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不可能な目標

(それにしても…ここの土持ち帰りたいわね。)


 私にとってであったが…ここの土は…人間換算で超高級ホテルのメインディッシュではないかと言えるほどの極上級であった。前世で食べたことなど一度もないが…。本音言って故郷より養分がすごい。天然でどうやったらこうなるんだ?と突っ込みたくなるレベルであった。


(うーん、このリンゴは腐葉土が本当に優れていないと実らないのかしら。)


 残念ながら土を持ち帰っても、その土から養分を吸い取って仕舞えばもう用済みになってしまう。言わば持ち帰りたくても持ち帰る意味はないのであった。マイはお礼をした後、次のエリアに行く。木々達は木の実を取られることにはあまり問題なさそうである。まあ、本来実がなる理由は子孫の種を別の所に運んで欲しいから。私の場合、持ち帰る場所はギルドだが…木々達はそこらへんに興味はなさそうであった。


『姫様。次の場所は既にハンター達が採取している模様です。近づかないほうが良いと思います。』

「あー、残念。」


 ハンター達もやはり採取をしている。まあ、植物達から場所を聞ける私はハンディーキャップがとんでもないのではあるが…適材適所なので文句は言わせない。と言うことで、40個ぐらいは溜まったかな。


(うーん、金貨20枚相当か…5年の学費ってどれぐらいなんだろう。)


 金貨1枚日本円換算で10万円である。授業料は無料なのだが…マイは知らぬ間に生活費と学費を勘違いしている様である。


(まあ、大学が1年120万として…600万か…。120個リンゴとれば大丈夫かな。)


 一応言っておく。ハンター達は黄金リンゴの木を見つけるのさえ難しい。仮に昨年等で行っていたとしても、実っていた木々が今年は実っていなかったり、成熟していなかったりなどザラである。後、持ち帰れる量というのがある。食糧等で採取出来る時間も限られる。それを考慮し10個すら稼げれば超優秀なのである。マイの目標はトチ狂っていた。


(大分重くなってきたわね。まあ、ツルがあるから移動は出来るけど…流石に一回休憩入れようかな。)


 50個ぐらい溜まったところで私は一度日当たりが良いところで光合成をする。黄金リンゴが成熟しているところの土は土の養分量が尋常じゃないレベルで高い。そのこともあり、回復スピードが滅茶苦茶早かった。


(くー、シュウ君がいなかったら私絶対ここ住むわ。寝床はどっか探せばあるでしょ。まあ、シュウ君だって後100年も生きれないだろうし…。)


 自分の主人の為に来ている魔物の考えではない気がするが…まあ、そういう日もあるだろう。


『姫様、ここの方にハンターが向かっている様です。狙いはまあ、リンゴだと思いますが…採取し終えていますね。』

『姫様?多分また魔物が勘づいたと思われる。始末したほうが良いんじゃねえか?』


 光合成をしていたら2つの情報が同時にやってきた。


「うーん、私が戦っている間に人間が来ると困るからなぁ。撤退しますか。」


 光合成中だったので帽子を脱いでいたのが仇となった。帽子を被り撤退する。匂いさえ消して仕舞えば、私の場所は分かるまい。私はそのまま次の場所へ向かうのだった。

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