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Baseball Love 主砲の一振り  作者: sky-high
理想のラインナップ
45/138

初勝利と初ホーマー

榊は7回でマウンドを降りた。


被安打4 奪三振3 与四球2 自責点1という内容だった。


8回は中継ぎのエース、グリフィズが投げ、最後は守護神、土方が三者凡退で締めくくった。


エンペラーズはこれで4連勝。


開幕3連敗を払拭するかのような勢いだ。


試合を決めたのは、大和の逆転ツーランだった。


大和はプロ入りして通算50号のホームランを打った。


トーマスJr.のアドバイスの通り、チョコチョコとバットに当てるような打ち方ではなく、鋭く振り抜く。


大和にパワーヒッターとしての素質があるのをトーマスJr.は見抜いていた。


それは監督のヤマオカも同じだった。


大和は十分クリーンナップを打てる力はある。


その気になれば、トリプルスリー(3割 30本 30盗塁)も可能なバッターだ。


トップとしての役割をこなすために長打を捨て、セーフティバントや、野手の間を抜けるシングルヒット、更にはフォアボールで塁に出る事だけを考えていた。


塁に出たら走って、いち速くホームベースを踏む。


Ⅰ番バッターの基本とも言えるスタイルだが、ホームランを狙えるというスタイルを身に付けたら、これ程怖いトップバッターはいないだろう。


エンペラーズ移籍と共にスタイルも変わりつつある大和だった。


そして榊は今季初勝利を挙げた。


クリーンナップの櫻井 トーマス 高梨がノーヒットという結果に終わったのが少し引っ掛かるが。


「よぉゴリラ。相変わらず打てねぇで4番か。大和に変えてもらった方がいいんじゃねぇのか、ハッハッハッハ!」


「Don't be cocky!!(調子こいてんじゃねぇぞくそガキが!)」


最近では榊とトーマスJr.のやり取りをスルーする選手が多くなった。


(実はあの二人仲がいいんじゃね?)

(ケンカする程仲良いって言うからな)


(阿吽の呼吸でオーナーにツープラトン攻撃出きるんだから仲が悪いはずがない)


と、榊とトーマスは実は仲良しなんじゃないかと言う感じで捉えるようにしたらしい。


水と油にも見える二人だが、トーマスJr.は榊の実力を認めており、榊も一流メジャーリーガーのトーマスJr.の能力を分かっているつもりだ。


気になるのは、トーマスJr.の安打が全てホームランという事だ。


トーマスJr.はホームランも打つが、メジャー時代ではアベレージヒッターとして活躍していた。


メジャーでヘッドコーチを務めたヤマオカもそれは十分承知で、トーマスJr.にはホームランを狙おうなどと考えずに、本来のバッティングを心掛けて欲しいと伝えている。


助っ人外国人選手イコール、ホームランバッターというは古いイメージなのだろうか。



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