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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
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善人悪人の区別

「さてシュウ君。10歳と言うことでハンターに登録しに行きましょう。えーっと、誰が行きます?」


 発言した先生が他の先生方を見る。


「うんにゃ。だったら俺らが一緒に行こうか?報酬のリンゴを出しに行かなきゃならねえし。」


 栄光パーティーリーダー、リールが声をかけた。


「あ、お願いしていただいて宜しいでしょうか?えっと…依頼料は…」

「いいいい。そんなみみっちいことに金なんざとんねえよ。」


 ベイルが発言する。Bランクハンターの懐といったところか。先生達も多少は食い下がったが…じゃあと言うことで送り出してくれるのだった。なお、今日はまだ登録だけで良いらしい。この後、後日依頼の受け方とか実際依頼を受け収入確保とかの練習をするとのこと。…残念ながらマイとシュウはギルド通い詰めである。散々他の冒険者を見てきているので一部の事象は省いても問題ないのであった。


「うーん。」

「どうかしたか?」


 私が悩みごとで唸っていると、リールさんが声をかけてきた。


「あーあれなんですよ。結局数日前栄光パーティーを襲ってしまったじゃないですか?」

「ああ、もう俺らは怒ってねえし、このリンゴとか経緯とかも上手く誤魔化すから安心してくれ。」

「あ、ありがとうございます。うーん。」

「お姉ちゃんどうしたの?」

「うん?そうね。色々略してシュウ君に伝えるのなら、相手が人間の場合敵か味方かを判断するのが難しいなって。」

「敵?味方?」

「私のルールで、相手が私に気づいて且つ私を狙い始めたら…と言うのがあるの。ただ、これだけだと魔物だったらある程度いけるんだけど、人間だとちょっとね。」


 私は最近帽子を被っているのが原因で、逆に相手が目視して攻撃してくると言う場合もあった。植物が魔物が側にいると言う情報は入るため、警戒はしているが…安全と言う意味では今後の課題だったりする。


「あー、だったらそれほど心配いらねえな。」

「そうなんですか?」

「メリーが例外よ。この子魔術師として有能すぎるから。前、探知魔法を勉強するとか言い始めてから頻繁に使うようになったけど…メリーの探知範囲は異常なのよ。普通数百メートルぐらいだから。」

「うーん、私頑張って1km弱まで持っていってるけど、判別出来ないしまだまだよ。。」

「それがおかしいんだっちゅうの。まあ、実力を見込んで栄光に抜擢したんだから俺らにゃありがてえが…一般からぶっ飛んでるんだからもっと自信持てや。」

「マイ。だから、そこら辺のハンターはある程度離れれば仮に探知魔法があったとしても気付くことはない。話を聞く限りマイの探知範囲はメリーさえを上回るんだろう?だから避ければ敵味方云々考える必要はないと思うぞ。」


 リーダーのリールさんがこのようなフォローをしてきた。シュウ君の発言と応答によって私の悩みを汲み取ってくれたようであった。


「了解。じゃあ、逆に私に気づいて攻撃してくるのはとんでもない人間だけと言うことは分かりました。と言うことは無差別攻撃して良いですか?」

「え?」

「要は魔物と同じで強者だけしか私に気づかないと言う意味だと思うので、それにカウントされなければ攻撃しないと言うだけで被害者は抑えれるかと。」

「うーん、なんかちげえなぁ。」


 ベイルが突っ込んだ。


「シュウ。君はマイのテイマーだ。どんなにマイが秀才だとしても魔物は所詮魔物。そこはシュウ、君の判断で抑えてあげてくれ。出来そうか?」

「う、うーん…」


 シュウ君も微妙な顔をしてしまっていた。私は前世込みで若干人とは考え方が違う部分がある。それに魔物になってしまったと言うことがあり私自身、どのように人間と接すれば良いか分からないのであった。だったらそれこそシュウ君と2人で森に閉じ籠るとか、シュウ君任せて1人で生活する方が気楽ではあるのだが…なかなか出来ないと言うことも私自身の悩みであった。


(ギルド着いたわね。)


 私は色々考えながら歩いていたがとりあえずギルドに到着である。計6人の大所帯でギルドに入っていったが…私やシュウ君はもう常連だし、栄光パーティーのリール、ベイル、ウィリー、メリーも若干有名人程度であるためまあ、取り分け周りの関心も薄い状態であった。


「じゃあ、とりあえずハンター登録からだな。まあ、受付嬢のところにいけばだが…ちょっと他より混んでるがやっぱりあいつの方がいいだろう?」


 リールさんが複数ある受付のうち1つを指した。受付嬢のミサさんが対応している場所である。


「そうですね。良く話しますし。ちょっと混んでる理由ってあるんですか?」

「うーん、人当たりもあるし専門もあるからな。あの受付嬢はこのギルドの受付嬢のなかで一番魔物の知識が豊富だ。それ故時と場合には集まるな。性格はあれだから、嫌がって違うところに行く奴もいるが。」


 ミサさんは所謂魔物オタクである。私の観察日記なんて付けてる変人。私もそれは止めさせたいのだが…諦めてしまっている。と言うより暇なときこっちに絡んでくる面倒臭さである。まあ、それ故一番親しみがあると言うジレンマもあるのであるが。補足だが、初心者っぽい受付嬢も人気らしい。若さで可愛いとかミスをフォローしてあげたいとか…逆にいたずらを仕掛けるハンターもいるとのこと。度が過ぎたりストレス発散に使われそうになっている場合には流石に他の受付嬢やギルマスが出てくるらしい。


(20分ぐらいかなぁ。)


 リンゴのカゴはベイルさんが持っているが…途中重くて置いたりまた持ち上げたりしている…筋トレだろうか…しばらく待ち漸くシュウ君の番が来た。

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