魔法の修め方 Ⅱ
が! 突然に砂埃が角兎周辺に舞い上がります。
姿が消えました。地面に潜った様です。
主人公の命運はいかに。
たかが魔法が使える、角兎程度赤子の手をひねる位です。
地面に土竜が潜った様な亀裂が出来て、時速二㎞程度の速さで近づいて来ます。
収納から、お山でお世話に成って居た蜻蛉切を出して地面に突き刺します。
地面に出来た亀裂の先端部分に挿した穂先辺りから、赤い血がジワリと出て
土を赤黒く染めます。
『ご主人様、土魔法が使える様ですね。次は人型で試しましょうか?』
『そうだな。ゴブリンでも魔法が使える様に成れば大丈夫だろう』
角兎と同様に、ゴブリンが地面に横たわって居る。
少し離れて観察。
【鑑定】
名称 ゴブリン
年齢:5
種族:魔物
状態:良好 (仮死状態)
【能力値】
(生命力) : 6/12
(魔 力) :13/15
(体 力) :8/13
(筋 力):15
(攻撃力):12
(防御力):13
(素早さ):8
(知 能):8
(器用さ):6
(感 知):12
(抵抗値):8
(幸運値):1
【スキル】
棒術 Lv2 噛み付き Lv3
【マスタースキル】
火魔法 Lv1 水魔法 Lv1
五分程度で覚醒を始めた様だ。
魔法のインストールをされたら知性も向上するのかな?
どうも寝たふりをして居る様だ。
『ハル、死なない程度の電撃を放て。そして、お前の戦闘能力を
見て見たいから相手をしてくれ』
『ご主人様ぁ~、了解いたしましたぁ~』
最終兵器と異世界最弱の分類にされて居るゴブリンとの戦闘は如何に。
空中に電撃の稲妻が走る。微弱なので知って居なかったら見逃す位だな。
ビクン!とゴブリンの体が跳ね上がる。
「グギャッ! グギャッ!グギャー!!」
突然に電撃を浴びせられてビックリして喚き散らして居る。
暫く動かない、ダメージを受けたのと新しい能力に目覚めたのだろう。
使い方を脳内で確認中らしい。
【マスタースキル】をインストールされたら直ぐに自分の物に出来るのかな?
ゴブリンは魔法使いの所作も分かって居る様で人語では無くゴブリン語で
何かを唱えている。
俺は飛び火が来ない様に収納から、ハルゼー三世の盾を構える。
ゴブリンは、右手を前に突き出して火の玉を出した。
魔力もレベルも低いのでピンポン玉位の火の玉がヒョロヒョロと飛び出した。
俺を狙ったのだろうけど、ゴブリンから数メートルの所で消えた。
アレでどの位の魔力を消費するのだろう?
【鑑定】
名称 ゴブリン
年齢:5
種族:魔物
状態:良好
【能力値】
(生命力) : 6/12
(魔 力) :10/15
(体 力) :8/13
(筋 力):15
(攻撃力):12
(防御力):13
(素早さ):8
(知 能):8
(器用さ):6
(感 知):12
(抵抗値):8
(幸運値):1
【スキル】
棒術 Lv2 噛み付き Lv3
【マスタースキル】
火魔法 Lv1 水魔法 Lv1
魔力が13残って居て今が10なので一発撃つたびに魔力が3必要なのか。
アレ位で魔力3必要なのか。巨大な火の玉なら魔力は数百程消費するのかな?
その後はハルが姿を現したので、ハルに向かって火の玉攻撃を続けた。
でも残り魔力は少ない。三発で打ち止めに成り倒れた。
ハルの戦闘能力を見ないまま終わった。残念である。
その後昨日作った秘密基地に引き上げて、少し早い昼肉を食べる。
「ヘラ、それじゃあ頼むよ」
「了解いたしました」
俺は、マッサージ機状態に成り目を閉じて待つ。
何時の間にか寝て居た様だ。
脳内には確かにアーシャのマスタースキルが根付いて居る様だ。
女の半生は埋め込まれては居ない、ホットしたのは本心である。
あの女は既婚者だ、初夜の事を女目線で見たくは無いな、トラウマ物に成る。
俺は魔法の魔の字も無い所で生まれたのだ、魔法の一歩も知らなかった。
でも今なら分かる。
子供の頃に最初にやる儀式歩く事は何方の世界でも一緒だな。
最初の関門は運動では逆上がりかな。体育教師が一生懸命に教える。
体育教師なら出来て当たり前だ、出来なければ教師には成れないだろう。
出来る奴は教え方が下手な奴が多い。
出来ない事が分からないからだ、逆上がりは懸垂が出来ないと無理だな。
腕力も必要だし、体の重心移動も必要だ。
でも、一度出来るとコツを覚えた事に成る。免許皆伝だよな。
自転車に乗る時も同じだよな。倒れる方向にハンドルを切る。
そう言われるけど怖さが勝って普通は出来ない。
アレもコツだよな。一度覚えると一生涯忘れない。
覚えた魔法。ズル魔法ですよ。
取り敢えずは。
名前:アドラ
種族:人間(§§)
年齢:18
職業:冒険者
状態:正常
【能力値】
(生命力) :53,800/53,800
(魔 力) :255,000/255,000
(体 力) :680/680
(筋 力):500
(攻撃力):750
(防御力):500
(素早さ):480
(知 能):380
(器用さ):480
(感 知):280
(抵抗値):370
(幸運値):888
【スキル】
鑑定Lv3 言語Lv8
【マスタースキル】
収納 Lv3
火魔法 Lv1 水魔法 Lv1
魔力はとんでもない数字なので暴発してもいけない。
ハルに山脈の西側まで運んで貰う。
山脈の西側に人が住んで居る事も国が有るとも知らないけど。
頂上を越えた辺りで魔法の練習をする。
『ハル、この辺りに人が居ないか調べてくれるか。出来たら地図も
作って貰いたいけど』
『ご主人様ぁ~、了解いたしましたぁ~』
極力人目は避けたい。大きな針葉樹が生えて居て目隠しに成って居る所に
行って、水魔法から始める。
もう何年も前から魔法を使って居る気分がする。
大容量の魔力をコントロールする。右手の人差し指から髪の毛の細さの
水をイメージする。魔力を右手に集めて水を出す。
「ビシュ――― !! キーン!」
空気を切り裂く金属音がする。細い水の線が数百メートル先の木々の
幹を貫通して居る。
此れは大変だ、魔力コントロールの練習が必要だな。
魔力が多過ぎて電圧が高電圧に成って居る様だ。
マダマダ仮免許だったな。
今はレベル1の状態だよな。レベルが上がったらどうなるのだ?
それから、三十分程練習を繰り返してやっとコップに水が注げる様に成った。
これでひと安心だよな。水が欲しい時に飲めるよ。
まあ、収納内に水は有るけどね。
次に火魔法を試して見る。
今度は魔力コントロールの賜物ですよ。
良くコントロールされた火の玉が縦横無尽に放たれます。
木を燃やしたりはしませんよ。
火魔法も奥が深い物が有る。
火の玉の大きさと温度の低温高温と速度等を色々変えて見る。
前世で、鉄板を切断する為にアセチレンガスと酸素を混合して溶断する。
鉄板の厚さに応じた火口も有るけど、厚い物を溶断する時はアセチレンガスと
酸素を多めに混合すると温度を上げやすい。切断が容易に成る。
混合用のバルブの開け閉めが魔法の魔力操作と相通ずるものが有る。
俺の魔法免許皆伝、記念すべき日に成ったな。自画自賛だけど。
でもやはり、普段しない事をすると気疲れをするな。
運動も変わった運動をすると使って居ない筋肉が疲れる様に。
初めての魔法は気疲れをする。
今日は早めに休もう。
ハルに昨日作った秘密基地に運んで貰う。
夕肉を食べて休む。
>>>>>>>>>
アドラが休んで居る頃に。
とある国の端にある伯爵家のとある一室で。
「伯爵様ご報告いたします」
「何だ」
「フロル王国に侵攻させていた、第一軍団の伝令から二週間音沙汰が
有りません。随行させていた商人の商隊も帰って来ません」
「それなら、誰かに確認に行かせれば良いだろう」
「確認に行かせた斥候部隊が帰って来ましたのでご報告です」
「報告致します、第一軍団の野営地と思われる所には巨大な窪地が
有るだけで生きた人は独りも発見は出来ませんでした。人の死骸らしき物は
周辺で幾つかは発見致しましたが。生きては居ませんでした。全滅です」
「何と言う事だ!それじゃマイクは!マイクは!?」
「伯爵様、残念ながらご子息様の行方は不明で御座います」
その追い打ちを掛ける様な一言で重苦しい空気が淀む執務室。
伯爵は執務室の椅子に腰を降ろし項垂れて顔には一筋の涙が。
………………..
「クロフトよ、俺も何時までも悲しんではいけない。もう、マイクは帰って
来ないのだ。此れは、神の罰だろうな」
「伯爵様、領地の奪い合いはどの国でも行って居ります。神の罰なら
フロル王国にも同様に降りかかるでしょう。十年前に第二王子を打ち
取りました。数百名と二万人とでは吊り合いが取れません」
「一瞬にして二万人もの兵士を殺害出来る様な存在をクロフトは知って
居るのか?」
「私も今回の窪地を見て居ませんが、商人や旅人の話ではこの大陸の
各地には幾つかの窪地が有るようです。神話の世界で大昔に神同士が
争った戦場跡だと言う物も居ます。今回もそれでは無いでしょうか」
「儂も思い付く事は、現状で此の世界最強はドラゴンだと思って居た。
しかし、ドラゴンはブレスを吐くだけだ。その様な窪地は出来ない。
神かそれに近い者の仕業なのかも知れないな」
「実際に見たお前達に聞くが大きさはどの位有ったのだ」
「はい、執事長クロフト様。直ぐ近くには近づけませんでした。
まだ、熱いのです。窪地の底は溶けて居ました。
大きさはおよその目測ですが直径は五キロメイル(m)
深さは三十メイル(m)程度有ったように思われます。それと、二週間前
に近隣の村や町の住人が大きな爆発音と茸の様な形の雲が立ち上るのを
目撃して居た様です」
「何かが爆発した様だな。この先も戦争は続くのだ、現況の把握が重要だ
その窪地の大きさを正確に測量させろ。此れからは、野営時には密集体形は
避ける様にしないといけないな。第二軍と三軍の将兵を集めて軍議を開く」
「了解いたしました」
斥候達が退出した。
「クロフトよ、大変な事に成るぞ。此の領地の人口は三十万程だ。
今回二万人も居なくなった。秋の収穫にも人出は居る。家族を養って居た者も
居ただろう。王都にも報告に行かねばならないな」
>>>>>>>>>
その同じ頃フロル王国でも。
王の執務室にて、宰相エンテムは手に入れた人参に付いて報告をして居た。
「コン コン コン、宰相様緊急の伝令です」
「入れ」
「ガチャ」
「ご報告いたします。ヤガラ平原にて対峙して居たアルザックス王国軍が
全滅した模様です」
「それで、我が方の被害は幾ら位出たのか?」
「我が方は敵軍の近くで斥候をして居た数名が、爆風の影響で重軽傷を
負いましたが死人は出て居りません。まだ開戦は致して居ませんでした。
バージル様はご健在で御座います」
「それでは、誰がアルザックス王国軍を攻撃したのだ?」
「軽症の斥候の者が言うには、アルザックス王国軍は駐屯地にて密集体形で
野営をして居た所に何かが爆発して巨大な茸状の雲が沸き上がったそうです。
その後暫くして埃等が無くなった後には巨大な窪地が出来て居たそうです」
「アイザックスの奴らは、二万人も居たのであろう。全滅とはな、我が息子の
仇討ちに成ったな。それ程の武功を挙げたなら領地と爵位を叙勲しても良いな。
エンテムよ、魔法省の魔法使いで敵軍二万人を一撃で滅ぼす程の魔法の使い手は居たか?」
「レンザス王よ、その様な魔法の使い手は、魔法省はおろか我が国には居ません。
その他に少し前に似た様な話を聞いて居ます。バイロン辺境伯領地のマニストで、魔物の氾濫が起きた様です。その時にも城壁の側で魔物五百匹程を殲滅
した物が居た様ですが、誰がやったかは判明して居ません」
「ほう、それは似ているな。下手人が分からないか?それを起こした者は
表に立ちたく無いのでは無いのか。簡単に二万人と五百匹の魔物を殲滅
出来る存在だ、逆に我が国に敵対したら防げるのか?」
「一撃で駐屯地を更地に出来る存在です。王都とて無理で御座います。
もし、化け物なら無理ですが。人なら姫様を人質にされた方が宜しいかと」
「エンテムよ、儂の孫は娘ばかりだからのう。お主も言うのう。ぐふふふ」
「それでは、影の者を使って探して見ましょう」
「敵対はするなよ。機嫌を損ねたらフロル王国は滅びかねんぞ」
「了解いたしました」
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「ハックッション」
誰か俺の噂をして居るのかな?
まだ誰も制御しきれていない、最終兵器の存在を知らない。




