表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いきなり音楽教室  作者: marron
3-18歳(私)編
92/200

17、お礼参り



受験が終わって、結果報告に、先生のお宅へ伺った。

音高のY先生は勿論、Y先生を紹介してくださったX先生にも報告に伺う。

それからピアノの先生のお宅にも伺った。



ピアノの先生は、受験生専門の先生で、とても厳しい先生だった。

だけど、教え方は素晴らしくシステマチックで、確かな耳を持って私を導いてくれた。

初めて私のピアノを聞いた時、先生は少しびっくりしていた。

そんなに弾けないのに、なぜ音高を目指すのか、先生には理解ができなかったらしい。


毎回レッスンで、

「100回弾いて来なさい」と言われた。

勿論、家に帰って100回弾いた。毎日100回。ちゃんと弾いた。

で、次のレッスンに行くと

「100回弾きなさいって言ったでしょう!」

と怒られる。

どうやら先生には100回弾いたようには聞こえなかったらしい。

100回弾けばいいのではない。100回弾いたくらい上達していなければならないのだ。


たったそれだけの数小節に、半年くらいかかりっきりだった。

だけど、その100回を(回数ではなく技術で)クリアできると、そこから先はどんどん進んだ。


すっごく怖い先生だった。

受験結果の報告に伺った時、先生は初めて微笑んだ。そして

「泣かなかったのはあなたが初めてよ」

と、言った。


泣いて良かったのか。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ