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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
雄花達からの被害届
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雄花の奇襲裏切りと雌花の逆襲

「す、スッゴい!大きい!」


 シュウ君が大きな声で感嘆した。


「シュウ君、感動しているところ申し訳ないんだけど、私がストップって言ったら止まること。お願い。」

「うん?分かった。」


 とのことなので、おじいちゃん木へ向かう。大体草原の橋の木々と中央のおじいちゃん木の間くらい。植物からも警告が来たので行動を開始する。


「シュウ君。ストップ。」

「うん。」


 その瞬間私は地面にツルを刺し、ターゲットの両腕を束縛。更に相手のツルを叩き切った。まあ、地面からツルを出し…相手の手と地面の間へツルを通せばゴリ押しでぶった切れる。私達自身から生えているツルは引っ張る力には強いが切ろうとする力には弱い。


『姫様。まあ、姫様の強さを見せしめという意味ですが…背後からツルが迫っております。』

「見せしめ?」


 よく分からないが…背後からツルが攻めてきている様なので私は更に背後にツルを吐き出して攻めてきたツルを固定した。私は横を見る。


「なんの真似です?巻き添えで殺されたいですか?」


 敵は一人とのこと。おじいちゃん木の後ろから奇襲してきたことも知っている。だから、何か仕掛ける前に…両腕を束縛し更に地面に刺したツルを切ることにより奇襲不可能にしたのであるが…それでもツルが飛んでくるとなると、しかもこの周りにいる雄花が2人しかいないとなると…もう一人の共犯者は横ということになる。


「いや…マイの強さを見てみたいと見せつけたいがあっただけだ。」

「よく分かりませんが…シュウ君。ケリンさんがシュウ君裏切ったよ。殺せと言えば殺すけどどうする?」

「え?!」


 シュウ君は動揺してしまった。


『雌花よ。すまぬが許してやってくれ。ケリンの行動もわしの後ろに隠れている雄花に教育するためなのじゃ。』

「そうですねぇ…」


 私はおじいさん木の枝へツルを通し、腕を縛り付けた雄花をお腹あたりでツルで縛り付け…更に両手首を体に縛り付け何も出来ないようにし…こちら側から見えるように吊し上げた。


「た、助けて!!」


 見た目12歳ぐらいの少女である。


「シュウ君シュウ君。あの少女がシュウ君殺そうとしてたんだけど、どうする?殺せと言えば殺すよ。殺すの簡単だから。」


 私達の弱点は花である。ツルで花を縛って捥いで仕舞えば…はい終了である。


「え…う…」


 シュウ君は黙る。まあ、見た目は私よりちょっと年上のお姉さんである。いや、お姉ちゃんか。


「マイ。すまん。この通りだ。許してやってくれ。」


 ケリンは何故知っているか不明だが…まあ、人間に関わったことあるとか言っていたし…土下座して私に謝罪した。


「まあ、植物の話を聞く限り、ケリンさんの奇襲は1vs2でも対応出来るか見たかったーぐらいらしいですし…仮に害加えると言っても私だけですし…まあどうでも良いですが…あの子は私ではなくシュウ君を狙いました。シュウ君が許すと言わない限り私は許しません。」


 私は空中でぶら下がってる雄花のツルの束縛力を強くした。残念ながら、本体へダメージがいけば痛みは発生する。


「ぎゃああああ!!」

「お、お姉ちゃん!ダメ!イジメちゃダメ!」

「シュウ!頼む!あいつを許してやってくれ!マイはお前が関わると容赦しなくなる!」

「お姉ちゃん!許してあげて!僕無傷だから!お願い!!」

「はぁ…」


 私はツルを一気に地面に戻した。空中でぶら下がっていた少女は地面に落ちる。まあ、そんな高い高さではないが…数メートル転落した。


「シュウ君が許したので殺すのは一時休憩ですが…ほら、動けるなら早くシュウ君に謝れ。コ・ロ・ス・ゾ。」


 私が発した殺気に怯えたのか、少女は痛々しいながらも起き上がり…シュウ君の側まできた。


「…なんで僕が人間に…」

「ア?」

「…ごめんなさい。」


 謝る気はなさそうであったが、埒が明かないので私はケリンさんに愚痴った。


「ケリンさん。土下座はもう良いです。まるで私が悪みたいじゃないですか。それより、この雄花は摘み出して下さい。」

「やだね。その子供のことも知ってるけど、…あの馬車で見たし…絶対おじいさまの木に何か仕掛けるでしょ。僕が見張って何かしたら即殺すんだから。あの領地での会議は人間の領土だったから黙ってたけど、ここは僕らの住処だ。文句言わせないよ。」

「マイ。すまん。こいつはこういうやつなのだ…俺やおじいさまも言ったのだが…。」


 ケリンさんは立ち上がりながら、更に謝罪してきた。どうやらこの少女もカリン同様、領地での開拓会議に参加した雄花である様である。人間反対派閥である。


「はぁ。気分が悪いので用済ませたらとっとと帰りましょうかね。ねー、シュウ君。」

「え、あ、うん。」

「何がねーだよ。人間の従魔になんてなりやがって。一族の恥だよ。」

「ケリンさん。で、ここへ来たってことはおじいさまと直接ですか?」


 もう無視することにした。好きの反対は嫌いではない。無関心である。


「あ…ああ…」


 私はシュウ君の右腕を左のツルで繋ぎおじいさん木の所へ向かっていった。

 魔物だからか…殺伐としてますね。。。

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