恋の花も開きます
帝国兵達が訓練をして居る。
指導的立場に居るのが、リスタル・ガルバー 皇位継承順位が十三位ですけど。
やはり、カリスマ性が有りますね。
大国を率いて居る、父親の遺伝子が色濃く入って居るのでしょう。
一応、剣を持たせて居ます。
俺が、自作した量産品ですね。魔力型に鉄を流し込んだ普及品。
マロニー商会に剣を百本近く発注したら。どうなるのかな。
前世の江戸時代で、田舎領主が大量の武器を発注したら。
江戸幕府の上層部に情報が入ったら。謀反の嫌疑が掛かります。
お取り潰しの沙汰が来ますね。
此の世界でも、片田舎の弱小男爵が大量の武器を発注した。
その情報が、フロル王国上層部に知られたら。同じですね。
現状は、アルザックス王国は二万人の将兵が全滅。
ガルバー帝国は、十万の将兵が逃げ帰って居る。
実際は壊滅して居ますが、フロル王国上層部は知らない。
今の所、敵国が再度は攻めては来ないだろうが、フロル王国上層部の
認識で間違いないだろう。
わざわざ、資金が掛かる武力増強を配下の貴族達に通達はしない。
実際に、カリペド男爵領にもその様な指示は来ていない。
今、フロル王国で一番困って居る所はガードナー辺境伯爵領だろうな。
ドリガー砦も落ちて、復旧が急がれる。
ガードナー辺境伯爵本人は居ない。戦死して居る。
十万人の帝国軍兵士が、辺境伯領を蹂躙したのだ。
男性は粗全滅か奴隷にされて帝国に連れて行かれただろう。
女性も年齢に因るな。
使えないと判断されたら・・・
ガードナー辺境伯爵領は粗無人の荒野に成って居るだろう。
国の上層部も、後任人事で頭を抱えて居るのかな。
帝国との国境もだけどね、北国は寒いです。積雪も多いか少ないかは
知らないけど、雪搔きは嫌だな。
この時期に何か不手際を行った貴族は、ご愁傷様かな。
でも、行かされるのは伯爵クラスだよな。
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アドラは、知らないが。
その頃のフロル王国 国王執務室。
「エンテムよ、ガルバー帝国の皇帝から書簡が来てな。内容はこうだ。
俺の請求者名で、請求書が書かれて居て。宝物庫から財宝と現金が
ごっそりと無くなって居たと。俺は行って居無いから、俺の代理人
として、モラハン・コント・グアキル の署名捺印がされた書類が
宝物庫の中に置かれて居たそうだ」
「レンザス王よ、その書簡を読ませて頂いても宜しいでしょうか?」
「ほれ、読んで見ろ」
・・・
「本物でしょうね。でも、モラハンが帝国まで行って宝物庫荒しが
出来るでしょうか?奴の配下の者でも出来そうな奴に心当たりは
有りませんな」
「そうだろうな、儂でも思い付かないぞ。おい!構わないから
出て来い」
「お呼びで御座いますか」
「お前達なら、帝国の宝物庫から財宝を盗って来られるか?」
「王よ、我ら一族全てを結集しても無理で御座います。忍び込む
だけでも至難の業で御座います。例えば、フロル王国軍数十万の
支援を受けたなら可能かも知れませんが」
「良し分かった、下がって良い」
「レンザス王よ、影の者達でも無理でしょう。やはりあの者でしょう」
「そうだな、何か思惑が有ってのモラハンなのだろうな。お前も
掴んで居るのだろう。あの男爵領の変わり様を」
「そうですな、水の無い土地に湖が現れ。それに、肥沃な農地。
水はこの前アルガス湖が異常に水位が下がった事件が関わって居そうですな」
「しかし、人の国に攻め込んで置いて、自分の所の宝物庫が荒らされ
中身が無くなったから返せか。盗人も猛々しいな。皇帝も自分の
都合の良い書簡を送ってよこしたが。宝物庫の中に置かれた請求書の
中身を読んで見たかったな」
「多分、我が国が攻められて北部のガードナー辺境伯爵領が被害を
受けております。それの損害賠償でしょうな」
「それなら、その財宝を受け取ったモラハン伯爵から此方に持って
来ても良さそうな物だが」
「あの男はそれが狙いなのでは無いでしょうか。モラハンの配下の
子爵邸で色々有ったのも、オーク男爵があの男の嫁に成った娘を
襲った様ですよ」
「それが、最初の始まりかもしれないな。モラハンも恐ろしい男を
敵に回した物だな。それが切掛けで、男爵の例の娘を嫁にしたらしいな。儂の孫は終わったな」
「良かったと思いますよ、正妻の座を奪ったら恨まれますよ。
やはり、我々も、あ奴の援護射撃をしてやりましょう」
「どうするのだ、遣り過ぎたら火の粉が降って来るぞ」
「モラハン伯爵を叙爵させて辺境伯にするのです。一族郎党で
帝国国境の守りをさせるのです。ガードナー一族は滅びましたから。
丁度良いと思います。空いた、モラハンの領地は隣にやりましょう」
「モーガン伯爵にか?」
「そうです、モーガン前伯爵の息子がアレの父親に成りましたからね。
実質は、アレの領地が増える事になると思いますよ。薬草の件も
有ります。皇太子に男児誕生となれば一石二鳥ですな。ハハハ」
「大っぴらには出来ないが、巡り巡ってアレに報酬が入れば良いのか」
「後は、静かに見守りましょう」
「此のまま静観で良いな。所で、帝国の宝物庫は見て見たかったな」
「マロニー商会に言って、買い取らせましょうか?」
「ほうそうか、その手が有ったな。ダメ元でやって見ろ」
「了解いたしました」
・・・
秋も深まった頃に、待望の農業指導者が家族と共にやって来た。
五十代のがっしりとした体格の男性だ。
長年農業をして居た様だ、白人だけど日焼けして浅黒い肌をして居る。
家族連れで幌馬車で来た。まるで西部劇だよな。
奥様と三人の娘さんですね。娘さんも発育が大変に宜しい様です。
母親譲りかな。
目が一点に集中して居たら。
「痛てえよ!」
俺の奥様の嫉妬攻撃が脇腹に炸裂します。
俺の抵抗値は結構な数値だったはずだけど。
「男爵様、初めまして。バルトロと申します。妻のアマンダと娘のアリアンナ、
カーラにディーナです。よろしくお願いいたします」
「儂がカリペド男爵だ、妻のアデリーナと娘で姉アンジェラ 妹エイミーだ。
アンジェラの夫でアドラだ。分からない事は執事のジンロンに聞けば良い」
「それから、農業の事はアドラが担当して居るからな」
俺は、バルトロさんとは一度面識が有る。
下見に来た事が有るのだ。
一緒にバルトロさんの住まい迄、馬車で行く。
俺の馬車には妻と妹が乗って行く。馭者と護衛はロボット達が。
移住して迄農業指導をしてくれるのだ、住まいは俺が提供した。
畑の真ん中に建って居る。職場までは最近である。
道中に畑仕事をして居る作業員たちが居る。
犯罪奴隷達は、一応矯正して居るけど人前には出さない。
鉱山の坑道なら良いけど畑仕事はさせない。
農作業をして居るのは、帝国兵士達だ、身分はまだ捕虜かな。
運動不足解消の為である。
「お兄様、あの方達は何処から来たのかしら?」
「エイミーさん、此処だけの話ですよ。彼らは帝国兵です。捕虜ですね。
捕虜ですけど、フロル王国の捕虜も帝国には居ないでしょうから。
捕虜交換も無いですね。彼らは、貴族の三男以降の身ですから
家督を継げないでしょう。帰れないですね」
帝国も捕虜が居る事は知らない、戦死をしても困らない人材が
戦争の最前線に駆り出される。
「お兄様、彼らはフロル語を喋れるのですか?」
「はい、大変優秀な人達ばかりですよ。直ぐに覚えましたね」
「お姉様、私決めましたわ。モーガン伯爵も無しの礫ですよ。あの中に
良い人が居ますね。口説いて来ますわ」
「待ちなさい! エイミー!」
エイミーさんは、馬車から飛び降りて。イケメンを口説きに行きました。
ハーフエルフの美貌を武器にされたら、どの様な男でも一コロデスヨネ。
それと、エイミーさんは、十八歳ですよ。婚活列車に乗り遅れる訳には
いけません。十年毎の戦争です、男性の数が少ないのです。
「お姉様、お兄様、この方が良いです」
手を引いて連れて来た男は、案の定。
リスタル・ガルバー 皇位継承順位が十三位の男です。
「エイミーさん、その方が何方かは知って居ますか?」
「お兄様、知りませんけど。見た目も良いですし体格も良いから
良いなあと思っただけですけど。駄目なのでしょうか?」
「彼は、ガルバー帝国の皇子ですよ。まあ、皇位継承順位は十三位ですけど」
「えええぇ~! どうしてその様な方が捕虜なのですか? 身代金を払ったら
帝国に帰るのでしょうか?」
「多分、捕虜交換も身代金も払わないでしょう。分かりませんけどね」
「じゃあ、お父様とお母様にお許しを得て来ます」
急ぎの用事は農業指導者が優先です。
バルトロさんの所に行ってから、家の様子や暮らし方の不具合を尋ねます。
悪い所が有れば、後日直すと言う事で引き上げる。
浄水と下水とは分けて配管をして居るし、この世界としては過ごし易いと
思う。馬も余って居るので一頭置いて居る。
緊急連絡用としても農耕用としても使えるだろう。 山賊の馬だけど。
『ヘラ、今思い付いたのだけど、マニストで捕まえた牛は農耕用に
使えないかな?』
『ご主人様、あの巨大な魔物牛ですよね。牛ですけど馬力は有りますね。
従順に成るか一度は試しても良いかも知れませんね。でも魔物ですからね』
まあ、責任は持てないな。駄目でも、肉牛には成るだろう。
それから、屋敷に帰って家族会議が始まる。
「第五回目の家族会議を始めます」
「で、議題は何だ。アドラ?」
「お父様、エイミーさんからお話が有るそうです。どうぞエイミーさん」
「お父様、お母様。私、結婚相手を見つけましたの。良ければ会って貰いたいです」
「エイミー!いったい何処で見つけたのよ! この辺り一帯モーガン伯爵領
まで探しても居なかったはずよ」
「お母様、アドラが捕まえて来た帝国兵よ。今日畑仕事をして居たのを
エイミーが見つけたのよ」
「アドラ、一体何人捕虜にしたのだ。それと何処に隠して居たのだ?」
「お父様、九十六人です。収納内に入れて居ました」
「私も、収納の事は詳しくは知らないけど、生き物は入らないのじゃ
無かったかしら?」
「この前、捕らえた山賊も入れて居ましたよ」
「おお、そうだったな。忘れて居たよ。しかし数人なら分かるが。
百人近く入るとはな。大規模な軍隊を収納して、敵軍の背後に出したら、
敵軍は慌てるだろうな」
「お父様、多分出来ると思います。溜池の水もアルガス湖から汲んで来ましたから」
「ほう、あの溜池も結構な広さが有ったな。何回位汲みに行ったのだ?」
「一回ですよ、お父様」
「何いぃ~! 一回だとうぉ~!」
「そうですよ、一回ですよ。夢中で収納して居たら、アルガス湖が干上がり
そうに成りました。慌てて少し戻しましたけど。溜池が一杯に成っても
まだタップリと残って居ますよ」
「お父様、もう諦めて下さい。アドラは規格外なのですから。それより
エイミーの事はどうされます」
「アドラ、その帝国兵の身元は確かなのかしら?」
「はい、お母様。身元は非常に確かな者です。お母様も鑑定魔法が使えますね。
連れて来た時に、鑑定したら良いですよ」
「分かったわ。アドラを信頼するから、貴方の口で説明してくれる」
「それでは、説明します。ガルバー帝国の皇子で皇位継承順位は十三位です。
年齢は十八歳、身長は百八十サンチ(㎝)体重は七十八カロ(㎏)
体格は良いですよ。下半身はご本人がご確認してくださいね」
「やだぁ~、お兄様ったらぁ~!」
「エイミー、大事な事なのよ。フフッ」
「お姉様までぇ~、何言って居るのよぉ~」
「お前達その辺で済ませておきなさい。連れて来ているのだろう。
入れなさい」
エイミーが、応接間で待って居る。リスタル・ガルバーを迎えに行って
連れて来る。
「初めまして、只の、リスタルです。よろしくお願いします」
「あら、イイ男じゃない。エイミーには勿体ないわね。私はどうかしら?」
「 「お母様!年を考えてよぉ~!」 」
「それより、お前は人妻だろぉ~!」




