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いきなり音楽教室  作者: marron
3-18歳(私)編
94/200

19、音高男子



私が通った音高は共学ではあったけれど、音楽高校を受験する男子はとても少ない。

さらに学校側も、女子とは違い、将来妻子を養っていくことのできる実力(甲斐性?)がなければ、それなりに弾けていても合格させないとのことで、男子はレベルが高いと言うことが分かる。


上の学年には、本当に天才の人がいた。


伝説によると、その先輩は普段まったく授業には出てこなかった。

ところが、たまたま学校に来た日がピアノの試験の日だった。

「お前、大丈夫か、今日試験だぞ」

と、友だちに楽譜を見せられても、知らない曲だったらしい。

その先輩は、楽譜を見て膝の上で指をポンポンと叩き、そして3番目に呼ばれて試験会場に入った。

その先輩は、さっき見せられたばかりの課題曲を弾いた。

初めて見た楽譜を、サーっと読んだだけで覚えて試験官の前で弾いて見せた。

だけど、途中までしか読んでいなかったので、勝手に「はいここまで」と終わらせて試験会場を出てきたとのことだ。


こういう天才は、合格するらしい。

まあ、この先輩は結局卒業しなかったらしいが。



ということで、私の学年の男子は160人中1人だった。

1人だよ!?


修学旅行は、先生と同じ部屋。

可哀想すぎる。


修学旅行の時、夜中にその男子が私たちの部屋の扉を叩いた。

先生だ!と思って、布団を被った私たちの部屋に現れたのは、学年唯一の男子だった。

ガラリと部屋の扉を開けて彼は言った。

「醤油、ない?」

男子・・・パシリにされていた。

先生、何食べてんだろ。



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