自分勝手な気まぐれ妖精
「私は光合成しているから平気…アースは何か食べるの?」
「うーん…ボクは水があれば平気だよー。お姉ちゃんからお水もらったしーしばらくは何もいらないー。」
「そうか…。」
栄光達はこの2人が基本的に何も食べずに生きていることについて羨ましく思っていた。まあ、マイは確かに何も食べていないが…植物の宿命で動物こと魔物に命を狙われ続けて150年以上生きている。アースは雨が降らなければ逆に辛いし、マイ同様魔物の巣窟で普段生活している。どっちが良いのかはわからないのであった。なお、栄光達は本来1-2回既に魔物とタイマンしていなければならない。しかし、マイが毎度恒例全部駆除していた。実際問題、強力な護衛を雇ってしまっているのでリンゴ2つではやはり多過ぎるのであるが…マイは気にしていないようであった。お金より命の方が大事なのであった。前世は逆だったような気がするが…。
(あー、どうしよう。シュウ君の誕生日絶対間に合わない…)
マイにとっての次のストレスはこれであった。下山については特に大きな事象もなく完了した。まあ、人間のスピードに合わせたのが原因で街道に到着するまでにもう一夜かかってしまっていたが…翌朝、街道付近まで到着した。
「アース。どうする?そろそろ街道…まあ、人々が通るエリアよ。アースも人間っぽい容姿だけど…一発で妖精ってバレるし。」
アースこと大地の精霊は4歳児の少女。見た目は。ただ、背中には妖精の特徴である羽が普通についている。更に足はあるが、発達していないのか移動は全部飛んでいた。
「うーんー人間怖いからなぁー。」
アースは栄光メンバーを見ながらそういった。まあ、栄光連中が何かしたわけではないが…魔物同様そう言った概念が植え付けられているんだろう。
「うん。じゃあー、ここに転移魔法で繋いでおくー。お姉ちゃんー今度また遊ぼうねー。」
「遊ぼうねーって、私ここ普段来ないわよ?」
「えー、来てよー!」
「遠いから無理。拠点の側ならワンチャンだけど。」
「どこー?」
「どこーって、あっちしか言えないんだけどなぁ。。」
結局収拾がつかず、どうしても必要なときはここら辺で私を呼んでと言うことになった。植物があればまあ、私は気づくだろう。最も、街にいたり等自由が利かない時は来れないから諦めてとも言っておいた。本人は「じゃあーまたくるー!」とか言って帰っていった。私もマイペースであるが、あの妖精はやりたい放題な感じがする。
「結局何だったんだ?」
「さぁ。」
ここで、私は漸く栄光達の恩恵を受けることになる。街道は木が殆ど無い。要は重たいリンゴカゴを運べないのである。リンゴ1つ300gと仮定すると、120個で36kg。とんでもない重さなのであった。栄光の男性陣は1人で背負って運んでいたが…まあ、背負う形は栄光達が背負いやすいよう私が若干弄っているが…それだけ筋肉質と言うことであった。
「それじゃ早く行きましょう。リンゴ痛めちゃうと値が落ちちゃうし。」
ウィリーの一声で全員が街へ向かって移動を始めた。街道から街まで2時間弱。漸く街へ到着した。
(はぁ…酷い目見たわ…無茶は良くないわねぇ。)
栄光に絡まれるのは想定外とは言え、ボロボロになるのは目に見えていたはずである。シュウの学費…厳密には生活費だがマイはまだ勘違いしている…は重要だが自分を犠牲にすることまでやることだったのか?これは問題であった。
「で、これってどうするんだ?」
リールが私に聞いてきた。
「あー、孤児院まで持っていくことって可能ですか?」
「おう、任せておけ。」
ベイルが担ぎ直した。私自身ここまで借りを作ったらなに返せばいいんだ?と頭を抱えてるのであるが、言うことが苦手な私は伝えようがないのであった。と言うことで孤児院まで到着。私は扉を叩く。
「すいませーん。」
私は気分で声掛けが変わるは今はこんな感じだった。
「はいはいー。」
孤児院の先生が扉を開けた瞬間目が点になった。予めだが栄光パーティーは有名人…と言うわけではないが知名度はある。私以外に彼らがいればまあ驚くだろう。