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アースガルズの私様  作者: 富良野義正
真夏の狂犬注意報!
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真夏の狂犬注意報! その五

 アースガルズの宮殿から離れた深い森の奥、昼の光さえ届かないような忌まわしい場所がある。そこに好んで住まうものはいるのだろうか。

 いや、たたずむ小さな家の中に明かりが見える。こんな陰険な場所に好んで住むのは、ニヴル・ヘルの亡霊や忌まわしい巨人を除けば一人しかいないのだろう。


 家に帰ったロキは、力なくそのゲームを床に置くと、ふらふらとシャワーを浴びに浴室へと向かった。シャワーを浴び終わると、コーラをコップに入れて飲みほし、またコップに入れてパソコンに向かった。3D〇にゲームを入れる気力もほとんどない。ともかく、パソコンで気を逸らしてからにしようとロキは思った。


 すると、ヤ〇ーメールに一通届いていることにロキは気がついた。

 それは……フェンリルからのメールではないか!

 恐る恐るロキはそのメールを開く。



『件名:親愛なるお母様へ


 お母様が元気そうでよかったです!><

 久々にリアルで会えたことで帰ってからもテンションが最高です^^b

 お母様が《フェンリルが好きだ》と言われたとき、すっごく嬉しかったです!

 実は私も北欧プリンセスの中ではロキちゃんが一番好きだからです(^o^)ノ

 相思相愛みたいで、ほっこりしちゃいました><

 今度是非岩場の家まで遊びに来てくださいね!

 それに、次にご一緒できるネットゲームも楽しみにしていますb

             親愛なるお母様へ 駄犬フェンリルより』

 



 何てことだ!

 あの狂犬であったフェンリルは、ネット上では行き過ぎなほど忠犬ではないか!


「…………………」


 ロキは画面を眺めながら一口コーラを飲む。ごくりという音が部屋に響く。

 それから思い出したようにロキはキーボードを叩き、返答を書き始める。



『件名:Re;親愛なるお母様へ


 うるせえ駄犬が!

 てめえの家なんて絶対行かねえからな!

 ……………………』


 ロキは永遠と駄犬の悪口を書きまくり、それから送信ボタンを押した。

 狂気じみた夏の暑い直射日光は、まるでロキのネット弁慶を悪化させたようだった。

次回未定

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