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Baseball Love 主砲の一振り  作者: sky-high
一抹の不安
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チームワークとは何か

垣原 延昭 プロ18年目の35才。


一塁手 右投げ左打ち 背番号 7


高校からドラフト3位で東京ゴールデンズに入団。


3年間をファーム(二軍)で暮らし4年目に一軍に昇格。


外野手として活躍し、7年目には打率 317 ホームラン33 打点107という活躍でゴールデンズを優勝に導きMVPを獲得。




5年前にFA宣言しエンペラーズに入団。

その年からファーストへコンバート。打率342 ホームラン31 打点106で首位打者を獲得。


通算本塁打は427は現役最多本塁打である。


榊とはゴールデンズで数年間プレーし、投打の主力として活躍。


エンペラーズ移籍後は、榊との対戦成績は4割近い打率を誇り、左打者ながら榊キラーと言われている。


出身校も同じの為、榊とは先輩後輩の関係でもある。


「榊。お前、ゴールデンズじゃエースだったが、ここじゃ違う!お前らはまだエースじゃねぇ!」


すっかりエース気取りの榊を一喝した。


「はい…」


「いつまでも意地張ってねえでチームに溶け込んだらどうなんだ、あぁ?」


垣原もエンペラーズに入りたての頃は、ちょっとしたお山の大将気取りだった。


エンペラーズでも主砲になり、気の緩みからか、怪我をきっかけに、成績が下降する。


そして当時のスーパールーキー櫻井の打棒をまざまざと見せつけられ、自ら自身が打っていた3番を櫻井に譲る形で下位打線で役割を果たす。


首脳陣やOBからも評価は高く将来の監督候補と目される。


昨シーズンは怪我からの復活で、打率を3割をクリア。本塁打の本数は減ったが、勝負強さはいまだに健在だ。


2000本安打まで後54本。今年中に達成できそうな選手である。


「お前そんなにあのトーマスがキライか?」


「自分は足さえ引っ張らなきゃなんでもいいですよ」


垣原に頭を下げ、榊は帰った。


「わりぃな高梨。あいつが気分悪くさせたみたいで」


榊の代わりに垣原が高梨に謝る。


「垣原さんが謝る事ではないですよ。そのうち慣れてきますよ。こっちも少し強引に誘ったのがいけないんですから」

高梨が頭を下げた。


「よし、また食おう!」


高梨の声でまた和やかなムードになった。


トーマスJr.はこのやりとりを見ていたが日本語は理解できない。


だが、高梨のキャプテンシーを見て、自身が昨年までいたブルックリン バックスのチームリーダー、サム・ロードンを彷彿させるかのようだった。


ミスターバック、キャプテンバックと呼ばれ、常に勝利の為にチームを引っ張っていく姿を高梨と重ねた。


(案外いいチームに入ったかもな)


トーマスJr.も満更じゃない顔をしていた。


一方で宇棚は待ち合わせしていた人が現れず、またすっぽかされた。


「私また騙されました(>_<)」


何とこれで16回目だという。


「朝の食事に幕の内弁当にミックスサラダ、豆腐の味噌汁ありですか?」


そう言い残し宇棚は消えた。


「何しに来たんだろ一体?」


高梨がつぶやいた。


開幕はすぐそこだ。




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