表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
新たな依頼
194/365

栄光からの指摘

「あー、そういえば栄光連中も宿に泊まっているはずよね。彼らは収入が安定しているから多分、シュウ君が泊まるにはキツイ宿にいそうだけど…アドバイスはくれるかも。」

「あ、そうだった!聞きに行く!」


 とのことで、彼らが泊まっている宿に行こうとしたのだが…丁度ギルド入り口ですれ違ってしまった。


「お?シュウか。丁度良かった。」


 栄光ハンターリーダーのリールさんである。今日は全員集合か?ベイルさん、ウィリーさん、メリーさんもいた。彼らは4人ではあるが、時折バラバラで依頼を受けに行くこともあるらしい。集団の強さも大事だが、個人の強さも重視とのこと。まあ、全員で行かない場合は数時間や長くても1日程度らしい。依頼内容も簡潔なものとのこと…身近な場所での素材採取とかC, Dランクのハンターであれば誰でも倒せるレベルの魔物討伐とか。長期になると4人同時行動がしにくくなるためのルールと教えてもらった。まあそれ故、シュウ君も好き勝手にFランクレベルの薬草採取とか或いは家事や農家の手伝いとかなら出来るのではあるが。補足であるが、シュウ君は功績が認められ既にEランクになっている。Fは初心者、Eはハンターの中で最低実力者と思えば…まあ、真面目にこなしているシュウ君ならば数ヶ月でEランクというのは一般的だろう。


「ねえ、ちょっと臭わない?」


 ウィリーさんからの指摘である。私は魔物である。あと、恵みの雨ということもあり…雨の中裸で雨に当たるということもしているが…まあ、森の中とはいえシュウ君にはそれは無理。私は嗅覚が人間より脆いみたいである。頭に大きな花を抱えている。嗅覚が優れていたら最悪自分の花の匂いでやられてしまう。シュウ君は、自分の匂いだからかあまり気づかない様であった。


「あー、そういえばシュウ君。最後のお風呂はいつ?」

「うーん、1週間前ぐらい。孤児院から出てからシャワーすら浴びてない。」

「あ?どういうこった?」


 ベイルさんから指摘が来てしまった。とりあえず、話が長くなる確定なのでリーダーの指示の元ギルド奥に私達2人は連行されて行った。颯爽バッシングである。


「あ?森の中で生活してただぁ?」

「べ、別に私の生活圏内ですし…何も問題ないかと…。」

「はぁ…。10歳の男の子が孤児院出て早々サバイバル生活しなくても…。」

「でもさー、私だって15超えて一緒に活動してから森の中生活もあったじゃん。」

「俺たちが一緒だっつうの。しかも依頼中だそ、え?」

「ベイル。ちと落ち着け。マイもいるし、命的には問題ないだろう。まあ、豪快すぎるという面は否定しないが…。」

「全くもう…だったらとっとと俺らに相談しろよ。俺らがDランクぐらいの頃に拠点にしていたところ…」

「あそこもう潰れてるわよ。うーん、私達と一緒だとちょっとEランクだっけ?だとちょっと高いわねぇ。」

「奢っちゃえば?」

「俺らの負荷が大きくなるが…メリーは大丈夫か?」

「あー…うーん…数ヶ月なら…」

「おいおい俺らはパーティなんだぞ?数ヶ月後に誰か死んだりするのか?」

「ベイル。大袈裟だ。」


 栄光内で口論が起きてしまった。横目だが、よくこれでパーティ成り立つなぁと思っていた。


「まあ、生活面については同一パーティーだ。検討しよう。えっと、メリー。確か学校が始まると…寮だったよな。」

「ええ。休日もそこで過ごして大丈夫だから。後、寮の費用は先日マイちゃんが荒稼ぎしていたから大丈夫だと思うよ。」

「計算するとギリギリだったので…休日ある程度の収入は必須ですけどね。」

「何で魔物が普通に計算してるんだよ。」

「マイちゃんについては突っ込むと頭痛くなるからやめましょう。」


 ウィリーさんに言われてしまった。扱いが酷すぎる。


「お、で、リーダー。なんだ?メンバー全員でギルドに行こうなんて言い出して。大体こう言う時は面白い依頼とか何とか言うのがお前だよな。」

「ああ。ちょっと前に噂が入ってな。何でもかなり高値の依頼が近々公開されるらしい。まあ今日は念の為確認に来ただけだが…。」

「高値?」

「具体的なことは俺も知らん。だが、美味い話には乗るもんだろう?」

「美味い話の裏には大体面倒臭い事象があると思いますが?」


 私がリールさんに突っ込んだ。


「リーダー。魔物に突っ込まれているけど大丈夫?と言うより、マイさん考察力おかしいでしょ。本当に魔物なの?」

「魔物なんじゃないんですか?ほら。」


 私はツルを伸ばして適当に遊んでいた。


「やっぱりマイちゃん人間と魔物のハーフとかじゃないの?」

「じゃあそう言うことにでもしておいてください。」


 私はなんかいつもと違うなぁ…と思って、さっき怒られてたから突っ伏してなかったわーと言うことに気づき突っ伏した。


「どうかしたのか?」

「あ、お姉ちゃんいつもここでのびーっとしているの。だから大丈夫。」

「…謎ね。」


 ミサさんだけでなく、ウィリーさんにも突っ込まれてしまったマイであった。リールさんとベイルさんは依頼掲示板を見ている。


「今日は依頼なさそうだとよ。」

「あら、そうなの。残念。」

「お姉ちゃん。リールさんが言ってた依頼ってなんだろう?」

「そうねぇ…絶対碌でもないものだと思うけど…大丈夫かしら。」


 とのことで翌日である。流石にこれ以上森の中はシュウ君がギブアップと言うことと、仲間だからなと言うわけでシュウ君が良さげな宿が見つかるまで栄光メンバーが泊まっている宿に一緒に泊めてもらうことになった。一泊結構なお値段なのだが、半額前投資ということで暫く4人が払ってくれるとのこと。私自身借りを作ることになるので「面倒だなぁ…」と内心腹を括っていたりした。お風呂もあり洗濯物も出せばしてくれるとのことである。そう言ったこともあり、もう一着服を調達しておいた。まあ2着あれば数日毎の交換で何とかなるだろう。寝巻きは宿屋が貸してくれるらしいので助かった。


「シュウ君?この生活に慣れちゃうと今のランクでの生活に戻れなくなっちゃうと思うから、今のうちにお金稼ぐか同じぐらいのレベル層と交流しとくといいかも。」


 とメリーさんである。私自身としては、何とか誤魔化して半年持っていけないか…であった。そうすれば学生である。自立まで5年伸ばせる。そこまでに収入経路を何とかしなければならないが…10歳と15歳では出来ることも変わるだろうし、学校卒業すればそれだけ能力が増えるわけだから選択肢も増えるはずである。別にハンター縛りをする必要性はないのである。まあ、テイマーは私がいる限り確実なのであるが…。まあ、そうして翌日…5人に魔物1人の計6人がギルドに行った時…人だかりがいつも以上になっていた。

 困ったら大人や先輩に相談しましょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ