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爺の掌

お待たせいたしました。

これで、一章は終わります。

次回は未定です、生きて居たら書きます(笑)

【アンモニア臭】


 マッサージ機AIのモニター画面に表示される文字。


『人間!よく来たな!』


 頭の中に響く声が聞こえた。

これは、何だ。テレパシーと言う奴かな?

何処か身を隠せる所は無いか?


『人間!隠れても無駄だ!逃げたらブレスを吐くぞ』


 畜生!どうした事だ。此のままでは嫁も子も出来ないままか!


『人間! 爺に言われて来たのだろうが。こっちに来い』


 あッ! 此処で歯車がカチリと噛み合った気がした。

俺は爺の掌の上で踊らされて居る事に。

どう足掻いてもドラゴンからは逃げられない。

観念してトボトボと歩いて行く。


ドナドナ、連行状態で歩いて行く。

山の頂上付近に比較的平らな土地が有る。

広さは、東京ドームとか甲子園球場等で表せるな。

甲子園球場の方がドームも無くて表しやすいかな。

球場よりも若干狭くて、所々に凸凹も有る。


 その平地に、ドラゴン様が。

一度見た事の有る、牛を掴んで運んで居た奴だ。

病弱には見えないな、壮健な人間なら中年位に見える。

体長は、全長が三十mは有るな。西洋風のドラゴン。

ティラノサウルスに蝙蝠の羽が付いた様なドラゴン。


 その平地の奥の方、方位で言えば北側に大きな山が有る。

山には、大きな空洞が空いて居る。

ドラゴンの巣穴かな? 多分そうだな。

その穴の方からは、すえたアンモニア臭が漂って来る。


 うっすらと、寝て居るドラゴンが見える。

壮年のドラゴンの親かな?

イメージ的には、寝た切りのドラゴンを息子ドラゴンが

介護中かな。


『そうだ! 親父を介護中だ!』


 そうなんだ、何時も愚痴を(こぼ)して居たのだな。

こいつ俺と同じで嫁無しなのか?


『そうだ! 親の介護して居る奴に嫁など来るか!』


 俺の考える事が分かるのか?


『ああ、お前の考えて居る事は分かるぞ』


それで、俺に何をさせるつもりだよ。


『親父を、殺してくれ』


えぇー! 何でおれが! ああ、そうか爺が言って居たのは此の事か。


『もう、五十年も介護をして見ろ。嫌になるぞ』


そりゃあそうだろうな。

地球なら、介護が出来ない人も居るから介護施設が有って

其処に入れたら、専門の介護職が世話をしてくれる。

まあ、お金は掛かるけど自宅で独りでの介護は出来ないだろう。

介護される側も、気を遣うだろうな。

早く、楽になりたいだろう。


 やっぱり、声に出した方が分かり易いな。


「それで、俺は何をしたら良いのだ」


『さっきも言っただろう、親父を殺してくれ』


「それは、分かるけど。ちっぽけな人間がドラゴンをどうやったら

殺せる?」


『何、簡単だぞ。俺が教えてやるからな』


「それなら、人間を当てにしなくても。自分でやれば良いだろ」


『それができりゃ、とっくに昔にやって居るぞ!』


「何故、出来ないのだ?」


『人間は知らないだろうな、親殺しはドラゴン界の禁忌なんだよ』


 やはり俺達では計り知れない事が有るのだな。

此処は、やはり異世界なのだ。


 それから、息子ドラゴンが。

親の逆鱗を剥がして行く、剥がした処から俺が剣を差し込んで

太い血管を切断する事に。


『ウッ ! ・・・ すまんのう、人間ヨ。あ り が と う な』


 親ドラゴンが、最後の呻き声を上げて礼を言った。


 命が枯れたドラゴンの巨体から、魂が抜けだした。

異世界特有の現象なのか、魂が黄金色の靄の様に空に

登って行く、幻想的な光景。


魂と共に抜けた何かが俺の体に入って来ている。

体が燃える様に熱い。



・・・・・・・・・・・



 俺は意識を失って居た様だ。

数時間は経って居そうだ、朝出かけて昼までには終わったはずだ。

今は、太陽が沈みかけている。

体は頗る調子が良い、これが、レベルアップか。

角兎処では無いな、レベルの基準が違う。


 しかし、臭い。

鼻の臭覚もレベルアップしたのだろう。

死んだ親父は、五十年程の長きに渡り寝た切り状態だった。

ドラゴンのオムツも無い、垂れ流し状態。


 前世でも、鳥の糞が降り積もって肥料用の採掘場所が出来て居たな。

ドラゴン親父の糞便が結構な量溜まって居る。

狸の溜め糞状態に成って居る。


 確か、糞の成分で火薬の原料に成る物が有ったな。

少し貰って行こうか何て考えて居たら。


『親父の糞をどうするって? それより、有難うな助かったぞ』


「まあ、でもこれで良かったのか?墓は造るのか?」


『墓 ? ああ、そうか。人間は死んだ者の目印を造るのだな。

俺達は、そのまま土に返すから必要無いな』


「親の介護も終わって、これからはどうするのかな?」


『親父の兄弟、親戚関係に親父の死を知らせに行くぞ。お前は

これからどうしたい?』


「俺は、爺さんに連れて来られた様だ。前の世界では独身で嫁が

居なかった。だから、この世界で嫁を見つけたい」


『そうか、お前には世話に成った。俺がついでにと言っちゃ何だが

人間が多く住んで居る所に連れて行ってやろうか?』


「それは有難い。それで何時頃出発するのだ?」


『まあ、色々野暮用も有るからな、一週間位後かな。行く時は

知らせてやるよ』


「一週間? 七日で良いのだな。俺もそれまでに準備をするよ。

でも、俺はこの星の地図を良く知らないのだが、どの辺りに行くと

人族が居るのだ?」


『此処から北に昼間だけ飛んで行った辺りには幾つかの街が有る。

その辺りで良いだろう、其処まで行ったら後は歩いても近くの

どの街でも行けるだろう』


「分かった、もう一つ良いだろうか。俺には名前が無い。お前の

お父さんの名前をくれないか?」


『それ位どうでも良い事だ。親父の名前はアドミラルだ、俺は

グレイプルだ』


「じゃあ、アドラと名乗らして貰って良いか」


『良いぞ、親父も喜ぶだろう。それじゃ俺は行くところが有るからな』


「七日後にお願いします」


 それから、暗くなりかけた山道を下って地下要塞に帰った。

遅めの夕肉を食べてからゆっくり、モニター画面を見る。


名前:アドラ


種族:人間(§§)


年齢:18


職業:無職


状態:正常


【能力値】


(生命力) :33,300/33,300

(魔 力)  :155,000/155,000

(体 力)  :500/500


(筋 力):480

(攻撃力):450

(防御力):300

(素早さ):300

(知 能):380

(器用さ):480

(感 知):180

(抵抗値):170

(幸運値):888


【スキル】

鑑定Lv2 言語Lv8


【マスタースキル】

収納Lv2


【角兎 八羽】 【鷲の羽 四枚】 【鷲 二羽】 【鷲の足 2本】


【ロープ 五本】 【石 十三個】 【薪 二十五束】


【水 1,322ℓ】 【木の棒 十一本】 【蜻蛉切 一本】


【時間停止機能】 【解体機能】 【収納庫分別機能】


その他色々な物が入って居る。

収納限界を突破した様だ。


 次の日からは、地下要塞に有る色々な物の中から

必要な物を収納に入れて行く。


 忙しくも有ったが、一週間はあっと言う間に過ぎて行く。

食料も水も収納に入れて、グレイプルの背中に乗せて貰う。


 大きなドラゴンは巨体にも関わらずにふわりと上昇する。

上空に上がると今まで居た所が良く見える。

やはり、南米のギニア高地に似ている。


 北へ北へと飛んで行く。

速度は速いな、時速三百キロ位かな。飛行機が飛び立つ速度位だな。

日中と言って居たから、八時間か十時間位かな。

三千キロ位の距離が有るのか。


 段々と太陽が西に傾いて行く、グレイプルは体力が有るな。

休憩もせずに飛び続ける。

俺は、背中の上でコッソリ昼肉を食べた。


 夕暮れに予定の場所に着た様だ、遠くに微かだが街が見える。

近くには降りられない事情が有るのだろう。

ドラゴンなんて滅多に見る事は無いのだろう。


 「グレイプル、此処には何時も来るのか?」


『嫌、十年振りだな。しょっちゅう来ていたら殺されるぞ』


「お前でも、危険なのか?」


『危なくは無いが、準備をされて罠を仕掛けられたら危なくなるだろうが』


「そりゃそうだな、アハハ!ところで、あの牛は何処で仕入れて居るの?」


『この辺りでも手に入れて居るが、十年位で色々な所を廻るのさ』


「同じところばかり狙ったら、やられる可能性は高いな」


『そうだぞ、お前も頭を使えよ。今日はあの山に降ろしてやるから

朝に成ってから行けよ』


「ああ、有難う」


 一晩寝てから、行く事にしよう。



お読みいただきありがとうございました。

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