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一輪の花による「花」生日記  作者: Mizuha
立入禁止区域
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膨大過ぎる素材

「森の中のお弁当おいしい!!」

「私の手作りですよ?満足して頂いて光栄です。」

「え、ミサさん料理出来るんですね。」

「失礼な!出来ますよそれぐらい。」

「魔物日記を永遠と書いているイメージです。」

「否定はしませんが、食べることはちゃんとします。マイさんは料理とか出来るんですか?」

「ミサさん。私は魔物ですよ?出来ると思います?」

「あ…いえ、マイさん私のイメージで50%人間なんですよ。ごめんなさいね。」

「謝罪が嫌味に聞こえますが…まあいいや。」


 マイは前世ろくに料理なんて出来なかった。買い弁で十分である。むしろ料理自体に関心がなく食べれればなんでも良いという考え主である。異世界物語恒例の日本料理を異世界で試して好評だったみたいな展開は期待しない方が良いだろう。


「ふうー。食べた食べたー。ねえお姉ちゃん。この魔物達どうするの?」

「私は反対なんだけどミサさんが持ち帰りたいんだって。」

「ええ。Bランクモンスターの死骸なんて貴重以外の何物でもないですからね。専門分野の私の血が煮えたぎります。」

「はぁ。。」


 2匹の死は確認済みである。鳥の方はまあぐるぐる巻きのため、中身は見えないがツルでできた2m級のボールとして扱えば良いであろう。ツルを使って、どちらも木に引っ掛けたツルを駆使して…空中ブランコと雲梯を駆使して運んでいく。帰りはその作業を実施しながらの移動となり、私も木漏れ日で休憩しながらだったので1時間以上、行きより時間が多くかかった。


「ふう。漸く街道付近か。あ、私の拠点寄り道しますね。帽子と服着ないとどっかのババアに怒られる。」

「貴族の妻をそんな呼び方するのは貴女ぐらいですよ。」

「ババアでいいですよ。シュウ君虐めたんだし。」

「おお、怖い怖い。」


 そんなこんなで、邪魔な荷物は街道の横に投げ捨て私達は街道に出た。そこで改めて課題に気づく。街道までは木々かある。私のツルを器用に使い運ぶことが可能であった。しかし、街道はそんなものはない。道はあるが、更地である。


「ミサさん。私が運べるのはここまでです。これ以上は無理です。私、筋力とかないんです。」


 シュウ君を背負って歩くのはマイは不可能である。常にツルを使って移動していた。シュウ君は街道は歩ける。しかし、死体は動かない。まあ…どっちも危険な魔物なので動いてもらっては困るが。その死体より危険な魔物が顕在して会話しているというツッコミは無しとする。


「うーん、しょうがありません。お2人で運べる範囲で良いので運んで頂けませんか?私はギルドに戻って援軍を連れてきます。」

「はーい。」


 ということで別行動であったが…私達は運べるわけがなかった。


「うーん、どっちも重いよー!持ち上がらない!」

「転がしてみる?」


 押してみたが、びくともしなかった。こんな筋力の「き」の字もない魔物が、これらを仕留めたのは誰も想像出来まい。しばらく格闘して共にヒーヒーハーハー言いながら1mm動いたっぽいと勝手に錯覚し、喜んでいる状態であった。


「何してるんだ?」


 通りすがりのハンターっぽい男性2人に声をかけられた。


「えっと…」

「お姉さんがこの2つの魔物を街まで持って行ってって言われたの!だけど全く動かなくって…。」


 シュウ君は孤児院でちょっとずつコミュニケーション能力が鍛えられていた。対して私は昔からの人見知りであった。


「おいおい。こんなガキンチョ2人がこんなでけえ獲物運べるわけねえだろ!」

「お姉さんが今ギルドに助けを呼びに行ってるの。だからその間に僕達でなんとか動かそうとしているんだけど…。」

「どうする?」

「うーん、にゃ…無視はかわいそうだな。俺らも多少は手伝ってやるよ。ちょっとは報酬恵んでくれよな。まあ、誰がこれ捕まえたかは知らねえが。」

「お姉ちゃん!」


 シュウ君が私をみた。


「え?」

「は?」


 2人が私をみた。私は仕方なしに左腕を見せる。腕にはリストバンドもどきの魔物使いの魔物…最近知ったが、従魔と呼ぶこともあるらしいが…の証を見せた。


「魔物かよ。あーということはこいつがテイマーか。」

「にしては若えな。」

「僕8歳!」

「…あまり個人的なことは聞くのはよくねえんだが…ハンターじゃないのになんでこれ狩ったんだ?いや、むしろどうやって狩ったんだ?」

「私達がこいつらに殺されそうになったので逆襲しただけです。魔物として当然ですが何か?」

「お、おう…。というか、喋るのかお前…。」


 彼らもツッコミを放棄することにしたらしい。とりあえず、手伝ってくれそうである。とはいえ相手は2m級の魔物2匹。大人2人入ったぐらいで動かすことは出来るがそんなに長距離は進めない。


「お二人とも援軍連れてきましたよ!」


 ミサさんの方が往復して仲間を連れてくる方が普通に早かった。魔物の死骸を運ぶためか荷馬車も持ってきている。普通の荷馬車ではなくただ、魔物とかを置くためだけに造られたかのような車輪と土台だけ…屋根とかは無し…のものであった。更に5-6人のハンターも一緒である。何故か栄光パーティー4人もちゃっかりいた。

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