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エルフの秘密




 西の山脈の稜線が、水平に成れば気が付く人も出て来る。


「第何回目だったかな? 緊急家族会議を開催する!」


「お父様、六回目です。緊急ですか?何か有りましたか?」


「アドラ! 原因はお前だろう! 皆が言って来ているぞ!」


「 「 「お父様、どうされたのですか?」 」 」


「お前達も知らないのか? 西の山の変わり様を。実は儂も知らなかったのだがな。西門の門番が異変に気が付いたのだ」


 やっぱり気が付くよな。暇な門番だったらする事が無いからな。

それに、西門なら西しか見ない。


「お父様、前に言いませんでしたか。鉱山経営が良く無いから農業に

経営を変えて行くと。鉱山に人が居なく成れば山を削っても大丈夫ですよね」


「やっぱり、お前か。それで山を削ってどうするのだ?」


「鉱山は、鉱脈に沿って坑道を深く掘るから鉱石の搬出も難しく成ります。

山ごと掘れば、鉱脈がそのまま出て来ますから楽に掘れますよ」


「でも、そんな事が出来るのはお前だけだろう。他に出来る者は居るのか?」


「収納魔法が使える方なら出来るでしょうね。居ませんかね?」


「魔法省にしか、居らんだろうな。魔法省に勤めて居る奴は、鉱石など

掘らんからな」


 そうだろうな、前世の財務省の官僚見たいな物かな。

その様な超エリート様は、鉱山労働者はしないな。

鉱山=犯罪奴隷だろう。


「そうですね、鉱山は私の趣味でやる様に致しますので。領主権限で

鉱山には立ち入らせない様にして貰いたいですね」


「そうだな、元々鉱山は立ち入り禁止だからな。問題は無い」


「精錬した金属は倉庫の中に置いて置きますので」


「それなら、今まで道理に販売が続けられるな」


「商品の品質も同じ位で良いですね」


「貴方、此の町で鉄製品を造ったらどうかしら?」


「しかし、鍛冶職人が居ないのだぞ」


「アドラなら、鉄の品質を上げられるのよね。上品質の鉄を作って

販売したら、それに気が付く鍛冶師が居ると思うわ。絶対に釣れるわ」


 ひでえな、お母様。俺の鉄は餌かよ。


「お母様、腕の良い鍛冶師はドワーフでは無いのですか?嫌いだったのでは無いですか?」


「アドラ、良く覚えて置きなさいよ。背に腹は代えられぬですよ。幾ら嫌いでも

自分の未来を良くする為には、心を殺さなければいけない時も有ります」


「そうですね、嫌でも頼らなければいけない時は有ります」


「ドワーフを連れて来たら、座敷牢に閉じ込めて朝から晩まで、ハンマーを

振るわせるのよ。扱き使ってやるわ。ハハハフフッ」


 怖えぇ~ょ! お母様!

エルフとドワーフの最終戦争が始まりそう。


 と言う事で、製品の品質を少し上げて販売する事に決まりました。

在庫の収納内の物から品質向上をさせて倉庫に保管します。


 マロニー商会カリペド男爵領出張所を通して順次発送されて行きました。

反響は有るのでしょうか? 

まあ、各地に行き渡るまでは時間が掛かります。


 重い荷物を積んだ馬車、道路事情も悪くて速度も出ませんからね。

盗賊に盗られる物も出ますね。

前世の車検証の様にコピーするとエラーがコピーされる様な魔法が使えないかな。と思いまして試して居ます。

盗品が流通しない仕組み造りも大事ですね。


 その間に、夜間にせっせとお山は削られて低く成って居ます。

駆逐艦アルカイックの操舵室内。


「ヘラ、順調だね。魔力も随分貯まっただろうね」


「はい、出来ましたら魔力充填用の容器が欲しいですね」


「昔は予備として有ったのだろうな。三号が搭乗して居た墜落した船には

有るのじゃ無いのかな?」


「有るかも分かりませんが、墜落時に損傷して居る可能性が有りますね」


「駆逐艦アルカイックが有った場所に他にも埋もれている船は無いのかな?」


「山を探査しながら削って居ますから、埋まって居たら分かります。生物も

感知しますから、人的被害は気にしなくても宜しいです」


 そうだよな、お母様の天敵のドワーフ達は鉱石を掘りながら生活を

して居るそうだから鉢合わせをしても不思議では無いな。


「十分に気を付けて掘削を続けてくれよ。ドワーフを見つけたら知らせてよ」


「ご主人様、了解しました」


「それから、山の高さは海抜二千m位で一度止めようか。気象の変化を

確かめないといけないね」


「そうですね、数年がかりで調査と鉱石の採掘を進めて行きます」


 慌てる必要は無いのだ。

魔力の補充か、バッテリーの様な物が有れば良いのか。

駆逐艦アルカイックにも魔力を補充したけど、あれは大きな水晶玉の様だったな。


異世界なら魔石なのかな。あれ程の巨大な魔石ならドラゴンクラスだよな。

ドラゴンと言えばグレイプルの親父の魔石なら大きいだろうな。

あのままあそこに転がって居るのかな。

でも親父の魔石を頂戴とは言い難いな。


 此処を掘り進めていたら、何処かに埋まって居るかも知れないな。

慌てない慌てない。スローライフで行きましょう。


 それからも山に(かんな)を掛ける様に削って行った。

鉱山もですけど、俺とアンジェラとの夫婦関係も順調に進んで居るのだが

夏に一緒に成って早数か月経つ。する事をして居たら出来るはずだが。

音沙汰は無い。


エイミーとリスタルは二人とも若い。

盛りの付いた動物並みだな。元気で良いよな。


 俺は、年齢が行ってから此方に来た。盛りが付くほどでは無いな。

そのせいなのかな?


『ヘラ、エルフは妊娠し難いとか言って居たな。俺も養子に来たからには

二世誕生が義務図けられて居る。どうなんだろうな?』


『ご主人様、よくぞお聞きくださいました。さぞやお辛かった事でしょうね。

エルフと普通の人族では寿命が著しく違います。体の構造自体から

違って居ます。細胞の新陳代謝そのものが大きく違いますね』


『ヘラさんや、酷く回りくどく無いかい。具体的にはっきりと言ってよ』


『では、ハッキリと言いますよ。エルフの排卵日はエルフそれぞれに違います

けど、普通に十年周期だそうですよ。人族とは違います。だから出来難い』


 そうりゃあそうか、人族より十倍の長寿命なら排卵の周期も長いのか。

当たり前だったのか。そりゃあ、出来難いどころじゃ無いな。

そうなると、エルフ同士なら分かるのかな?

発情期とかが分かるサインの様な物が。


 でも、アンジェラには聞き難いな。それと言って母親には余計に

聞き難い。

まあ、良いか時間は有るだろう。


 山脈を削る作業はヘラに任せて、俺は家庭サービスも兼ねて。

畑の片隅に作業小屋を建てた。小屋と言っても得意の御影石製の外壁を持つ

見た目は立派な工場かな。幅は三十mで奥行きが二十m入り口は大きな馬車が

出入り出来る様に幅は五mで高さは四mにした。


 入り口の扉はシャッターにしたかったけど。此の世界では無理だな。

両引きの引き戸にした。上部にレールを付けて吊り下げ式の戸車を付けた。

床にも埋め込みのレールを設置して扉が風に煽られない様にして居る。


 此処で馬車の試作品造りをするつもりだ。優秀な鍛冶師が来たら手伝って貰っても良い。

金属類は、採掘で手に入るけど。木材はこの辺りでは手に入らない。

以前、山脈の西側で魔法の練習をして居た所には結構な大きさの木が生えて居て。大きな森に成って居たな。所有者が誰かは知らないけど。

今度、お父様でも聞いて見るか。


 次の日の朝食後にお父様に聞いて見た。


「お父様、此の国の西に山脈が有りますね。その山脈の西側に大きな森が

有りますけど、フロル王国の森なのでしょうか?」


「フロル王国の国境は山頂までだと聞いて居る。カリペド男爵領に

成って居るな。その森を俺は見た事が無いし誰も行った事は無いと思うぞ」


「じゃあ、お母様はご存知無いのですか?」


「多分、エルフ達が住んで居ると思うわ。私の里はもっと北なの。

もう、帰れないけどね・・・」


「訳ありなのですね。その森で木を伐ったらエルフ達は怒りますか?」


「どの辺りか私には分からないけど、山の高い所にはエルフは住まないわ。

割と平地で無いと暮らし難いでしょう。高い所なら構わないと思うわ」


「もし見つかって怒られたら、謝って帰りますよ」


「エルフは、物々交換だから欲しい物を聞いたら良いと思うわ」


「アデリーナはな、儂と一緒に成ったから帰れないのだ」


「 「それで、私達も帰れないのよ。お爺ちゃんと御婆ちゃんにも会った事が無いのよ」 」


「貴女達! もし万が一にでも母と父に会ってもお爺ちゃん御婆ちゃんなんて

言ったら殺されるわよ!気を付けなさいよ!」


 怖えぇ~よ! お母様。どんな家庭で育ったのだよぉ~!


「アドラとリスタルよ、良く覚えて置けよ。エルフの前ではな、絶対に

言ってはいけない言葉が有る。特に年齢的な事だな。老けているとか。

年寄臭い言葉は禁句だからな。しっかりと覚えて置けよ」


 そうか、長寿の種族的な禁句が有るのだな。

前世的な言葉、還暦、米寿、卒寿とかは絶対に無いのだろうな。


「でも、エルフの里に帰る事が無ければ必要無いですよね?」


「でもねえ、一度位は、孫の顔は見せて挙げたいわね。曾孫も見せたいわね」


「お母様、でも人族とでは出来難いとか言って居ませんか?」


「あらあら、する事をしたら出来るわよ。ねえ貴方」


「まあ、そりゃあ、何だぁ出来たぞ、俺達はな」


「アドラ達は知らないのね。エルフはね。一度で良いのよ。一度種を貰ったら

体の中で保存できるのよ。後はね自然に任せるのよ。産みたい時に産めるのよ」


 なんじゃそれわぁ~! 蟻とか蜂の女王じゃ無かったか!

たった一度の雄との交尾で良いとか言うのは。


「それじゃ、俺が死んでから後でも生まれるのですね」


「そう言う事も有るわね。フフッ」


「とほほほ、子供の顔も見ずに死ぬのかぁ~・・・」


「貴方、心配しなくても良いわよ。男爵家には跡取りが必要ですからね。

貴方が彼方に逝くまでには、見せて挙げます」


「アンジェラ、せめて親子位には見える時に頼むよなぁ~」


「大丈夫よ、安心しなさい」


 そう言えば俺の寿命はどうなのだろうな。

此の世界に現れる時の体は、多分爺が用意したはずだ。

どの様な経緯で造ったかは分からないが。


まあ、死ぬ時が来たら分かるだろう。

記憶を持ったまま生まれ変わった、弊害なのかな。


 まあ、此の世界でも普通の男女の出会いであったなら問題は無かった。

偶々出会った相手がハーフエルフだったのが、色々悩む種に成っただけだな。

異世界に転生だけでも貴重な経験だったな。

念願の嫁を貰ったのだ、欲は言うまい。


身分的にも男爵家の養子の身分。お金もソコソコ有る。

あくせく働かなくても良いのだが。

まだ、前世のエコノミーアニマルの精神は抜け切れて居ない様だ。


 今朝も朝食を終わらせてから、アンジェラを連れて山に転移。

鉱山で露天収納をして、収納内で精錬選別をする。

駆逐艦アルカイックは、夜勤専用なので格納庫でお休みです。


 アンジェラには、魔法の練習をさせている。

ハーフエルフでも、結構な魔力が有るので。魔法のインストールを

施したら各種の魔法が使えるようになる。


 出来たら、収納魔法と転移魔法が使えたら非常に便利になる。

この様な乱世では身を守る、切り札は多い方が良いに決まって居る。


 昼食時には館に帰る。

お昼を食べてからは、DIYを二人でする。

馬車制作だ、車台は金属製で人が乗る部分を木材で造る。


 木材は例の森に行って伐って来た。大量に。

でも、間引きしながらの伐木ですよ。将来を見越して森も育てます。

杉やヒノキは枝の手入れは必須ですね。長い年月で木目の綺麗な材木に成ります。


 木材は、寒い所でゆっくりと育った物が年輪も緻密で良い木材に成ります。

暖かい所の木材は育ちが早いので柔らかい物に成ります。

早く育って年輪が詰まった緻密な堅い木材が良いですね。


 翼竜の糞を施肥してみようかな。

とか、考えて居ましたよ。


『ご主人様、釣れましたよ。ドワーフが』


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