンと叩いた。まあ、恨みなどあるわけないし…チョンと言った感じであった。

 テンプレなので負けさせても良かったのですが…まあ、未来は変わらないしこんなので良いかなと。

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