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家族会議二回目

挿絵(By みてみん)





 カリペド領の水不足解消の為に、俺はダム建設を始める。


 今日は朝から家族会議だ。


「それでは、第二回の家族会議を始めます」


 俺はカリぺ川にダムを設置してダム湖を造る予定をプレゼンする。

マニストに最初に行く時に、角兎と一緒に捕まえて居た大きな野生の牛を

解体して革に鞣して居た。それを紙代わりに地図を制作した。

A-3では、狭い。A-1程度の地図である。


「アドラ!どうした此れは!!?」


「お父様、地図で御座いますが」


「地図だと!有名な絵師に書かせたのであろうな?一体、幾ら掛かった?」


「私が、作りましたが。お金は殆ど掛かって居ませんよ」


「お前は、絵心も有るのか。一度儂の肖像画を書いてくれぬか」


「水の問題が終わってからでも宜しいでしょうか?」


「それでは、随分時間が掛かるであろう。儂が生きて居る間に終わるのか?」


 そりゃあ、死ぬまでに終わるかは気になるだろうな。

人員もお金も無いのだ、エルフ母は俺が大金を持って居るのは薄々知って居る。


 それと、前世でもダム工事何て巨大工事には莫大な金と時間が掛かる。

小規模でも数十億は掛かるだろう。

それに、この田舎領に大工事を差配する現場監督も居ないだろう。


 カリペドの町の外壁をチマチマと補修工事をして居る位だろう。

職人衆も少ないだろうな。まあ、俺が金は出してやって堰堤の土部分を

覆う覆工工事位はさせないといけないかな。

町にもお金は廻さないといけない。お金は使ってなんぼだよ。

天下の廻り物だ。俺の収納預金では、利子は増えない。


「お父様、貴男が生きて居る内には終わらせます。よぼよぼのお爺さんの

肖像画は書きませんから、心配は要りません」


「それで、今の予定では工期はどの位を見ているのだ?」


「私が全ての工事をやれば、一か月も有れば終わるでしょう。しかしながら

此の領の人達にも仕事を与えようと思って居ます。お金は私が出しましょう。

溜池の堰堤の内側は水に触れます。土が水を吸うと弱く成ります。

その為に、内側に石を積みます。その仕事をやらせようと思いますが」


「働き手はそれ程居無いぞ、働く者は鉱山が主だからな」


「居なければ良いですよ。私がやるだけですから。溜池部分に村が有りますね。

水が貯まると水没しますから、引っ越しが必要に成ります」


「それなら、明日でもジンロンに伝えて置こう」


「アドラ、カリペド領に水が豊富に有れば作物も育って良い領地に成るわね。

そうなると、欲しがる人達が来るわよ」


「お母様、水が有っても作物が順調に育つには色々な条件が必要です。

此の領地の土地には養分が少ないと思います。必要な物を土に混ぜないと

いけません。時間は随分掛かります。それまでに敵が来ても防げるような

防備も必要です」


「コン、コン、御館様、会議中申し訳ございません。モーガン伯爵様よりの

使者が来られておりますが」


「分かった、執務室で会おう」


 カリペド男爵が退室する。


「アドラ、工事は何時から取り掛かるの?」


「準備は大体できましたから、お父様の許可も戴けたので今夜からでも」


「夜、工事をするのか?」


「そうですよ。大きな工事なので見られたく無いのです」


「貴方、私は見ても良いですか?妻ですから夫の仕事を見て見たいです」


「アドラ、妻の母ですから。私も良いですよね?」


「妹ですから、私も良いですよね?」


 家族皆じゃ無いか!どうせ親父も見に来るな。

誰しも興味津々だな。俺でも同じ立場なら絶対に見たい。


「ガチャッ! おい大変だ! 帝国が攻めて来た!」


「ガルバー帝国が、ですか?突然ですね?」


「最近は無かったな、十年振りだな」


 十年振りか、隣国も十年振りとか言って居たな。

ガルバー帝国は確か、この大陸では随分と北に有る国らしいな。


「アドラ、暫く溜池は保留だ。モーガン伯爵様の所に行くぞ。フロル王国の

北の国境から王都迄は遠い、此の知らせが届いてからは多分随分掛かって居る

はずだ。帝国軍が直ぐ傍まで来ているかも知れない」


 そうだよな、電話も無線も無い時代だ、伝書鳩はあるのかな?

俺は国境の守りがどうなって居るかも知らない。

伝令が不眠不休で馬を飛ばして知らせるのは、王都の王様の所だろう。


王としても一番にその知らせを知らせたいのは反撃の為の有力な貴族だろう。


此の辺鄙な地方の男爵は一番後に成るな。

伯爵に会いに行って詳しい事は聞かなければ分からないのだろう。

それよりは、俺が直接敵状視察に行った方が早いな。


 伯爵領まで行くにも馬車で数日は掛かるだろう。

どうせ、溜池工事で、駆逐艦アルカイックは使いたい。

地下から出して試運転をしても良いな。


「お父様、モーガン伯爵様の所には何時出発しますか?」


「夜は危ないから、明日の朝から出るぞ」


「分かりました。準備をします」


 俺は、アンジェラと自分の離れに向かう。


『ヘラ、駆逐艦アルカイックは出せるのか?』


『はい、今現在地下五十メートルに居ますから。急速浮上は危険なので

微速浮上させます。一時間程度で地上に出せます』


『ハルを出して、先行偵察をさせる』


『ご主人様、了解いたしました。駆逐艦アルカイック上昇開始』


「アンジェラさん、俺の暮らして居た田舎では若い夫婦は結婚したら

旅行に行く習わしが有ってね。良かったら今から行こうか?」


「アドラさん、私達はもう夫婦ですから。お互いに呼び捨てにしましょう。

旅行は行きたいです」


「良し、アンジェラ。俺の秘密を教えよう。転移が出来るのだ。でも、

物を持っては転移が出来ない。だから、君を運ぶ時は収納してから運ぶよ」


「分かりませんけど、分かりました。フフッ。それでは、よろしくお願いします」


 アンジェラを収納してから、アルカイックに転移する。

転移室から、操舵室に入る。

駆逐艦アルカイックは地上に向かって上昇中だ。


 アンジェラを収納から出す。短時間なので直ぐに目を覚ます。


「アドラ! 此処は何処なの!」


「此処は、船の中だよ。地面の中から地上に出て居る途中だよ」


「アドラ!船って水の上に浮かんで居る船よね!」


「アンジェラ、少し落ち着こうか。暫く待って居たら見えて来るからね」


 船外を映し出して居るモニター画面には、岩が煙か埃の様に消えて居る。

船外数メートルの範囲で、多分これはバリアだろうな。敵の攻撃も無効に

するのだろう。敵の攻撃が強力な時は有効範囲を広げるのだろう。


 そろそろ、一時間が経つ。船外モニター画面に上空が見えて来た。

山頂に出たのだな。


 モニター画面の一つに、駆逐艦アルカイックの全体が映って居る。

外部カメラかドローン空撮が出来るのだな。自分の船体のチェックをしたい

時も有るわな。


「アンジェラ、今乗って居る船だよ」


「えぇー!空を飛んで居るのぉ~!」


『ヘラ、ステルスモードにしないといけないよ』


『ご主人様、了解しました』


 駆逐艦アルカイックがモニター画面から消える。

ステルスモードが確認出来た。これで、空を飛び廻っても構わない。


『ハル、惑星大気中での最高速度で北に向かって飛んでくれ。帝国軍が

攻めて来ている様だ。どの辺りに居るかが知りたい』


『ご主人様ぁ~、了解いたしましたぁ~』


『ヘラ、ハルを先行させるから後を追ってくれ』


『了解いたしました』


 音速を出すと、衝撃波が出るよな。時速千二百キロ越えたらだったかな。

フロル王国の北部は未探索だったな。来た事も無い。

帝国との国境まで何キロ位有るのだろう。

千キロ以上有れば、帝国軍もフロル王国の王都迄は随分掛かるだろう。


 人が歩くのは、一日五十km位だろう。千キロなら二十日は掛かるのか。

軍隊なら重装備で食料も運んで居たらもう少し掛かるのかな。

俺も、実際には見た事は無い。


『ご主人様ぁ~、軍隊がぁ~居ますよぉ~』


 時速千キロは出して居ないので、三十分位の飛行だから五百km位かな。

地上千メートル位から、地上を見て見る。

今は、昼前位か。昼の休憩をする為なのか平原で休んで居るのか?


 ざっと、数えて十万人位かな。


 嫌々、休んで居るのでは無いな。フロル王国軍が迎え撃って居る様だ。

でも、フロル王国軍の数が少ない様な。

その時、帝国軍陣地から一筋の光が発生した。


 ハル程では無いけどアレは、レーザー光線だよな。

数百メートル離れて居るけど、弓矢と剣しか無い世界にレーザー光線は

反則だな。


 数十名のフロル王国軍兵士が死んで行く。

鎧も盾も何の役にも立たない。


『・ ・ ・ タ ・ ・ コ ロ ・ テ、 ワ ・ シ ・ ・ ロ ・ 

テ オ ・ ガ ・・・・』


 これは、念話だよな。


『ご主人様、これは。三号ですね』


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