盗賊達
「危ない!」
「え?」
「グハァ!!」
矢がカリン目掛けて飛んできていたのである。シュバレルが体を使ってカリンを庇い…シュバレルの背中側の左肩に矢が刺さった。
「お、お兄ちゃん?!」
「はぁ…だ、…大丈夫か?」
急所は外れている。しかし、刺さっていることには変わりない。シュバレルは立ち上がることが出来ずその場に倒れ込む。
「な、何?」
2人の前に男女一人ずつ、計2名が立ち塞がっていた。
「おう、漸く見つけたぜ。これが新種の魔物ってやつか。」
「そう見たいね。転売したらいくらになるのかしら。」
シュバレルは痛みに耐えながら声がした方向を向く。服装的に恐らく盗賊である。
「カリン…逃げろ!狙いはお前だ!」
「え、だ…だけど…お兄ちゃんは…」
「あら、こいつはテイマーかしら。だったらまずはそっちから殺しちゃう?」
女性はロットを構え詠唱する。強風が吹き二人とも吹っ飛ばされた。
「ガハ!」
「グッ…」
「ハハハ。抵抗は止めな。俺らも殺したくはないんだ。無抵抗に着いてくればこれ以上は何もしないぜ?」
「ぐ…僕達魔物を舐めるな!」
カリンは両手のツルを盗賊に向けて飛ばした。しかし、そのツルは男性盗賊のナイフであっさり切断されてしまう。
「うう…もう一回!」
「おやめ。燃えちゃったら困るから炎魔法は控えてあげてるんだから、これ以上抵抗するなら体のどこか燃やしちゃうわよ?」
カリンが再度ツルを伸ばし、男性がそれを切った後魔法が飛んでくる。水魔法ではあったが、威力はホースから水を吐き出すとは比べ物にならないぐらいの威力の水。カリンは吹っ飛び、地面に倒れ込む。
「カリン!」
シュバレルは叫ぶ。動かない体をなんとか動かそうとし、男性盗賊に蹴り飛ばされた。
「ガハ…」
「へぇ。まあ、魔物使いってもんは人間自体は弱えからな。呆気ねえぜ。」
「お兄さん…!ギャ!!!」
カリンが再度立ちあがろうとした時、左腕に矢が刺さった。前にいる二人はナイフ使いとロッド使い。要は死角にまだ敵はいるのであった。二人とも満身創痍状態。盗賊の男性はゆっくりカリンに近づいて行こうとし…
「な、なんだなんだ?!」
足場をツルで束縛されていた。
今後どこかでタイトルが被っていくかもしれませんが…あまりタイトルセンスが無いのでそこはご了承ください。