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Baseball Love 主砲の一振り  作者: sky-high
球界の盟主
77/138

浅野を完封

浅野をトレードに。


穴堀オーナーの意図は何なのだろうか。


試合は両軍共に0点のまま、中盤に差し掛かった。


五回裏の攻撃は、3番マードックからという好打順だ。


先発の榊は1安打のみという投球内容。



前の打席では浅野と勝負するために敢えて敬遠策をとった。


榊がキレのよいストレートを投げ込んでマードックを攻め立てる。


最後はスローカーブにタイミングが合わず空振りの三振に終わった。


榊は4つ目の三振を奪う。


そして4番浅野の登場だ。


前の打席はスローカーブで三振を喫した。


榊はこの試合、浅野を塁に出させないと決めていた。


コイツさえ抑えればオレたちは負ける事はないだろうと。


浅野は守備で執拗なサード狙いにくるエンペラーズ打線に苦しめられていた。


エンペラーズは心理的に揺さぶりを掛けてきた。


浅野としては、榊を打ち崩してマウンドから降ろす事しか頭の中にない。


かなりカッカきている。


それをかわすように榊は変化球主体で浅野を追い込む。


フルカウントになった七球目、榊は渾身のストレートを投げた。


(もらった!)

とばかりに浅野は強振。


インコース膝元に決まる榊のクロスファイヤーボールだ。


捕らえたかに見えたが、榊の球のキレは良く、バットがほんの一瞬出遅れた。


ボールはバットの根本に当たり真っ二つに折れた。


打球は詰まりピッチャーゴロでツーアウト。


二打席共に榊の圧勝である。


打席では凡退、守備では徹底したサード狙いで苦しめられている。


エンペラーズにいいように翻弄されていた。


試合は七回にトーマスJr.と高梨のアベックアーチが出て、榊は八回を失点0、被安打2、1四球、奪三振5という内容でマウンドを降り、浅野は3打数ノーヒット、1三振という散々たる内容に終わった。


九回は守護神、土方が三人を簡単に抑え、2対0の完封リレーでエンペラーズが勝利した。



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