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Baseball Love 主砲の一振り  作者: sky-high
球界の盟主
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この、ドMヤロー!

ヤマオカは深夜にタクシーを拾い、阿佐のいるホテルのロビーで待ち合わせた。


「ぬーーーん!待たせたぬ。とりあえずあちきの部屋で話そうじゃないかぬ」


「だったら最初っから部屋に案内しろ、バカヤローっ!」


「むぎゃ~っ!!」


ロビーでキャメルクラッチを食らい絶叫する阿佐の声が響いた。









「で、オーナー。浅野がトレードに出される理由とは?」


「実はこれを見てくれないかぬ?」


オーナーの部屋では、何枚かデジカメで撮った画像をヤマオカに見せた。


「浅野の横にいるのは女だが、彼女ですかね?」


ヤマオカは浅野と腕を組み楽しそうにしている若い女性を見た。


「だぬだぬ、浅野は確か結婚して子供も二人いるパパなんだぬ!しかしこの女は浅野の妻じゃないぬ!」


「てことは、浅野は他所で女を作ってるって事ですか?」


「だぬ、かなり不穏なヤツだぬ。しかもこの女は更に不穏なヤツだぬ」


「不穏とは…?」


「これを見て欲しいぬ」


「…ギャハハハハハハハ~っ!!ww」


画像を見て二人は大爆笑した。


「wwぇ、SMの女王様か、この女はww」


女の正体は、某所にあるSM倶楽部で女王様としてM男達から絶大な人気を誇っている。


「で、これを見て欲しいぬ」


阿佐が見せた画像は、恰幅のいい老人が頭に女性の下着を被り、四つん這いになり、女王様に踏みつけられていた。


「誰だコイツ?」


阿佐は次の画像を見せた。


「ダーッハッハッハッハッハッハ!こ、これ穴堀じゃねーかっ!ww」


そう!M男は穴堀だったのである。


「は、腹痛ぇ~wwんで、オーナーこの女は浅野と付き合ってるんですか?ww」


「どうやらそうらしいぬ。しかもこの女、野球には興味がなく、浅野の事は知らないらしいぬ」


「てことは女王様やってプライベートは浅野の女って事になるんすか?」


「だぬだぬ。多分穴堀は女王様が浅野と付き合って、もし自分の性癖がバレたらヤバいと思って浅野をトレードに出そうとしているはずだぬ」


「ダハハハハハハww腹筋崩壊するじゃねぇかよ、あのバカオーナーww」


ヤマオカがのたうち回って笑い転げている。


「ヤマオカ君、これがあればトレードを回避できそうかもぬ」


「勿論、トレードなんて白紙にしますよ、しかし…ギャハハハハハハハww」


「ムヒョヒョヒョヒョヒョww」


二人でずっと爆笑していた。


まさか球界のドンと呼ばれた男がSMの女王様に鞭で打たれ、亀甲縛りにされ踏みつけられている写真をバラまかれたら、一気に詰んだ状態になる。


「オーナー、この女と接触できますかね?」


「流石ヤマオカ君、鋭いぬ!実は既にこの女には明日会う予定だぬ!ムヒョヒョヒョヒョヒョ」


「明日来賓席にこの女王様招待しましょう。穴堀もこの女を目の前にして強気にはならんでしょう」


「だぬだぬ。多少の金積んでも連れてくるぬ!」


「…ギャハハハハハハハ、ムヒョヒョヒョヒョヒョ!あー、ハッハッハッハッハww」


明け方まで二人は大爆笑していた。





翌日、阿佐は女王様を球場に連れてきた。


女王様を穴堀のいる来賓席に案内させる魂胆だ。



そして球場に着き、ユニフォームに着替え、まずは来賓席へと向かった。


「穴堀オーナー先日はお招きいただき誠にありがとうございました」


ヤマオカは深々と穴堀に頭を下げた。


「んで、ファームから連れていく選手は見つかったのかね?」


「えぇ、その前にある人に会ってもらいたいんですが、よろしいですか?」


「誰かね?」


穴堀はキョトンとしている。


「どうぞ入ってきて下さい」


ヤマオカが声を掛けると、仮面舞踏会のようなアイマスクをした女が入ってきた。


「あれー、おじさんここの関係者?昨日はどうもね~。今日も来る予定でしょ?」


穴堀は女王様がプライベートな格好でこんなことに来るなんて思いもよらなかった。


「画像もかなりありますぬ!」


と、昨夜の出来事を見せつける。


穴堀はかなり狼狽した。


「おっさん、これ否定してもいいが、特ダネとしてかなりのネタになるけどいいんかなぁ?」


「き、貴様、何故この事を…」


「くだらん内輪揉めの為に我々を巻き込まないで欲しいな!しかし、女王様が浅野の不倫相手とは…ギャハハハハハハハ」


「オーナー!あちきは誰1人として選手を出すつもりはないぬ!」

二人とも強気である。

何せ、傍らには穴堀お気に入りの女王様がいるため、下手な事は言えない。


「くっ…」


「ねぇオジサン、何か悪い事したの?悪い事したら、お仕置きが必要ダヨネ?

ここでお仕置きしてやろーか、このクソブタ!」


女王様は穴堀に四つん這いになるよう命じた。


「は、はい、私はクソブタです!」


うっかり性癖を出してしまった。


「ギャハハハハハハハ~ww」


「んじゃ穴堀さん、トレードの話は白紙って事でいいよな?なぁ、おいっ!」


ヤマオカは穴堀の胸ぐらを掴み凄んだ。


「くっ、解った白紙にしよい…」


「後一つ。ファームにいる育成の廣澤。彼をエンペラーズによこせ。いいなっ!」


「育成?育成のヤツを引き取ってどうするつもりだ!」


「お前は野球選手を見る目が無さすぎる!育成だろうとなんだろうと才能あるヤツは大事に育てなきゃならんのだっ!」


「オーナー、試合が終わるまでこの女王様にお仕置きしてもらった方がいいかもぬムヒョヒョヒョヒョヒョ」


阿佐の高笑いが部屋に響く。


「復讐しようなんて思うんじゃねーぞ!ちょっとでも変な動きしやがったら、即座にバラまくからな、このネタを!」


「く、クッソ~っ!!」


「クソはオマエだろ、このブタ!!」


女王様は四つん這いになった穴堀に跨がり、持参してきた鞭で穴堀の尻を叩いた。


パシーン!


「は、はぃ~、私はブタです~っ!!」


てなワケで、トレードは白紙になったらしい。




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