15、音高受験の二日間
音高受験内容やシステムは学校によって違います。
また、私が受験したのはン十年も昔のことですので、今とは何もかも変わっていると思われます。
ご了承ください。
音高受験数日前。
私は体育の授業で、骨折をした。右手の人差し指のはく離骨折だった。
ピアノが・・・
弾けなくない!意外と弾けるものなのよ、コレが。
グルグルと何か巻いてあって、動かしにくいのは確かなんだけど、動かなくはないし、痛いけれど、弾けなくない。
校長先生が
「普段はとってもピアノの上手な生徒さんです」
と、音高の試験官宛てに手紙を書いてくれたけれど、いつも通り弾けていたのは確か。
骨折のせいで下手なのではなくて、実力のせいで下手だとは、試験官先生たちはご存知ない。
音高の受験は2日間ある。
一日目は、普通科目(英数国)。と、聴音と楽典があったかな。
二日目は、実技科目。声楽とピアノと、新曲視唱。
この「新曲視唱」というのが苦手。超苦手。
だって、初めて見た楽譜をその場で歌わなきゃならないのよ?伴奏なし。音もリズムも、途中で転調しても、何事もないかのように、つっかえずに歌わなきゃならない。
出来る気がしない。
だけど、この「新曲視唱」の曲は(全受験生に対して)1曲しかなかった。
まず、ピアノ科の人から始まって、次が声楽科だった。
ピアノ科の人は、新曲視唱もよくできる。
一人ひとり、試験会場から帰ってくると、どんな曲だったのかを教えてくれた。拍子や調性、出だしのメロディから転調箇所を教えてくれた。
だから、私が試験会場に入る頃には、試験曲がどんな曲なのか全て分かっていた。
ピアノ科のみなさんありがとう!
つづく
続けて投稿します。




