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帝国の宝物





 エイミーとリスタルの結婚は認められた。

俺は、マロニーさんとお話をして、俺の廻りで波風が立たない様にして貰いたい。


「マロニーさん、王都に帰られましたら、此れをレンザス王に渡して貰えませんか」


「分かりました、王には直接会えませんから、宰相様に渡しましょう」


「それでは、よろしくお願いいたします」


 木箱に入れた物をマロニーさんに渡す。


「ところで、帝国の宝物は何処で渡しましょうか?」


「アドラ君は収納魔法が使えるのだろう。実は儂も使えるのだよ。荷馬車

一台分程だがな。この魔法で財を成したのだよ」


「でしょうね。商人なら喉から手が出る程欲しい魔法ですからね。

何処か人目に付かない所で移し替えましょうか」


「それなら、儂の店の倉庫で移し替えをしたら良いな。此の町にも支店が有る。

では、行こうか」


お父様とアンジェラ達に断ってから、マロニー商会モーガン支店に行く。

フロル王国王家とも商取引をして居る大商人だ。此処モーガン伯爵領でも

一等地に店を構えている。


 空いた倉庫の中で、帝国の宝物庫から失敬した宝物を出す。

俺の収納は分別が出来る優れものです。値段順に並べる。

前世のヤフオクで、品物を見る時に使って便利な機能と同じだ。


「ほう! 此れは凄いな! ヤールングの盾にマールスの鎧か!何々

此れは、コルタナの籠手か!ドラウプニル黄金の腕輪に ドラコナイト 生きた竜の頭にある宝石だな。どれも噂でしか聞いた事の無い品ばかりじゃ無いか!」


 マロニーさんは、鑑定も使えるのだな。収納と鑑定、大商人に成れるはずだな。


「それほど凄い物なのですか?」


「アドラ君、君は田舎の出身だと言って居たね。此の宝物は田舎の子供でも

最初に親から教わる、この世の宝物の名前だよ。どうするかな、全部は入らないな」


「マロニーさん、此処に置いて少しずつ運べば良いのでは無いのですか?」


「アドラ君、君はこれらの価値に気が付いて居ないのだね。運搬中に

盗られたら、私の首が飛ぶよ。それに、全てをレンザス王に差し出さなくても

良いと思うよ。君が盗って来たのだから、残りは君が持って居たら良いよ」


「帝国金貨は、マロニーさんが使えますよね。損をしない程度で王国金貨と

交換して貰いたいですね」


「しかし、やはり長い歴史だけは有るな、これ程の宝物を集めたのだから」


「帝国の歴史は長いのですか」


「フロル王国民も知らないだろうな、どれ程続いたのかは。噂話と言うか

神話の様な話だからな。大昔には帝国が此の大陸を全て治めて居たそうだ。

フロル王国でもやっと千年を越えた所だからな」


 そう言えば、マニストから王都に向かう途中で聞いたな。

アルガス歴千二十三年三月二十三日と聞かされた。

今日が、アルガス歴千二十三年十月三十日だからもう秋も終わるな。


 ハルゼー三世の頃は記録には残って居ないだろうけど。古すぎる。

それにしても、帝国の歴史は数千年遡れるのか。

三号を発掘した位だから、発掘等の学術調査も他の国よりは進んで居るのだろうな。


「マロニーさんは、過去の遺物等も詳しいのですか?」


「鑑定が使えるからな、だけど文字は読めないのだ。詳しい事は

魔法省に聞いた方が良いな。教えてはくれないがな。ハハハ」


「そうでしょうね。良い物が出た時は余計に隠すでしょうね」


「人間欲が深いからな、独り占めにするものだよ。君は欲が無いな

此れも、帝国が言って来なかったら分からなかったのだからな」


「皇帝なら言って来なかったでしょうね。今の政権を何方が握って

居るのでしょうか。切羽詰まっての行動じゃ無いですか」


「今は、帝国の四大貴族と四大商人が手を握って帝国の舵取りを

始めた所だそうだ。冬が来るからね。帝国では冬は何も出来ない

春を待つだけに成る」


 前世でもそうだったな、北海道の人達は暖かい所に出て来て

出稼ぎをして居た人達が居たな。

冬にコンクリート打設をしても凍って固まっても脆くなる。

その様なコンクリートで造ったビルが春に成って溶けたらビルも溶けるかな?


「では、帝国が宝物を取り返しに来るのは来春でしょうか?」


「どうだろうな、帝国はとても大きな国だ。兵士だけでも、五十万は居るだろうな。我が国は集めても、二十万~三十万に足りない位だ。隣国も同じ様な

物だろうな。攻めて来るには春にならないと無理だろう。それと、戦費が無いのだ。辻褄が合わないだろう」


 そうだな、兵士もタダ働きはしないだろう。強制的に動員しても何か

旨味が無いと人は動かないと思うけど。


そうか、餌が有るのだな。俺が盗んだ餌が。


「此の宝物の事を帝国が公にしたらどうなると思う」


「帝国だけでは無く、隣国アルザックス王国も来るでしょうね」


「蟻が砂糖に群がる様に色々な国、人が集まって来るぞ。君も我関せずと

田舎に引き籠って、美人のハーフエルフとイチャイチャ出来ないぞ」


 マロニーさんも、俺の弱みをぶすぶすと突いて来るな。

まあ、来春に攻めて来ても先手必勝だよな。


「マロニーさん、ご心配なく大丈夫ですよ。駄目そうならサッサと

引っ越ししますからね」


「オイオイ!逃げるのか!」


「はい、王様の人柄ですね。フフッ」


「まあ、帰ったら言って置くよ」


「それでは、入るだけ入れて下さいね。残ったら私が管理しますから」


 マロニーさんは、高額商品から順番に入れて行く。

出して居た宝物の三分の一が入った様だ。

残った宝物は俺の収納に戻した。


 マロニーさんは、次の日に王都に旅立った。

自分の命も大切だが、レンザス王に届ける荷物もそれ以上に大切な物。

沢山の冒険者を雇って居た。


 安心材料も有る。

モーガン伯爵も王都に呼び出されて居るのだ。

領地が増える為の打ち合わせは必要である。

沢山の、兵士を連れての王都行である。


 俺達もカリペド男爵領に帰る事にする。

俺達は近い、俺は地上を馬車に乗って王都迄は行った事が無い。

以前行った時は、薬草の納品で行ったな。

あの時は、転移魔法が使える様に成って居た。便利だよな。


 馬車で行くと一週間位は掛かるのだろうな。

あの時、冒険者組合のおっさんが驚いて居たな。

もう王都迄、馬車で行く事は無いだろう。


 今回も何の問題も無く、カリペド男爵領に帰りました。

往復で六日、数日はモーガン伯爵領の領都で買い物とかデートとかして

遊んできました。


 帰って来たのは一週間と少し過ぎて居ます。


「アドラ様! 大変ですよ! 畑に直ぐに来てください」


 どうした事だろう、農業指導者様が大慌てをして居ます。

帰りの道中で、畑に蒔いた種から麦の新芽が出て居たから変わった事は

無いはずだが。


「バルトロさん、どうしたのです」


「畑を見て下さい!」


「種を蒔いたから芽が出て居ますね。何処か可笑しいのですか?」


「ああ、そうか。アドラ様は、農業を知らないから私を雇ったのですね。

御免なさい。麦の種を畑に蒔いたら確かに芽が出ます。可笑しくは有りません。

しかし、私も長年農業に携わって来ました。でもこの育ち方は異常ですよ。

種蒔をしてから、まだ一週間と少しですよね」


 そうだよな、畑の麦の新芽は高さが三十㎝程迄伸びている。確か前世でも

三十㎝伸びるのに一か月位は掛かった様に思う。何故だろう?


「アドラ様、私が此処に来た時には畑は出来上がって居ました。水路も有ります

綺麗な畑です。土も良く肥えた良い土でしたね。肥料はどうされました?」


「肥料ですか?」


 そうだ不味いよな、人骨が混ざって居ますとは言えないよな。それも

十万人近いとは。


「そうですね。バルトロさんは、アルガス湖を御存じですか?」


「私の地元に近い所でしたので知って居ますよ。危険な魔物が住んで居ますから近づいた事は無いですね。特に南の方には翼竜が居ますね」


「翼竜をご存じなのですね。それは良かった。肥料は翼竜の糞ですよ。

採掘するのが大変でしたけど」


「ガァ~~~ン!! 何ですとぉ~! 翼竜のフンゥ~ですとぉ~!・・・」



・・・



 バルトロさんが、彼方の世界から帰還するまで少し待ちます。


『ご主人様、心拍数も脈拍も正常に戻りました。AEDは必要無かったですね。

フフッ』


魂は無事に戻った様です。


「アドラ様、申し訳ございませんでした。でも良く分かりました。原因は

翼竜の糞が植物の生育を助けるのですね。でも、翼竜の糞を手に入れられる方は

此の世界には居ないと思われますが」


「バルトロさん、大丈夫ですよ。倉庫に十分な量を確保して居ます。十年分位は

有ると思います。心配は要りません。それと、消石灰も有りますからね」


「アドラ様、ありがとうございます。農作物を作るだけに専念できます」


「人手は足りて居ますか? 麦の刈り取りは無理ですけど。畑を耕すのなら

牛とか馬が要りませんか?」


「そうですね、農耕馬か牛が居れば助かりますね」


「フロル王国の南にマニストと言う街が有ります。その近くに住んで居た

牛が居ります。農耕用に使って見ますか?」


「アドラ様、私は王都近辺の出なので、フロル王国の南部には行った事が

無いので良くは分かりませんね。でもあの辺りは魔物だらけの土地では無いですか?」


「それじゃ、牛舎に居ますので見に行って見ましょう。使えそうなら、使って見て下さい」


 バルトロさんと、牛舎まで行く。


【鑑 定】


名前: ポチャ


年齢:5

  

種族:魔物 ブルガ(偶蹄目ウシ科ウシ亜科)


職業:カリペド男爵領 農業部 耕運係


状態:良好


【能力値】


(生命力) : 750/750

(魔 力) :1500/1500

(体 力) :870/870


(筋 力):780

(攻撃力):780

(防御力):480

(素早さ):530

(知 能):58

(器用さ):86

(感 知):68

(抵抗値):870

(幸運値):66


【スキル】


筋力増大 Lv3 耐久 Lv3


「アッ! アドラ様! こッ これが牛で御座いますか?」


 そりゃあ、ビックリするだろう。体高は二m近いし体長三m位は有る。

体重は一トンを優に超えて居るだろう。

一応、試運転は終わらせている。帝国兵に鋤を付けたポチャを引かせた。

魔物だけど、従順である。知能も子供程度は有る様だ。話はしないけど。


 調子が良ければ、まだ収納内に、十頭程仮死状態で寝て居る。

もっと欲しければ、マニストに捕獲に行けば沢山居るはずだ。


 それよりも、農業は順調に進んで居る。

でも此処は鉱山町だったのだ、坑道が延びて地下に向けての採掘は厳しく

成って居た。


 それで、ダム湖を造って農業に舵を切ったのだ。

でも、鉱脈は豊富に残って居る。地下深くだけど。

折角築いた鉱山町が寂れるのもどうかと思う。


 カリペド男爵領の鉄を当てにしていた人達も居るだろう。

カリペド男爵領が、鉄の採掘を辞めたと知れば今までの顧客も離れて

行くだろう。でも中には困る人も居ると思う。


 王国の西に有る山脈を削って高さを下げたら。雨雲も此方迄

来てくれるかも知れない。

山を削れば、鉱脈も露出する。露天掘りが可能に成る。

一石二鳥だよな。気象条件が悪い方に成れば山を元に戻せば良い。


 一度はやって見る価値はある。挑戦は必要だ。

吉と出るか凶と成るか。カリペド男爵領の命運の分かれ目かな。


 農業の方もお任せで大丈夫だろう。

農業指導者が、色々と試行錯誤をして居る。

隣の領地からも、農業が出来る人達が来ている。


 旧モラハン伯爵領も、前の男爵領と同じで雨の少ない土地だった。

少ない収穫なのに沢山の税を取られて居た様だ。


 夜の間に、駆逐艦アルカイックで山頂から削り始める。

取り敢えず長さ百㎞位から初めて見る。

高さは、十mずつから初めて見る。


 最初の内は、気が付かない。太陽が昇る方には皆さん関心が有ります。

でも、太陽が沈む方は気にしません。

正し、一週間ほどしたら七十m程山が削られて来ました。


 山の稜線が水平に成ります。


「オイオイ! 西の山可笑しく無いか?」




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