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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
テイマーの模擬戦
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疲弊し始めた雌花

(若干寝不足かなぁ…)


 そして翌日である。土から養分を大量に吸い込んでおいたのでまあ、歩きながら光合成をして…晴れてくれて良かったわ…ギルド直通した。一応シュウ君が泊まっている宿についても知っているが…まあ栄光達がいるし、一人行動じゃなきゃ大丈夫だろう。第三者目線でマイはシュウに過保護過ぎるのであった。彼らがギルドに到着するまで日光浴で光合成である。…帽子や服を取れないのが残念であるが。そんなことしたら夫人がキレるし…第一、テイマーの魔物がやってきてしまう可能性もあるからしょうがないのであった。


「あ、お姉ちゃん!」


 シュウ君である。後ろには栄光メンバーがいた。


「マイちゃん。何してるの?ギルドの中で待っていれば良かったのに。」

「光合成です。最近なんか色々忙しくて日光浴足りてないんですよ。今すぐじゃないですが…養分不足で餓死しちゃいます。」

「そんな忙しかったのか?まあ、最近毎日見ている感じがするが…。」

「あ…そうだった!」


 シュウ君は何か分かったようである。


「お姉ちゃん今まで僕が孤児院にいるときは、毎日じゃなくって時々孤児院に来てたの。お姉ちゃん結構疲れやすいからって普段毎日森で日光浴ばっかりなんだって。だけどここ数日街に来てばっかりだし…お姉ちゃん街の地面だと上手く光合成出来ないんだって。」

「そんな疲れやすいの?」


 ウィリーさんが私に声をかける。


「私は植物の魔物です。植物って根っこが土に埋まっていれば元気が良いですが、地面から抜けていればカラカラになって枯れちゃいます。詳細や構造は人間には分からないと思うので略しますが…森にいるときは私は土に根を貼っている状態、街にいるときは土から根を出してしまっている状態です。植物ではないのではいそうですかとは枯れませんけど…長居はきついんですよね。」

「面倒臭えんだなお前も。」

「ベイル。そう言うな。魔物使いは魔物の体調管理もしなくちゃいけない。シュウがマイのことを理解していなければいけないのも勿論だが…仲間になった以上、俺らも魔物がキツいのであってテイマーが困るとあれば考慮しないといけないんだ。それがチームって奴だな。まあシュウ。シュウがちゃんとテイマーとして仕事をしていると言うことは分かったけど、そう言うことはもうちょっと早く言って欲しい…と言うのはあるけどな。影響が出始めてから対策を考えるのは難しいんだ。」

「まずはシュウ君が言ってくれただけで良しとしなさいな…リーダー。彼にしてみれば私達全員ある程度歳をとった先輩なんだから。言いにくいと言うのもあるでしょう?」

「え?私まだそんな歳取ってないよ!」

「メリー、お前は黙ってろ。」


 とのことで、全員でギルドに入り…そのまま闘技場へ向かう。まあ、ハンター同士が模擬戦をする場合は本物の武器は利用せず木刀とのこと。実際問題模擬戦などしょっちゅう実施しているわけではないので闘技場兼練習場らしい。


「ところでどうやって、シュウ君達の実力を測るの?昨日リーダーがちょっとシュウ君鍛えていたみたいだけど…典型例なEランクハンターだからシュウ君と…例えばリーダーがここでやり合っても実力云々の前に彼負けて終了だと思うけど。」


 ウィリーさんからの発言である。


「ああ。シュウの強さは昨日俺が見ている…というかまあ、子供の戯れ合いだったからこれから鍛えることにして…テイマーとしての実力を見たい。実質本業はそっちだからな。貴族護衛が控えている過程でシュウ単体で戦うわけないからな。」

「お姉ちゃん?大丈夫?疲れていない?お姉ちゃんさっきも光合成してたし。」

「…まあ、今日本気出したら2日ぐらいはこの街に来ないで大丈夫?シュウ君一人だけでもデレナール領近傍だったら薬草採取とか出来る?」


 シュウ君が薬草採取やら手頃な依頼を受けるときは私は拠点で休んでいることが多い。魔物がいそうな場所に行くなら別だが…。第一、E,Fランクハンターは初心者級。彼らがソロでお金が稼げる場所がなければハンターに未来はないのである。


「うん!大丈夫!お兄さんやお姉さん達もいるもん!」

「そう…」


 シュウ君は昔人身売買で売られそうになった過去を持つ。それなのにシュウ君は栄光達を信頼しているようである。まあ、栄光連中が悪さしたわけではない。売った人間共が悪いのであるが…前世裏切られまくって人間全員信用出来なくなり、今世魔物として人間を信用出来ない私としては、羨ましいと言うべきか妬ましいと言うべきか…シュウ君を私一人で独り占め出来ないことに悔しさもあるのかもしれなかった。


「本気でやる気はお前。」


 ベイルに突っ込まれた。


「状況次第ですね。模擬戦云々あまり興味ありませんが…私の花狙ったりしたら実戦になるのでご了承ください。」


 言い換えれば「殺すぞ?」であった。


「シュウ。お前はテイマーだ。お前達の力をどのように示すのかはシュウが決めてくれ。」

「うーん…どうしようかなぁ…。」


 シュウ君は周りを見る。闘技場はまあ言わば、更地である。シュウ君は私の戦い方を知っている。こんなところでやり合ったら即死ぐらい分かっている。

 体感、日本は「限界は突破するものだ」理論がありますが…限界まで頑張ったらOUTです。60%程度の頑張りが最適解だと思います。

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