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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
依頼の実体(閑話)
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油断

「リンゴ成ってないなぁ。」

「だよね〜。」


 ある3人パーティーメンバーがその様な愚痴を言いながら、さっきまでマイが光合成をしていた場所についていた。


「くー、ここもハズレか?」

「うんにゃ。どうだか。まあ、成っていないか先越されたかは分かんねえな。」


 マイはとんでも無いスピードでリンゴを回収している。まあ、まず植物から話を聞けるため直行便である。更にツルを使うことにより、高い所にあろうがどうだろうが簡単に取れる。しかし、ハンターの場合は場所がまず分からないので右往左往の上、高い場所にあるならば登るか、撃ち落とすとかそう言うことが必須である。撃ち落とすのであれば果実を傷つけない様な正確さが求められる。それ故現状マイが無双している限り、ハンターへの持分は物凄く少量になってしまうのであった。チートは良くないね。


「ちょっと休憩する〜?私疲れた。」


 女性ハンターが言った。この3人メンバーはCランク成り立てハンターらしい。一応言っておくが、この依頼Cランク推奨となっているがそれはあくまで「平均Cランク以上」である。Cランクでさえも幅はある。Dランクに近いCランクパーティはこの依頼は早すぎる。まあ、ここまで警告しているので結果は分かると思うが…とりあえず、3人はここで昼食を食べていた。


「リンゴ食べて良い?」


 このハンター達もリンゴは3個取得していた。勿論、この遠征で必要となる食糧も持ち込んでいる。まあ、1週間分と仮定してそんな莫大な量は持ってこれないため、軽食…というか携帯食ばっかりである。最も獲物が狩れたらそれも食糧に出来る。


「1個ぐらい良いんじゃね。もう一本ぐらい果実が成っている木があれば金貨3枚ぐらいはいけるっしょ。」


 日本円で30万円相当。1週間でこれだけ稼げれば上等である。その時木陰から何かが突っ込んできた。


「うわ!!」


 虎の様な姿をした魔物である。男性ハンターの1人を確実的に捉えていた。予めだが、ここは魔物の巣窟である。油断は決して許されない。たとえ昼食休憩であったとしても。


「今助ける!」


 男性ハンターの腕に噛みつき押し倒されたハンターに対し、女性ハンターが矢で対応する。魔物の腹に若干刺さった様ではあるが、致命傷にはならない。敵は虎ではなく魔物である。しかし、魔物の関心がそらせたのか魔物は女性ハンターの方へ突っ込んでいった。


「おっと?そうはさせねえぜ?」


 攻撃を受けていないハンターが迎え撃つ。剣が相手に刺さった様に見えたが、やはり致命傷に出来ない。そのまま女性にぶつかった。


「キャー!!」


 女性ハンターは反動で数メートル飛ばされた。


「ちくしょ!」


 無傷の男性ハンターが女性ハンターにトドメを刺そうとしている虎の魔物を斬りつける。多少はダメージを与えたのか、ヘイトがそっちに行く。


「オラきやがれ!」


 剣で魔物に切りつける。しかし、魔物も馬鹿ではない。同じ技は通用しない。かわされて、足を噛まれた。


「グハ!」


 3人のハンターは全員が致命傷を浴び、ろくに動ける状態では無くなってしまった。この後の末路は…グチャ…であった。

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