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僕らケアワーカー  作者: 玲依
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この小さな世界の中で

僕らが出会ったのは介護施設だった。

憎き花粉症と戦い、施設から見える桜が綺麗ね。

と、お年を召した、小柄のおばあさんと、話していた。


4月のある日。


君は新人で、入ってきた。


「お願いします。茅野です。」

「お願いします。園田です。」


自己紹介も簡単に仕事の説明をして、

ふと見つめた、茅野の横顔に、


見惚れてしまった。

それが、僕が茅野に恋をした

初めて同僚に恋した瞬間だった。


茅野は、パートで1人で子供を育てる

いわゆるシングルマザーだ。

平日と土曜まではシフト制だか、祝日と日曜はシフトに入れないのだ。


そんな茅野と、社員のオレ、何人かのおばちゃんワーカーで、15人の高齢入居者の

生活の手伝いを、するのが僕達の主な業務だ。


介護ワーカーの仕事は多岐に、渡る。

居室掃除から、身体介護と言われる物

トイレの付き添いや、食事の介助。

移動の介助や、お風呂に入る入浴介助。

など、仕事は山積みなのだ。


そんな山積みの仕事の中でも、

茅野は入居者に、可愛がられていて、

ファンまでいた。

それは、うちの部署にとどまらず、

デイサービスのドライバーのおっちゃんまで、メロメロなのだ。

かく言う僕もそうなんだけど。


「茅野?茅野いるー?」

「園田さん?どうしたんです?」

「デイサービスの、丸さんからキャラメル貰ったんだけど。」

「あら、うちの子供にって毎日くれるんですよ。食べきれないからもういらないって、断ったのに(笑)」

そういうと、キャラメルの箱から1粒、取り出して


「園田さん、どうぞ!入浴介助の後でしょ?塩分と甘味で、脱水予防できますよ。」

輝くような笑顔につい見とれてポカンと、口を開けていると

コロン…と、キャラメルが、口に入ってきた。


「甘っ!」

「おいしいでしょ?うふふ。」

そう言うと茅野は、笑った。

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