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突き進んで参ります。

やるべきことは決まった。

目の前の黒ノート一号とうt主は、五分間にわたって見つめあった。

来るときは来る。

まずは頭のギアを、一速づつあげていく。

十分、十五分、二十分。

やがて、くる。

電撃が。






来た。

五感に冴えわたる雷。ゴーサインを待ってた筋肉がその電流を受け取って弾ける。

今までの集中を開放し、目の前のブツに手をかける。さっきの感覚。時間軸を追い越したさっきの感覚そのまま。そして、、、




「もしもし、内海です。」

ものすごいレコードタイムで、着信した。

「おお。ヌシか。元気か?」




田舎に住むじっちゃんからだった。もうすぐ80になるが今でも道場で、剣道を教えている。すごくうt主に優しくて、小さい頃はよくおじいちゃんの家に遊びに行ってた。

そして、それとは対照的に剣道が強くて、小二の時に道場を見学に行った時、いつも優しいじっちゃんの獣化を目撃した際、この世の終わりを悟ったのが今では良い思い出である。

「じっちゃん、まだ剣道やってんの?」

「おお、やっとるぞ。ただ、今は盆栽やっとる。ヌシも来んか?剣道と盆栽、両方教えてやるぞ。」

「結構です。」

壊し屋じじい。これがじっちゃんのあだ名である。

昔から、その実力から、いろいろな呼ばれ方をされてたのは知ってた。その中で、一番しっくりきた名前。振り下ろした竹刀が、面を突き破った。そんな噂を聞いたとき、普段は優しい叔父には似ついても似つかないこのあだ名が好きになった。

「じっちゃんの稽古受けたら、自分の体ぶっ壊れちゃうよ。」




「ヌシ。頑張るんじゃぞ。」

「ありがとう、じっちゃん。」

久しぶりにじっちゃんと話した。早くこんな病院抜け出したい。さっさと抜け出して、じっちゃんの家に遊びに行きたい。少しばかり、夢ができた。


何も思い浮かばないノートに目をやる。


なんか、かかれてる。



 御年78の壊しやじじい、ひょんなことから異世界に来てしまった。












 快晴な青空に、雲がかかってくる。雲はやがて町を覆い、青空は少しずつ暗くなる。

 ただし、この雲は恵みとなる。


 真っ白なノートに、雨雲をかけていく。雨雲は次の雨雲を産み、雲が空を覆い尽くして、また次の空を雨雲に染めていく。



 気づけば、月曜日の空も暗くなっていた。7時半、夕食。

 ご飯をつまみながら、ノートを確認する。ノートの半分が、雨で濡れて湿っていた。


 アイデアが、雲の子を産んだ。持っている箸を置き、その子を親の待つ空へ放つ。






入院生活一週間。週も半ばであることを気にするのは宿題が出されているからで、その前まで、今日が何月何日何曜日であるかも気にしていなかった。やはり、どれだけやる気があっても目標がないと、うt主の身体は頑張ってくれないようだ。

「さて、今日もやりますか。」

 ナロウ病。やる気が出る病気。これはこれで、考え物である。




 木曜日。昨日は水曜日だった。

 木曜日。昨日はいい天気だった。

木曜日。今日の予報も晴れ予報。

木曜日。真っ白な空。

ネタが、尽きた。



月曜日に15ページ。火曜日に9ページ。自分でも言いペースと思っていた。

水曜日、3ページ。木曜、1ページ。

今までのペースが嘘のようだった。

アイデアとは、本来疑問から生まれてくるものだ。

書いてると、書いてる内に、よくわかんなくなっていく。

どんな異世界なのか、どんな

なぜ転生したか、なぜ異能力に勝てるのか。

どんな相手がいるのか、どんな魔物がいるのか。

なにより、

これ面白いのか?


思いつかない、考えつかない、どう書けばいいかわかんない。


 しょうがない。この作戦は後で取りたかったが、仕方がない。

インターネット、検索、某小説投稿サイト、クリック。

ランキング、ハイファンタジー、クr。


「・・・・・・・・・」


再度クリッk


「・・・・・・」


-信頼アクセス-

このサイトは、ブロックされています。



「いや、なんでブロックしちゃったんですか。」

「いやも何も内海さん。」

先生は至って真面目に患者にこう告げた。

「症状を悪化させたいのですか?」



金曜の夜が、こんなにアンハッピーに感じたのは、恐らく生まれて初めてのことである。

「ぶっっはっははっっっっっっっっっっ!」

受話器の先の国民は、こんなにハッピーなのに。

「うt主、マジで、お前、最高。んひーっ、ぬふ、ぬっはっはっははっははh。

こんな笑ったの久しぶりだよ。」

A氏、きみね。

「んで、つまり。某小説投稿サイトの作品は、突発性小説投稿症候群を悪化させるから、ドクターストップって、。くふ、くくく、くふっっふうふふふふふふふ。」

A氏、お前。

「うt主、マジで、詰んでんじゃん。」

 A氏、貴様。

「お疲れ!おt主!」

A氏、てめぇーーーーーーー。

「けど、マジでこれからどうすんの。素人が、素人作品出しても、沈殿物にしかならないぜ。」

 口腔自衛隊に命令を出し、射撃用ミサイルに毒を詰める。

「それより宿題は大丈夫か?小学校一年生のできでもいいからちゃんと頑張るんだぞ。」

 配備完了。

「大丈夫って。絶対、絶対笑わんから。」

宣戦布告。

「A死。」

 ば ら さ よ 盟 連

 電話越しの酔っ払いに、最後の

「人の不幸で、酒飲めるなんて、今日は最高の一日だな。」

 戦員、直ちに目の前の敵を殲滅せよ。

 発射台が大きく口を開くと、A氏めがけて毒舌ミサイルが強襲する。




 我が軍、敵国の中心都市メンタルを攻撃、敵国の殲滅及び無力化に成功。


 我が国、講和会議において、A氏の金曜飲酒の委任統治権を獲得。


 我が国、明日、アイス一本おごってもらう。



 金曜日、最高。








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