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Silver Queen 魔法の国の女王様  作者: 中村千歳
第1話 サクラの辞書に、不可能の文字はない
8/50

第1話-8

 まあいいや、とりあえず始めようか。

 アカネ・コヒナタ対サクラ・シロカネ、時間無制限の一本勝負。審判はヒバリ。

「構えて」

 それぞれのコートに入って、あたしは杖を構える。サクラは特に何もしない。


「始め」

 あたしの体が、後方に吹っ飛んだ。


「それまで!勝者、サクラさん!」


 えっと、とりあえず状況を整理させてくれ。

 ヒバリが試合開始の合図をした。

 あたしの体が吹っ飛んだ。

 サクラ、何をしたんだ?

「えっと……重力操作魔法?」

 重力操作魔法?そんな魔法聞いたことないぞ?


 サクラ、もう1回やらないか?場外に出すのなしで。

「一本勝負って言ったじゃないっすか」

 ヒバリがなんか愚痴を漏らしているが、

「分かりました……」

 よし、2本目開始だな。


「始め」

 あたしは意識を失った。


「アカネさん!大丈夫っすか?」

 あ……えっと……ヒバリ?何が起こったんだ?

「とりあえず気絶させる魔法を掛けてみました……」

 サクラの説明も、よく分からない。回復魔法なのか精神魔法なのかも分からない。

「回復魔法って言いますけど、効果を逆にして毒を与えたりはあるっすからね」


 3本目。ハンデください。

 最初の30秒、あたしに攻撃させてくれ。

「分かりました……」


「構えて」

 とっておきの魔法を与えてやろう。


「始め」

 ファイヤーストーム!

 サクラの体が、特大の炎に包まれる。

 全神経を集中して、魔力を注ぎ込む。


「30秒経過」

 なんでこいつは平気なんだ?

 火魔法準2級のあたしの魔法を受けて、全然倒れる気配がないんだが。


「もう……いいですか……?」

 サクラがそう言うと、次の瞬間、サクラを包んでいた火が消えた。


 あたしの魔法が、サクラに解かれた?

 中学の時から魔法決闘やってるけど、こんなのは初めてだ。


「じゃあ……私からも攻撃します……」

 あたしの足元に、虹色の魔法陣が出現した。

 下半身が虹色に輝いて……魔法陣に吸い込まれる!?

「サクラさん!」

 ヒバリがサクラを止めようとするが、サクラの魔法は止まることはなく……。


「アカネさん、私の勝ちですね」

 気が付くとあたしは、コート上に立っていた。

 ちょっと待って、魔法陣に吸い込まれたはずじゃなかったか?

「吸い込んだんですけど、元に戻しておきました」

 というか、あの魔法陣は何だったんだ?

「うーん……魔法陣は魔法陣ですよね……」

 サクラにも分からないのか。

 自分でもよく分からない魔法を使うサクラ。完全に規格外というか、何と言うか。

「とりあえず、サクラさんが特別な魔法使いだってことは分かったっすね」

 何回でも言うが、ヒバリは順応が早すぎる。

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