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ガルバー帝国の三号






 モニター画面にレーザー光線発射地点がズームアップする。

木製荷車の荷台上に無残な死体状の物体が載せられて居る。

載せられて居ると言うか雁字搦めに固定されて居ると言った方が良いか。


 両足は腰の下から無い。上半身も酷い状態で、色々な配線が体に

付けられている。

ロボットかアンドロイドだな。

右腕からレーザー光線が出るのだろう。


『・ ワ ・ タ ・ ・ コ ロ ・ テ、 ワ ・ シ ・ ・ ロ ・ 

テ オ ・ ガ ・イ・・』


『ご主人様、荷車も一緒に纏めて収納して下さい』


『俺の、収納は近くで無いと収納出来ないぞ』


『駆逐艦アルカイックが、今特殊ワープ機能を使って居ます。空間を曲げて

対象物の近くに居ます。物凄く魔力を消費しますので即お願いします』


 ヘ~~、そうなんだ。と思いながら荷車周辺の人も纏めて収納する。




 > > > > > > > >




[捕らわれた帝国兵視点]


 あれ?どうした事だ??? 俺は?俺は??・・・

ガル・? ガルバ?? ガルバー帝国? ガルバー帝国だったな?

ガルバー帝国で魔法が使える事で取り立てられた。

名前は?・・・アガフォン?・・・ アガフォン・レオンチェフ。


 そうだよ、マンスキー魔法学院を首席で卒業したのだ。

その時の彼女とも今は一緒だ。

卒業後に、帝国の魔法工務院に採用された。


 十年位は下積みの苦しい時代だったな。

風向きが変わったのは、あれだ、あれだよ。


 帝都の西に有る、農地で農民の鍬に金属の破片が当ってからだな。

俺の運も上向きに成ったのは。

その農地の下からアレが出て来てからだな。


 同僚の中には、此れは空を飛ぶものでは無いかと言う物も居たな。

俺は、信じなかった。あの様な巨大な金属の塊が空を飛ぶものかと。

でも、空から落ちて来た様に半分程は潰れて居た。


 その中にアレは入って居たのだ。両足が千切れて。

最初は何も動かなかった、壊れて居たと思って居た。

十数年誰も分からなかった。しかし、数か月前に体に異常が現れた。


 壊れた部分が再生を始めたのだ。僅かながらだけど。

魔法工務院には色々な奴が居る。


「おい、此奴に魔力を流して見ようぜ」


 言い出した奴が、胸の辺りに魔力を流した様だ。


「ピッ」


 右腕の先端は無くなって居たけど、其処から光が出た。

光の先に居た者は、胴体に小さな穴が開いて倒れた。

幸いな事に、出血しなかったので命は取り留めた。


 それからだったな、魔法工務院 院長に話が上がり。

もう一度再現実験が行われた。

同じ事が起こり、まあ、今回は馬鹿な奴は居なかったのでけが人は出なかったが。


 この話は、院長から帝国皇帝にまで伝わった。

皇帝の権限は大きい、思う様な予算が付けられて実験研究は進んだ。

簡単な事だった。魔力の込め様に因って、光線の威力が大きくなるだけなのだ。


 アレの体にミスリルの導線を接続して、魔力の充填と光線の発射を制御出来る様に成った。


 制御が可能に成った事で、皇帝の野望に火が付いた。

取り敢えず、隣国の内フロル王国に戦端が開かれる事に成った。


『ご主人様、と言う事ですね』


『じゃあ、三号が目を覚ましたのは俺の性なの?』


『時期的に、ドラゴンのお父さんを殺めた頃ですね。フフッ』


『ヘラさんや、あれは頼まれたのですよ。老老介護に成らない為ですよ!

それで、三号は治りそうなの?』


『今の所、応急修理で対応します。本来ならば、戦闘ロボットやアンドロイドは

代替品が用意されて居ました。しかしながら、年月が代替品を無くして居ます』


『何処かに良品が保管されて居るかも知れないね。それまでは俺の収納に

仕舞って置くか』


『そうですね。ハルの様に再生が早まるかも知れません』


『ハルゼー三世の処に格納されて居た、最終兵器達は全部で十三体だったな。

此の惑星に他にもあの様な施設は有るのだろうか?』


『この惑星はハルゼー三世の所有惑星だったので他には無いと思います。

敵対勢力が秘密基地を秘密裏に作って居たら別でしょうけど。それより、

帝国の軍隊はどの様に処理しますか?』


 そうだよな、何事にも優先順位が有る。

傷ついた三号は今の所問題は無いだろう。

問題は、帝国軍。


 しかしなあ、問題だらけだよなあぁ~。もっと早くに分かって居たら。

帝国の領地内なら、地面に直径五キロの大穴が開いても問題は無い。

自国領では無い、俺が原因だと後でバレても、怒られないだろうし、恨みも

買わない。でも、此処はフロル王国だよなぁ~。


 農地とかも近いしなあ、被害が及ぶよな。

此れは、誰かに判断を丸投げが良いのかな。

本来ならば、フロル王国、国王様か将軍が軍事作戦を立案しないといけない。

 

 俺がしゃしゃり出て、武功を挙げたら王様のブサイクな姫様を(見た事無いけど)押し付けられそうだ。そうなるとアンジェラが側室に格下げかな。

やっぱり、今回も身近なAIに神頼みだな。


『ところで、大変優秀なAI様ならどの様な戦略が御座いますか?』


『それは、責任転嫁でしょうか。でも私は表に出ないのでご主人様の責任ですよ。

帝国軍に静かにUターンをして貰いたいですね。でも、大人しくはしないでしょう。少し格の違う武力の一端を見せつけてから、失意の内に逃げ帰って貰う。

その作戦が一番良いでしょうね』


『具体的にはどの様な戦法を?』


『今現状は、帝国軍の切り札が突然に消え失せた状態です。慌てて居ますね。

此方からは、駆逐艦アルカイックで艦砲射撃を行います。低出力にしますけど。

通常射撃だと一撃で直径が百メートル程のクレーターが出来ます。十分の一

程度で十分だと思われます。帝国軍の将軍が居る辺りに撃って見たいと思います。現実味を味合わせましょう』


 その前に、フロル王国軍の方に伝令を走らせます。

俺が転移して収納から、ロボットを冒険者風に偽装させて行かせます。

モーガン伯爵様からの伝令として書類を持たせます。

お父様の執務室にはモーガン伯爵様の書類は有ります、署名捺印は偽装出来ます。


 書類の内容は、今から別動隊が帝国軍に強力な攻撃を仕掛ける。

とても危険なので帝国軍には近寄らない事、もし、攻撃の余波を受けても

モーガン伯爵は関知しない。


 斥候役のアインスに密書を渡して送り出す。

それとは別に、三号を回収した時に一緒に誘拐した帝国兵を荷車と一緒に

帝国側に降ろした。勿論洗脳済みだけど。


 フロル王国に伝令が行って密書を渡したのだろう。

撤収の合図なのだろう太鼓が連打される。


 ヘラは、上空からなので陣形が良く分かる。


『ご主人様、それでは、今から第一射を放ちます』


『ヘラ、チョット待って。何か恐怖感の出る音声を流したらどう』


『ナチスドイツのサイレン爆弾ですか。了解いたしました』


「ヒューンーウオーオーオーン!!」


 けたたましい光と音が空間を支配する。第一撃は帝国軍の中央指揮所に

着弾した。


 俺達は、地上で帝国軍の両端を狙ってハルがレーザー光線で薙ぎ払う。

瀕死の三号が発射したレーザー光線が線香花火にしか見えない。

ハルは心得た物だ、帝国兵達に当らない様に、ギリギリを狙う。


言葉が届けば、ホレ当たるよ、当たるよと言いそうだ。

早く逃げないと当たるよ、当たれば生きてはいない。

恐怖心を植え付ける。


 そうだ俺も魔法の練習には良い機会だ。

直径一m位の火の玉を造って、帝国兵の最後尾に転がす。時速四キロm位で。

時速四十㎞なら世界記録が出せるけど、短時間だからな。

帝国の国境までは、持続しないな。


 暫く、遊んで居たら帝国の軍隊の隊列が乱れて来た。

そりゃあ、無理だよな。空と地上から追い立てられたら必死で逃げるよ。

体力と脚力自慢は一番先に逃げられる、帝国兵も個人差が出る。


 あ!そうだ、カリペド領の土地は痩せている。肥料に成る物が欲しいな。

帝国兵の食料を貰ったら、肥料に成るな。馬の食料 飼葉も良い肥料だな。

皆さん、命が惜しいです。必死に逃げる為に糧食等はそのままにして居ます。


 可哀想に沢山の馬も荷車に繋がれたまま放置されて居ます。

此れは、捨てた物ですね。拾得物に成ります。

一割は持ち主に返さないと行けなかったかな。お巡りさん。


 でも、敵国の奥深く五百キロの所から母国に帰るには大変長い距離です。

食料も無く、帰国は大変難しいと思います。

来る時も、あらゆる町や村を襲って食料を確保して来たのでしょう。

帰る時には無いですね。自業自得です。


 迷える子羊状態の帝国兵達を、地獄の番犬がはぐれない様にしながら

追い立てます。


 もう、日が落ちて来ました。残業はしたく無いな。


『ハル、もう二三日は付いて居てくれるか』


『ご主人様ぁ~、了解いたしましたぁ~』


 アインスも役目を終えて帰って来たので収納して、船に転移する。

明日の朝からはモーガン伯爵の所に行かなくてはいけない。

行かなくても良くなったのだけど。誰もそれを知らない。


 此処に居るフロル王国軍が伝令を出しても、モーガン伯爵領までは随分有る。

先ず先に、王都に連絡をするだろう。途中伯爵にも伝わるけど。

三百km位は有るだろう。早くても三日は掛かるだろうな。


『明日は、伯爵領に行くから今日は帰ろうか』


「アンジェラ、悪いけど新婚旅行の続きは、またの機会にするよ、今日は

帰るよ」


 アンジェラを収納して離れ迄転移する。

一瞬で離れの俺の寝室に現れる。アンジェラを収納から出す。


「もう、夕食だな。今日見た事は話さない方が良いと思うよ」


「そうですね。実際に見ないと信じてくれないと思います」


 二人で揃って母屋迄行く。

もう少し遅かったらメイドが迎えに来る様だった。


「お姉様、お二人で何をなさって居たのかしら?」


「エイミー、私達は夫婦なのよ。昼間から二人して寝室で乳繰り合っても

何にも問題無いのよ。貴女もお相手を見つけたら。フフッ」


「お父様!お母様! 私にも夫を見つけて下さいませ!」


「そうだな、後継者も見つかったのだから。お前を嫁に出しても良いな。

明日、モーガン様に聞いて見るか」


「エミリーさんなら、美人なので争奪戦が起きますね」


「私もお兄様の様な方が良いです」


「エミリー、それは、ちと難しいのでは無いかな。お金を持って居て

イケメンで。体格も良くてね。下半身の体格も良いのよ。フフッ」


「お母様!どうして知って居るのよぉ~!」



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