マニスト城
お待たせいたしました。
マッサージ機 二章 7
今、目の前に二人の元[バイロン家 兵士]が俺の前に傅いて居る。
此処は彼らの塒、所謂アジトと言う所だ。
彼らが独自に確保した様で、上司にも報告して居ない物件だ。
俺も、家が欲しかったが。此処は駄目だな。
バイロン辺境伯領の一都市で有る、マニストでの下級兵士の宿舎だ。
彼らは、何れは幹部兵士に成る優良物件だ。
今は、訓練として俺を尾行する任務を受けている。
彼らの上司は、俺が此の世界に来て最初に出会った街人だ。
ヘシオド・レルモン、今回分かった事。
彼は、バイロン伯爵家の三男ルシアン・バイロンに仕える騎士だ。
今回の、ミッションはルシアン・バイロンを捕らえて尋問と言う
脳内検索と、調査だな。
この兵士達と同様に、俺の傀儡にしたらこの世界を楽に過ごせる。
やはり、身分の高い人ほど情報量が多いだろう。
今の俺の体は、三日位寝なくても大丈夫だと思う。
でも大一番にミスは禁物だ、夜まで少し仮眠を取る。
・・・・・・・・
辺境の又最辺境の街マニストに夜の帳が落ちて、真夜中。
俺達は静かに、街の中央に聳える。マニスト城に集合した。
警護の兵士も居るけど、俺は防具のカメレオン機能で。
ハルは、光学迷彩で空中を浮遊しながら進む。
手下二人は、俺の監視名目で宿屋辺りに隠れて居る。
城主の寝室が目標だ、位置は事前の調査と尾行して居た二人から
大体の位置は分かって居る。
ハルが、寝室の窓の鎧戸、閂を超音波で切断する。
室内に侵入して。ハルが、ルシアン・バイロンを眠らせてから
俺が、収納する。後は前回と同じだ。
でも想定が違って居た、女と一緒に寝て居る。
まあ、若い男だ。当たり前か。
一緒に、ハルが眠らせて俺の収納に。
後は、ヘラの仕事だ。
刻々と、モニター画面に情報が映し出される。
名前: ルシアン・バイロン
種族:人間(純白人種)
年齢:30
職業:バイロン辺境伯爵家 三男 爵位 男爵
状態:低体温 意識喪失
【能力値】
(生命力) : 80/152
(魔 力) :118/120
(体 力) :42/88
(筋 力) :75
(攻撃力) :68
(防御力) :74
(素早さ) :52
(知 能) :82
(器用さ) :72
(感 知) :68
(抵抗値) :71
(幸運値) :65
【スキル】
両手剣Lv4 格闘Lv3
貴族の血筋だからか、多少はレベルが高い。
一緒に寝て居たのは、側室だった。
良いよな、この世界は多数の側室を持っても良い様だ。
でも、甲斐性と言う物が要るな。
お金持ちで無いと、複数の嫁を娶っても維持できない。
女性を不幸にする事は駄目だな。
俺もたった一人で良いので早く探そう。
その為にも、この世界の国情も知りたい。
ヘラのモニター画面に地図が映し出されて居る。
この星の大陸が書かれて居る、ルシアンが知って居る国の名と
国境線が書かれて居る。
大雑把な地図だけど、貴族とか王族しか知り得ない
貴重な地図だ。
ヘラの記憶領域に記憶されて居る、五千万前の衛星画像とは
どれ程食い違って居るのだろう。
前世地球では、大陸は移動して居て年間数㎝程動いて居る。
此処でも同じように動いて、造山運動に変って居るのだろう。
また、色々彼方此方に移動する時にどうなったか分かる
だろう。
現在地は、フロル王国の南の端で、バイロン辺境伯領のマニスト城。
城主の寝室に居る。
情報収集も終わって、二人を元道理にベッドに寝かす。
朝まで起きないだろう。
書庫に行って重要書類を漁って見るか。
寝室は二階に有る。
書庫は、一階の執務室横に有る。
今の時間帯は、前世での丑三つ時。
城主の警護は居ない、今日は、側室とのお楽しみタイム。
警護は解除されて居たのだ。
誰にも遭わずに、執務室に辿り着く。
執務室の机の中に書庫の鍵が隠してある。
やはり、情報は大事だ。
執務室の机の引き出しにも鍵が掛けて有る。
誰しも、個人情報は守りたい物だ。
俺の前世のパソコンは、どうなっただろうな。
今更考えても、仕方ないか。
全ての情報を予め(あらかじめ)入手した結果、事はスムーズに進む。
何事も用意周到な準備は、欠かせない。
大事な物を隠して居る所は、普通は金庫が有る。
此処は中世ヨーロッパ文明程度の文化圏だ。
貴族の城の中、支配階級の中枢部。
城を建設する段階から、色々やりたい放題の事が可能。
建築工事のアルバイトをして居た時に教えて貰った。
前世の、公共建築物は誤魔化せない。
図面道理に出来て居るか、写真付きで工事中の書類を出さないと
検査で合格出来ない様だ。
合格しないと工事費が貰えないそうだ。
特に隠れる場所は、後で確認が出来ない。
地下とか、コンクリート打設で見えなく成る所は入念に写真を撮る。
完成後に、建設費を出して居る所が検査をする。
書類が揃って居ないと、隠れた場所を壊してでも確認される。
解体工事費や補修費は、その工事をした会社が負担するらしい。
書庫も、重要書類とか機密文書も気になるが。
ルシアンも行った事の無い地下室が有る様だ。
彼はまだ若い、この城も着任して数年しか経って居ない。
此の城自体は、千年程前から有る様だ。
この時代はまだ、考古学は発達して居ない。
変わり者の学者は居るかも知れないが。
下に降りる階段を延々と降りる。
ハルゼー三世が居た地下施設程では無い。
地上から三十m程度降りた所が最終地点だった。
床に扉が埋め込まれて居る。ご丁寧に施錠されて。
鍵は、書庫と同じ鍵だ。
この世界でもマスターキーは有るのだな。
幾つもの鍵を持ち歩かないと、いけないと不便だ。
扉の鍵を開けると。
其処には、何も無い。硝子質の岩盤が有った。
数十㎝は、掘った跡が残って居る。
それ以上は、今の技術水準では掘れなくなったのだろう。
「ヘラ、昔に此処に都市は有ったのか?」
「はい、有りました。ハルゼー三世はこの太陽系の支配者です。
この太陽系が付属する銀河系を治めて居たのが、お父様ですね」
広大に広い宇宙の銀河系を治める、どれだけの技術が居る。
前世の地球で、国土の広い国。ロシアとか中国か。
クーデター、反乱が起きたら派兵しないといけない。
航空機からの攻撃だと、撃ち漏らしも出るだろう。
核兵器は自国内なら使えないな。
歩兵を、派兵するとしても用意して現地に到着まで。
何日も掛かるだろう。
それが、宇宙空間を端から端まで行くのにどの位掛かる?
やはり、空間ワープ航法とか転移が出来ないと政治は
出来ないな。
此の都市を破壊したのは誰だ?
此の地下室に有る、硝子質に変わった岩盤は破壊された都市の
残骸なのだろう。
「ヘラ、此の都市を破壊したのは誰だ?」
「ハルゼー三世が居た、地下施設の記憶バンクには色々な
情報が残って居ました。破損した部分も有りましたが、
ハルゼー三世の兄が、関与して居た様です」
「何だよ、兄弟喧嘩かよ」
「破損して居た情報を、予測した結果。ハルゼー三世の妻が
絶世の美女だった様です、その方を兄が欲しがったのでしょう」
「大昔から有る、テーマだな。傾国の美女亡国の美女と言う奴か」
城の地下に有った扉は、元道理に施錠して書庫に行く。
書庫の中で、時間が許す限りに目ぼしい書類を漁る。
この世界は、朝が早い。
朝日が昇る前には、引き揚げよう。
鍵の場所も分かって居る、調べ足りなければ又来たら良い。
宿屋も冒険者組合も、一泊だけの外泊は少し足りないので。
例の山に、山菜を探しに行って見るか。
冒険者組合にも、数日分の採取物は治めないといけない。
「ハル、俺を抱えて南の山へ飛んでくれ」
「ご主人様ぁ~ 了解しましたぁ~」
防具を着用して居るので、音速までなら大丈夫。
音速を越えると、衝撃波が出るので人目に触れる可能性が有る。
光学迷彩でも、音は消せない。疑惑の音が残る。
山を徒歩で降りて街まで歩いて来た。
今回は、空を飛ぶのでほんの数分で山に着いた。
前世の公共放送で、朝鮮半島の付け根辺りの山。
白頭山だったかな、地元民が朝鮮人参の採取をする。
番組を放送して居たのを見た事が有った。
山の南面で日当たりの良い、なだらかな斜面に
人参は生えて居る様だった。
多分、此の世界の人参も同じだろう。
植物なら、光合成は欠かせない。
それと、採取した地点の近くの木に目印を付けて居た。
朝鮮人参は、木だから種を持つ。
鳥が食料にした後、糞をする。
其処から発芽して新しい朝鮮人参が育つ。
多分、日当たりが良く無いと発芽しないのだろう。
その様な、自分勝手な想像で探し始める。
ハルと二人で、光学迷彩とカメレオン機能で隠れて探す。
多分、人間は居ないだろうが。魔物は居る山だ。
でも、魔物が集まって居る山。
魔物特異点なのだろうか?何か原因が無いと可笑しいな。
魔物製造装置でも有るのか?
「ヘラ、ハルゼー三世の資料で魔物に関しての物は無かった?」
「ハルゼー三世が治世を行って居た頃は、魔物と言う物は
居なかった様ですが」
「この世界に。魔物が現れたのは何時頃なのだろうな?」
「この惑星の最終兵器による、最終戦争が終結して。
当初は、核融合反応に因る灼熱地獄が数年続き。
その後は、煙や塵に因る太陽光の遮断で氷河期が続きます。
全ての生物は、死に絶えて居て数万年は、死の世界でしょうね」
「その後、生物が生息できる様にならないと。誰も住めないだろう。
嫌、待てよ。俺ならサンプル的な生物を送り込むな。生き残って
居たら。人間が行っても住めるはずだろ」
「誰かが、魔物を送り込んだのでしょうか?」
「この惑星の存在を知って居て、尚且つ、最終兵器を使用して
惑星に人が住むには過酷な状況に成って居る事を知って居る
連中だな」
「ハルゼー三世の関係者でしょうか、でも人種の寿命は長くは
無いでしょう」
「生身の人間では無理だろうな。ハルの様な体に記憶装置を
取り付けて居たら長生きは出来るだろうな」
「そうですね、エネルギーさえ有れば永遠に生存可能かも」
「今でも、ハルゼー三世は、生きて居るかも知れないな」
「あれ! アレはゴブリンとか言う魔物じゃ無いか?」
山の中腹辺りに有る洞窟から、数匹のゴブリンが。
お読みいただきありがとうございました。




