慰安旅行 Ⅱ
此の回で、お休みかな(笑)
再会は、未定です。
『ヘラどう言う事だと思う?』
『そうですね、A― 003号が関係して居る事には間違い無いでしょうね。
マニストに初めて来た時と、薬草採取しようとした時にもハルが魔物
達を殲滅しました。だから、補充したのでは無いでしょうか』
『それなら、A― 003号が近くに居るのじゃ無いか。居たら危険だぞ。
搭載艇クラスなら防御力も貧弱だろう。一度逃げて駆逐艦アルカイックに避難した方が良いな』
『そうですね』
俺は一度外に転移して搭載艇を収納して、駆逐艦アルカイックに転移する。
駆逐艦内で搭載艇を格納庫に出す。
乗客の皆を操舵室に連れて行ってから、説明をする。
「皆さま、大変申し訳ございません。マニストの街を魔物が襲って
居ります。皆様の安全を考えて緊急避難を致しました。」
「おい!アドラそんな事より早く助けてやれよ!」
「お父様、他人の命より家族の命が大事ですよ。助けには行きますが。
私より強い奴が居る可能性が有ります。それが出て来たら家族を
守りながらの戦いは依り危険に成ります。だから、一時避難なのです」
「そッ!そうだったのか。分かった」
「マニストの街の人達も魔物が何処から来て居るのかを知りません。
或る者が、連れて来ている様なのです。私なら、全てを殲滅出来ます。
しかしながら、街中で人に交じって戦って居たら町ごと消えます。
それと、マニストの街は、魔物を狩って生活をして居ます。カリペド男爵領が鉄を産出して鉄で生計を維持して居るのと同じなのです。
魔物の体を残さずに殲滅したらどうなります。街の安全は確かに守られます。でも、それでは、生活は出来なく成ります。そう言う街なのです」
「アドラ良く分かった。しかし、お前ひとりで行っても焼け石に水に
成るな」
「マニストの街には、街を守る兵士も冒険者も居ます。普段なら
魔物が来ても大丈夫なのですが。流石に大量に来られると手に余るでしょうね。そこで、大きくて強い魔物だけを間引きます。お父様も
昔は、冒険者ですよね。一緒に行かれます?」
「アドラ、この人はね無理よ。私がね、オークに襲われて居た時に
助けに来てくれたけどね。k」
「それ以上言わないでくれよぉ~!頼むからぁ~」
「アドラ、分かったでしょう。ウフフ」
「お母様、分かりました。一人で行って来ます。空から観戦して居て下さい」
『ヘラ、先に行って来るから後から来てくれ』
『了解いたしました』
転移でマニストの街上空に出る。勿論ステルスモードで。
『ハル、適当に大物の魔物だけを倒してくれるか。でも、余り
傷は付け無い方が嬉しいけど。それと街から離れた所でね』
『ご主人様ぁ~、了解致しましたぁ~』
俺は、先に街中に侵入して居る大物の魔物を片付ける。
オークとかオークとかオークである。
オークの後ろから近づいて、延髄を水魔法で打ち抜くのである。
直径数ミリの細さである。前世の司法解剖でも死因は不明かな。
死体は、人目が有る所では収納しない。
街の中の大物は粗方片付いたので、侵入場所で争って居る所を応援に行く。
手助けが必要な所だけを応援する。手の出し過ぎもいけない。
次は城壁の外に出て、流れ矢に気を付けながら大物を狙い撃つ。
多分今の俺には、人が放つ弓矢は貫通しないと思う。試したくも無いけど。
今回は、前にドラゴンに追われてと言うか。ドラゴンを見かけて逃げた。
五百匹よりは多いと思う。ざっと見て倍は居るのでは無いだろうか。
城壁の南側に広がる平原に、ポツリポツリと大きめの魔物が転がって居る。
ハルが倒した魔物だろうな。傷は余りついて居ない。
言いつけは守った様だ。城壁の上から見られて居るかも知れないので放置する。
死体が突然に消えたら、不自然である。
お金に困って居る訳では無いのです。
それよりは此の魔物達の事だ。
A― 003号は、定期的に魔物の放流をして居るのかな?
前回から、半年以上は経って居る。ある程度のインターバルが必要なのか?
戦場を見回して戦況を確認する。
マニストの戦力で大丈夫みたいだと思う。
『ヘラ、魔物の増援は来そうかな?』
『ご主人様、バイアグラ山からは出て来る気配は無いですね』
『どう言うネーミングだよ! 例の山からは来てないのだな?』
『はい、魔物の出荷は終わった様ですね。艦砲射撃で破壊しますか?』
『嫌、辞めて挙げ様。マニストの皆様の飯の種が無くなったら失業する
人達が沢山出るよ。一生恨まれるぞ。もう他に危険がなさそうだったら帰還するよ』
『そうですね。色々調査しましたが危険は感知しませんでした』
『それなら、帰るよ』
ハルと一緒に駆逐艦アルカイックに転移して帰る。
時間的に戦闘時間は一時間も掛かっては居ない。
「皆さま、お待たせいたしました。遅くなりましたが旅の続きをさせて
戴きます。此れから、マニスト上空を通過しましてバイロン辺境伯領の
領都バイロニア上空を通過の後に、アルザックス王国軍を殲滅した
処に行きます。その辺りで昼食に致します。直、搭載艇に乗り換えた
方が良いと思いますので、乗り換えましょう」
ぞろぞろと搭載艇が格納して有る所まで行って乗り換える。
再度、カタパルトから搭載艇を射出。
搭載艇の方が窓際に近いので外が見やすいのだ。モニター画面
だけど。
以前馬車で道路を走って行った時と比べると雲泥の差だな。
大空を自由に飛ぶ、人類の夢だもの。
乗客の皆様も、普段は目に出来ない大空からの景色を堪能して居る。
バイロン辺境伯領の領都バイロニアが見えて来た。
上空から俯瞰して見ると色々な事が分かる。
「此処が、フロル王国の南に有ります。バイロン辺境伯領の
領都バイロニアで御座います。領民は約三十万人です、マニストで
捕獲された魔物の部材を加工したりして色々な物を作って居ます」
「ほう、上から見ると壮観だな。魔物が襲って来ても大丈夫な様に
城壁も分厚く作って居るな」
特にお父様は、軍事的な意味合いで眺めて居ると思う。
防御面や攻撃面での弱点は良く分かるだろう。
それから、少し速度を上げて例の巨大な窪地を目指す。
前方に平原が見えて来た。ヤガラ平原と言うそうだ。
その平原に、直径五キロの湖が見えて来た。
そうだよな、半年以上にも成れば水も貯まるな。
他には見るべきものは無い。只の平原だ。
けれど、今までにも両国で幾度ともなく戦争を繰り返して来たところだ。
英霊の魂が宿る場所だな。異世界なら、スケルトンとか居るのかな?
夜は来たくない場所の一つだな。
それから、アンジェラが客室乗務員役に徹する。
ミニの制服は着せて居ませんよ。
俺の収納内に入れて居た昼食の弁当を出す。
我が家の、料理人ボルボさん作の弁当で機内食。
食事をしながら搭載艇の機首を、アルガス湖に向ける。
アルガス湖は近い、旅程の予想時間よりは一時間程の遅れである。
昼食中なので、ゆっくりとした速度でアルガス湖に向かう。
ゆっくりとだけど近いから直ぐに着いた。
例の翼竜が住まう、断崖絶壁に近づいて行く。
今日は、大小取り交ぜて三十数頭はいらっしゃる様です。
ステルスモードで近づきますが、何故か敏感でいらっしゃいますね。
「ギャアギャア」
喚き散らし始めました。翼を羽ばたく訳でも無く断崖絶壁から飛び立ちます。
種の保存本能が働くのでしょうね。討伐に来た訳では有りませんが。
「アドラよ、お前なら翼竜を討伐できるか?」
「お父様、家族になら話しますね。実は、ドラゴンを討伐した事が有ります。
まあ、たった一頭ですけどね」
「 「 「何にぃ~! ドラゴンを倒しただとぉ~!」 」 」
そんなにビックリする事なのか。まあ、普通なら大事だよな。
老衰で寝た切りのドラゴンを息子の手を借りて安楽死させたとは言えないな。
「まあ、翼竜程度なら簡単ですよ」
俺が手を出さなくてもハルにやらせたら良いのだ。
「翼竜の討伐迄したら、また何を言われるか分からんぞ」
「そうですよ、何年か前に千人程で討伐に行って誰も帰って来なかった
そうですよ」
「翼竜は人を襲うのですか?」
「嫌、襲う時も有るが、アルガス湖には魚が沢山居る。態々武器を持った
人は襲わんよ。でも、中には人を襲う奴も居る。人の味を覚えたのだろう」
「討伐をしても、持って行く先が無いな。冒険者組合に持って行っても
どうなる。王様に直ぐに報告されるぞ」
「お父様の名前で出したらどうですか?」
「よせよ、俺も田舎でゆっくりと余生を過ごしたいのだからな」
「翼竜の素材は何かに使えますか?」
「色々使える様だぞ、でも、誰が加工するのだ?皮を鞣すのも職人に
頼まないといけないのに。その職人の口が堅ければ良いがな」
「そうですね、色々問題ばかりですね。今回は辞めて置きます」
「お前!討伐するつもりだったのか!」
「良ければと思いましたけど、此処に来れば何時でも居ますね」
「いやあ、翼竜達が逃げ出すのじゃ無いか?」
「逃げる先が無いのじゃ無いですか?」
「それもそれか、餌が無い所では住めないからな。それと寒い所には
住まない様だな」
爬虫類なのかな、変温動物なのか?
今回は、許してやるよ。
翼竜の見物も終わった様なので、フロル王国の王都に向かいます。
一時間の遅れも速度を使って取り戻します。
「やはり、フローラルは大きいなあ。今までに戦火に会った事が無いからな。
古い建物が多いな」
帝国がこの大陸を制覇してからは、此の街は戦争に遭って居ないのだな。
アルザックス王国とは、力が拮抗して居るのだろう。
帝国の三号の様に、新兵器を開発するか、過去の遺物を発掘して甦らせるか。
そうすると、押し寄せて来る可能性が有る。
帝国の時もそうだったけど、早期警戒システムは欲しいよな。
自国内で双方が入り乱れての戦闘では、ハルの戦闘能力は活かせない。
無人の荒野でこそ威力を発揮する。
やはり、ヤガラ平原は元に戻した方が良いな。
山脈を削った土や鉱石の選別屑を、あの窪地に埋めたら良いな。
まあ、山脈を削り終わってからだな。
王都を上空から見て廻って居る。上司のお住まいを上から見て居る訳だ。
お父様は恐縮して居るが、バレなければ良いのだ。
密告をする奴は居ない。居無いはずだ。多分。
今は、慰安旅行の最中だけど思わぬ手違いも有ったけど。
旅程も時間道理に取り戻して居る。
「皆さま、楽しんで居られますか。時間が余りそうですけど、何処かに
まだ行って見たい所は御座いますか。余りの遠方は無理ですが」
「私は、おばじゃ無い。お母さんのお母さんが住んで居る所が見て見たいです」
「と言う意見が出ましたけど、如何でしょうか?」
「私達が住んで居る所は、秘匿されておるのじゃ。見せる訳には行かんのじゃ」
「此れは、厳しい意見が出ましたね。残念ですが、今回の旅行はこれで
終わりと成ります。ではこれより、ゆっくりと帰途に就きます」
「アドラよ、お前が造った溜池と削って居る山を廻って帰ってくれるか」
「お父様、了解いたしました」
ゆっくりとした速度で、王都よりカリペド男爵領に向かって帰る。
道中で、山賊を懲らしめたりは有りましたが。
無事に、溜池巡りの山脈削りの現場に到着致しました。
「おい! アレは、ドワーフ達では無いのか?」




