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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
異なる雄花
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開拓地へ出張

「シュウ君、シュウ君。それ記載そろそろ終わりそう?」

「うーん、多分。」

「ちょっと急用があるから区切りが良くなったら教えて。」

「うん。」


 数分後大丈夫と来たので連絡する。リールさんとメリーさんも今日は暇なのか側に座っていた。


「お姉ちゃん。急用って?」

「急って言っても今すぐじゃないんだけど、前ケリンさんがいたでしょ?私みたいな魔物。」

「うん。」

「彼から連絡があったんだけど、なんか前開拓云々事件があった時に最終的に開拓することになったと思うんだけど…ある程度片が付いたから見に来て欲しいって言われたのよ。」

「え?そうなの?」

「うん。で、私1人で行っても良いんだけど…シュウ君もうハンターだし、10歳だとまだ長旅キツい用な感じはするんだけど…来たい?」

「え、えーっと…それって行かないとダメなの?」

「うーん。植物達の連絡的に行かないと不味そうね。確信持って言えることは、絶対何かしらトラブルが起きてるってこと。行くならそれなりの覚悟は必要ね。」

「うーん…」

「シュウ。お前はマイのテイマーだ。俺だったら一緒に行くぞ。いや、むしろそれを判断するのがテイマーの仕事だろ。魔物に好き勝手やらせるのは良くない。マイもそれを理解した上で言っているんだと思う。先日1人で森の中駆け巡って喧嘩しただろう?」

「そこまで言われると余計なお世話なんですけど。」


 私は不貞腐れる。ただ、リールにしてみれば栄光のメンバーになった人達である。リーダーとして責任を取ると言うのも一種の任務であった。


「うん。じゃあ僕も行く!僕はお姉ちゃんの魔物使いだもん。」

「ありがとう。で、じゃあ食べ物どうするかねぇ。あれよ。街道突っ切る気はないからね。森の中普通に横断するから。」

「え?それって危険じゃないの?」


 メリーさんが突っ込む。


「そっちの方が時間短縮出来ますし、ここら辺の魔物なんて全員雑魚ですよ。寧ろ、魔物より移動中シュウ君が餓死しないかの方が心配です。」

「そう言うものなのか…。」


 リールさんが口走った。残念ながら私の考えは人間には理解出来ないらしい。


「俺らも付き添うか?」

「うーん、そうすると街道通らないと無理ですね。私シュウ君おんぶして連れて行こうと思いますが…栄光4人追加だとそれは無理です。歩くなら森より街道の方が安全になってしまいます。後、予めですが依頼ではないので報酬はないですよ?それでも来ます?」

「………」


 ハンターはサービス業じゃない。結局は金で生きている。Bランクなのだからある程度貯蓄はあるだろうが金持ちというわけではないはずである。


「じゃあ、私達からアドバイスだけするっていうのはどう?仲間なんだからそれぐらいしても良いでしょ?」

「そうだな。まあ、戦力的には問題ないだろう。折角仲間になったのに初動で死なれては困るというのもあるが…そこはハンター依頼というわけじゃないから目を瞑ろう。」


 とのことで、携帯食について教えて貰うことになった。今回別に何かしらを討伐するわけではないし、私の実力は折り紙付きなのでシュウ君はまあいつも通りの服装ということにした。ただ、今はお金がないからということで今後栄光達とシュウ君の装備は買いに行くことは必須とされてしまった。まあ、ここはしょうがないだろう。問題は何度も言うが金だけである。とまあ、シュウ君の許可も出たし携帯食が準備出来次第出発することにした。なお、ケリンさんにもなんでも良いから人間の食糧を準備しておいて持ってきて欲しいと伝えておいた。目的地まで持ち運べる携帯食は限られる。であるならば、ケリンさんも途中まで持ってきてもらって合流すればシュウ君の食料問題もなんとかなるんじゃないか?と私は勝手に考えて依頼していたのであった。開拓地へ行くと言うことは人間もいるはず。帽子や服も持っていく。シュウ君はおんぶしてツルで縛った上で森の中を雲梯の様に突っ走った。匂いは消えているとはいえ、森は魔物の巣窟。魔物が近場にいるとか連絡があった場合には気づかれないように迂回したりしていた。匂いを消しているので、ある程度の距離で迂回して仕舞えば相手は気付くわけがない。寧ろ気づいた方が驚きだし、迂回した上で攻めてくるとなれば駆除対象なのであった。

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