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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
生後100年の歴史
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身体の生成

「う、うーん…」


 ふっと、意識が戻った。いつから戻ったのかは分からないが、とりあえず意識は戻った。


「え…え!」


 喋れる!声が出る!声はかなり高い声。うーん、女の子と例えるのが一番かもしれない。


「あ…あ!」


 一気に視野が目の中に飛び込んできた。…目という概念はよく分からないが視界が見える。まあ、今までも景色は見えていたが…上を見ているというより、地面に横向きに寝転んでいる感覚。…うん?


(私、本当に横向きに寝転んでいない?)


 おかしい?私は木から落ちた花のはずである。体なんてある訳がない。だがそんな感じがする。試しに首を捻ってみると…


(か、体がある!!)


 まあ、首を捻れる段階で唯の花な訳ないのであるが…間違いなく体がある。


(立てるのかなこれ?)


 さらに両腕とちゃんと手もあることがわかった。寝返りも出来る。すなわち立てる!


(うーんー、おっとっと…)


 体を見る限り人間っぽい体だったので立ち上がれそうな感じがしたがちょっと考えが甘かった。確かに両手はある。しかし、ヘソがあることはわかったが、それより下がスカートと言うべきだろうか?にしては、スカートがまるで葉っぱで出来上がってるような見た目であったが…とにかく下半身がそのスカートでよく見えない。ただまあ、膝?みたいな感覚はあったので足を曲げ…なんか、人間の足とは違う感じがしてならないが…とりあえず、人間で言うところの正座もどきまで持っていくことはできた。


(あと、もう一息!)


 立ちあがろうとしてみる。結論から言えば立ち上がれたが、やっぱり足の感覚が人間のようで人間ではない感じがする。葉っぱでできたスカートが原因で中は見えないが、これはあくまで直感とはいえ中は見てはいけない感じがした。と言うより、スカート捲れないかなぁと足の先の方を捲り上げようとしたが、スカート自体がある程度固まってしまっているらしく若干捲れたが大きく捲れず中は見えなかった。スカートの丈はヘソの下の腰から始まり、一番下は地面を擦っている。要は下半身は見ようがない。


(上半身はどうだろう。)


 まあ、多分自分は女の子…人間定義で言えばではあるが…である。顔はもちろん見えないから分からない。ただ、首を下に向けるとお腹側はちゃんとみることが出来る。結論から言って分かりやすく言えば上半身はブラジャー以外何も着ていない。要はほぼ半裸である。しかもブラジャーもそこら辺のブラジャーではなく、胸はやっぱり葉っぱが何枚も重なって隠している状態。右胸と左胸の葉っぱ群の間はツルで繋がり、脇から背中にかけても数本のツルで繋がっているだけだと思われる。背中は見えないが手で触れた感覚的にそんな感じ。ブラジャーは肩からも支えるための布のようなものはあるが、この葉っぱとツルで出来たブラジャーもどきにはそのようなものはなかった。一応念の為だが、肌の色はもちろん肌色…そこは安堵している。


(これ、大丈夫?ずれ落ちたりしない?まあ、女の子なら胸なんて男の子と大して変わらないでしょ。)


 実際、女の子と仮定して胸はまな板。身長も正確には分からないが視界的に幼児レベルであろう。4~5歳ほどかな?ブラジャーもどきに触れて「あっ」としたが、このブラジャーもどきの葉っぱは自分自身にくっついてしまっている。ツルの部分は若干動かせそうだが、葉っぱの部分は動かないしゴリ押しで動かそうものなら痛みを感じた。


(私は…人間…なの?)


 自分自身の体の状態から人間っぽいことは分かる反面明らかに人間じゃない部分もちらほらある。ブラジャーもどきもそうだが、スカートもどきもずらしたりすることはできなかった。スカートの中にちゃんと足があるのか確認したかったのだが出来ない。あともう一点の人間との相違点は両腕にツルが巻き付いている。緻密ではなく肩ぐらいから生え始め手首ぐらいまで3周程度ではあるが両腕に存在する。ファッション的に腕に何か巻き付けるなら考えられなくはないが、ツルが肩から生えてることは言い逃れが出来ない。

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