第1話-2
ハコザキ王国の王宮、正殿の大広間で、作戦会議。
魔法検定2級か……。どうしようか。ヒバリは何か良い案ある?
「うーん……ヒバリも大学には全部当たってみたし、王宮で働いている人にも聞いてみたっすけど……」
あとは、貴族とかかな。
「アカネさん、何言ってるんですか?貴族制度は10年前に廃止されたじゃないっすか」
あれ?そうだっけ?
「もう何回も話してるっすけど、ハコザキ王国の政治制度くらいはしっかり勉強してください。内務大臣っすからね」
まあ、それは置いといて。
魔法検定っていうのは、その名の通り魔法の技術を測る検定試験。
魔法の属性ごとに分かれていて、火魔法、水魔法、土魔法、風魔法、光魔法、雷魔法、聖魔法、闇魔法、あと魔法の属性じゃないけど魔法耐性がある。
土魔法は別名錬金魔法、聖魔法は回復魔法、闇魔法は精神魔法って言った方が分かりやすいかな。
どの属性も一番上が1級、一番下が8級。途中に準1級と準2級があるから、全部で、えっと……11段階?
「10段階っすね」
そう。10段階。
「アカネさん、魔法の技術以外は雑魚っすからね。こういう計算もできないんすね」
ぐうの音も出ない。
確か魔法検定にはレベルの目安があって、中卒で7級、高卒で5級、社会人で4級。3級取れたら一流の魔法使いって言われてるんだ。
ちなみにあたしは、精神魔法が準1級、魔法耐性が2級、他全部準2級。
ヒバリは回復魔法2級、あとは3級。
「アカネさんも十分すごいっすけど……3属性で2級っすか……」
3つ以上の属性で2級っていうのが、どのくらい難しいか、分かったか?
「ヒバリもうっすら感付いてはいるっすけど、これ、無理じゃないっすか?」
私もそんな気がしてきた。
「魔法検定合格者のデータベースとかあればいいっすけど」
そんなのあったかな。後で情報担当のメンバーに聞いてみようか。何省に聞けばいいんだ?
「検定試験は文部省の管轄っすよ」
そうなのか。
「何で内務大臣が知らないっすか。中卒だからっすか?」
アカネさんは高卒です。