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アースガルズの私様  作者: 富良野義正
正義の味方はホームレス
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正義の味方はホームレス その九

 それから黒と白の覆面ホームレスは日々戦い続けた。

 お互いに神から渡された携帯電話を駆使し、お互いの情報を交換し合った。

 普段は落し物を探したり道案内したりというものがメインだったが、お互いの力が必要になったとき、それぞれの助けを呼ぶことがあった。

 ロキは協力者の存在に驚いたが、それでも協力することに同意した。


『まあいいだろう……さあ、黒と白のホームレスよ! 己の正義の為にもがくがいい!』


 更に彼等の前には一人の男が現れる。

 しかし、まあもうダイジェストでいいんじゃないだろうか。




 二人揃って草原のゴミ拾いをしていると、突然灰色の覆面を被った男が現れた。


「黒と白の正義の味方よ。我が名は灰色覆面ホームレスだ」


 敵か味方が!?

 中間色の男はそれだけを宣言すると去っていった。


 だがそのすぐ後、尚武達が車に轢かれそうになったとき、変わりに灰色覆面ホームレスはトラックに轢かれ、そのままタイヤの下敷きになった。

 おお、何ということだ!

 登場して数行で死んでしまうとは!


 しかし、その日の夜、落ち込んでいる尚武達の前にあの灰色覆面ホームレスが現れたではないか!

 灰色覆面ホームレスはその隠れた頭に茨の冠をしていた。それは救世主が地上に落としてしまったもので、死んでも蘇るという能力を灰色覆面ホームレスに与えたものだった。

 

 三人はカップ酒を空け、夜中飲み明かした。そして三人で正義を果たすと決めた。

 

 ほどなくして三人の前に悪の組織『増税促進委員会』が現れる。

 彼らは消費税を50%に引き上げ、その原因を現行の政治家に押し付けようという計画を実行に移していた。

 三人のホームレスは携帯で、三人の神々はスカ〇プで連絡を取り合いながら念密な作戦を立てた。ついに政治家への賄賂の証拠を得ることに成功し、警察に情報を流すことで幹部を全員逮捕へと追いやった。

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