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Baseball Love 主砲の一振り  作者: sky-high
不穏な親子対決
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不穏なススキノドーム

デンジャーズの本拠地、ススキノドームでエンペラーズは試合前の練習を行っていた。


そこへ元春が現れグランドに向かう。

試合前、監督同士が挨拶をかわすのはごく普通の出来事だ。


記者達は元春がヤマオカと何か一悶着起こすのではないかと不穏な空気が漂う。


元春がヤマオカの眼前に来て、握手を求めてきた。


ヤマオカも手を差し出した。


しかし耳元で「今日でテメーの野球人生終わりにしてやる」


と一言だけ言うとグランドを去った。


そしてベンチの中で振り返り、親指を下に向けた。


【ぶっ潰す】というサインだ。


ヤマオカは(ったく気性が荒いのはオレ譲りだな)と苦笑した。


今日の先発はエンペラーズが榊、デンジャーズは今日一軍に登録したばかりの三年目の左腕、高島。


速球を武器にスライダー、カットボールを操る。


しかし、ムラッ気があるため好不調の波が激しい。


一塁側ベンチでは元春の視線がヤマオカを捕らえて離さない。


試合前のミーティングでは一言も発せず、首をかっ切るポーズだけだった。


選手達にはエンペラーズを潰せ、という意味だ。


そしてプレイボールがコールされた。



初回、立ち上がりの悪い高島は1番 大和 2番 櫻井をアウトにしたが、3番 トーマスJr.にセンター前ヒットを打たれ、4番 高梨にはフォアボールを与えた。


そして5番 垣原に甘く入ったスライダーを打たれ右中間スタンドに飛び込む先制の3ランホームランを打たれた。


初回にして一気に3点を叩き出した。


三塁側ベンチではナインが垣原にハイタッチを交わしていた。


先制されたデンジャーズだが、元春は最初から高島のピッチングなどアテにしていなかった。


元春が高島を起用したのは別の意味であり、それはエンペラーズの監督ヤマオカこと、宇棚 珍太朗を潰す事だけであった。




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