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番外編 トニア日記

聞こえる、聞こえる…


「いきなり番外編!?なんでだよ?聞いてないよ!」


と言いそうな亀の叫び。当り前です。


い っ て ま せ ん か ら 。


一言も。えぇ一言も。


本編考えるのがぶっちゃけ設定長すぎてが頭でちっとも覚えられないから番外編に逃げたとかそんな理由ではないです。


前回のパスは、亀さんにたいそう気に入っていただけたみたいで、幸せでした♪



 その日、僕は自分の部屋の整理をしていた。

 

 幼い頃に使っていた机の引き出しをなにげなしに開けてみると、子供の頃の思い出の品が所せましとびっちり入っていた。

 

 これは…。

 

 一冊の古ぼけたノートを見つけた。何の気なしにパラパラとめくってみる。

 

 

 ★ ☆ ☆ ★ ☆

 

 

「○月 ○日

 

 

 今日は、マチルダと遊んだ。」

 

 

 どうやら幼い頃の日記のようだ。

 

「今日は」と書いてあるけど、正確には「今日も」だろう。この頃から、僕らは毎日毎日一緒だったのだから。

 

 

 ★ ☆ ☆ ★ ☆

 

 

 マチルダは、「木のぼりのれんしゅうをしよう」といいました。

 

 ぼくは、こわかったけど、マチルダといっしょにはじめて上までのぼりました。

 

 のぼっている時は、とても高くてこわくて足ががくがくしました。

 

 けど、上からマチルダとみるけしきは、とてもきれいでした。

 

 

 ★ ☆ ☆ ★ ☆

 

 

 

 どうやら幼い頃の冒険が書いてあるようだ。

 あまりの懐かしさに顔がほころび、次のページをめくってみる。

 

 

 ★ ☆ ★ ☆

 

 

「もう木のぼりはぜったいにやるもんか!」

 

 

 

 ……

 

 

 ………

 

 

 何だろう…?コレ……?

 

 

 子供心によほど強い思いいれがあったのだろう。

 力強く強い意志が感じられる程書き殴ってある。

 なんだ?なんだ?

 僕は大切な何かを忘れている気がする。

 

 

 ★ ☆ ★ ☆

 

 

 あの日… 僕は…

 

 マチルダと一緒に木登りに成功し、一番上まで二人で登ったんだ。

 

 初めて達成できた喜びと、やっとマチルダと対等になれたようで、とても嬉しかったのを覚えている。

 

 でも…

 

 降りるとき、僕は木の高さから怖くなってしまって、降りれなくなってしまったんだ。

 

 マチルダは心配して下でずっと「頑張れ〜 トニア〜」って応援していてくれていたっけ。

 

 けど、僕は下を見てしまったら、あまりの高さに怖気づいて、降りれなくなってしまったんだ。

 

 下で心配していたマチルダは

 

「いいわ!トニア待っていて!大人の人を呼んでくるからね!すぐ来るから!危ないから!大人しく待っていてね」

 

 と、言い放ち、あわてて走っていったっけ。

 

 

 ……そうしてそれきり、マチルダは帰ってこなかったっけ…。

 

 

 僕は木の上で待った。待ち続けた。

 

 そうして夕方のうす暗くなってから、ようやく僕を探していた侍女が見つけてくれたんだ。

 

 肝心のマチルダは、大人を呼びに行ったら、ちょうどおやつの時間だったので、おやつを食べた後、助けに行こうと思い、

 

 まずは、おやつを食べたそうだ。そうしてお腹いっぱいになった後、眠くなったので、お昼寝してしまったそうだ。

 

 その後、僕がいない事で騒ぎ始めた侍女たちに尋ねられてやっと思い出したそうだ。

 

 

「ごめん、トニア。あんたの事、忘れてたわ」

 

 

 悪びれもせずに、あっけらかんと言うマチルダの笑顔に僕は誓ったのだった。

 

「もう木登りは二度としない」

 

 マチルダとはもう遊ばないから!絶好だ!って。

 

 そう子供心に固く決めこの日記に書きなぐったのだった。

 

 

 ★ ☆ ★ ☆

 

 

 木登り事件のその夜。

 

 僕は疲れたので、毎日の日課の日記に自分の思いを書き記した後、

 もう寝ようと寝台で準備していた時だった、

 

『コンコン』

 

 …何か音がした。窓際だ。

 僕はこの音が何なのか知っている。

 …けど、最初は気付かないふりをした。だって、まだ怒っていたから。

 

『コンコンコン』

 

 また音がするけど、知るもんか。

 

『コンコンコン!』

 

 …

 

『コンコンコンコン!!!』

 

 ……………………。

 

『…………………………………』

 

 ………………………………………………。

 

『いつまで、めそめそ泣いてんだ−!!!!トニア−!!!!』

 

 叫び声と共に先ほどよりも数倍も力強い音がしてきた。

 

『ガン!ガン!ガン!ガン!!!』

 

 …仕方がない。壊されるとやっかいだ、また。(..)

 

 僕は観念して、毛だるそうに歩いていき、音を立てている主、窓際にはいつくばっているマチルダのほうに近づいていった。

 窓をそっと開けてやり、先ほどの音の主に向かって言った。

 

「マチルダ、いつもなんで窓からくるの?それにもう夜だよ」

 

 僕はいつもよりそっけなかった。だって、怒っていたからね。

 

「だって窓のほうが近いんだもん」

 

 近いとは言っても、地上からは遠い。僕の部屋は3階だ。

 僕のちょっと怒った表情も気にせず、マチルダはいつものごとく、あっけらかんと言い放った。

 

「昼間はごめんね。トニア。もう忘れないから、また遊ぼう」

 

 そう言って、にっこり笑い、マチルダは小さなバスケットを差し出した。

 バスケットの中には、小さな野イチゴやら、グミの実がたくさんたくさん入っていた。

 

「これ、おいしいよ」

 

 きっと、マチルダなりに反省して、あれから、野イチゴやら、グミの実を摘みに一人で行ったのだろう。

 それで、バスケットいっぱいになってから僕のところにきたのでこんな夜遅くになったのだろう。

 

 にこにこ笑顔で差し出すマチルダを見て僕は

 

『かなわないなぁ。もう』

 

 と観念したのだった。そして、帰りの路を心配する僕に、『大丈夫、大丈夫』と来た道、

 正確には木から木を伝って、一瞬のうちに下までたどり着き、

 あっという間にいなくなった。…いつもの事だけど。

 きっとチェルンザ家ではお嬢様が夜になっても帰ってこないと大騒ぎしている事だろう。

 …それもいつもの事だけど。

 

 僕は、マチルダが来た窓際に腰かけ、バスケットの中身を一つ、つまんで食べてみる。

 

「…甘酸っぱい」

 

 まるで僕とマチルダの関係みたいだ、となんとなくぼんやり思った。

 なんだか、今日は一日疲れたけど、まぁいいか。マチルダだもんな。

 僕は、マチルダにどんなにひどい事をされても、なんとなく許してしまうんだ。マチルダの笑顔をみてしまうと。

 

 僕は、マチルダが僕の為に摘んできてくれたバスケットの中身を半分ぐらい食べ、眠りについた。

 

 

 ★ ☆ ★ ☆

 

 

 次の日、僕はお腹を壊した。

 

 もうグルグルグルのギューって感じでウンウン唸っていた。

 

「トニアー!おっはよー!迎えにきたよ!」

 いつもみたいに元気よく窓を開け放つマチルダに腹痛の体調不良を告げると、

 

「トニアお腹痛いの?やっぱりー??」

 

 ??やっぱりとは??

 

「なんか、昨日バスケットにいろいろ摘んでた時、今までに見たことない野イチゴ発見したんだよねぇ。

 迷ったけど、美味しそうだったし、『まぁ。いっか!入れちゃぇ!どうせ、トニアだし!』ってバスケットに

 入れたんだぁ。そっか、アレ、食べられないのかぁ。うん!わかった、トニア、勉強になった!次から気をつけるわ!」

 

 笑顔でそう言い放つマチルダに再度心に誓ったのだった。

 

「もうマチルダとは遊ばない。今度こそ絶好だ」

 

 ★ ☆ ★ ☆

 

 僕は、ここまで読むとパタン…と日記を閉じた。

 そうだった、思い出した。

 当時つけていた日記は、読み返すと自分の身に降りかかった悲惨な出来事ばかりを書き記して

 あるので、書くのを途中でやめてしまったのだった。

 

 

 あの当時、何度も絶好を固く心に誓った、ぼくの幼馴染との関係は−。

 

 

 急に窓が開け放たれる、風が舞う、それと同時にいつもの元気な声が部屋中に響き渡る、

「トニア〜〜!今日は、広場に催しものがあるから早く行くよっ!」

 

「わかったけど、マチルダ、いい加減、窓から入ってくるのをやめなよね」

 

 

 いまだに決別する事なく、続いている。

 


やばい。失敗しました。

オチ忘れました。亀をおとしめるという重大なオチを!ノォォォォォォォー


まぁ、いいでしょう ケロリ


亀は二話連続更新で波に乗るでしょう。

乗るよ、乗るよ、乗っちゃうよ★?!

みたいな。


目標 上げた後は落とす、一気に。 


ありがとうございました。

ノルマ達成まであと一話…!ハァハァ

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