9、この曲を終えるのは
少しばかり真面目な話なので、700字を越えてしまいました。
大きくなってくると、弾ける曲もだいぶ難しくなってくる。
だけど、中高生は忙しくなるのが普通。
音高や音大を受けるのならば、出来るまで頑張って弾けと言うところだけど、趣味でやっている子に、どこまで弾かせるのか。
(すでにある程度弾けていて)毎日100回ずつ弾けば、この曲は弾けるようになる。という曲があるとする。
だけど、毎日100回はなかなか難しい。せめて、毎日10回弾くとしよう。それができるようになるのはいつだろう。
単純に10倍の日数をかければ弾けるようになるわけではない。
とび箱を飛ぶのに、9段目を超すのは難しい。
そのために、筋トレや走り込みをして、9段目を何度も飛んで練習する。だけど、練習する時間がないからと言って、ただ飛ぶだけの練習をほんの数回やっても飛べるようにはならない。
10回飛ぶ練習を10日間やって、計100回飛んでも飛べるようにならないように、ピアノの練習も、集中して100回弾かなければ、習得することはできない。
回りくどい言い方になってしまったけれど、そこで最初に戻る。
ある程度弾けるようになったところで、満足できるかどうか。
「毎日100回弾くと、上手くなるけど、今の練習量だとこれ以上うまくならない」
と、生徒さんに伝えてどうするかを本人に聞く。
出来る子は「やる」と答えて、毎日100回は無理でも、50回とか、頑張って練習してくる。そうすると、ほぼ目標のレベルまで弾けるようになる。
練習時間がどうしても取れない子もいる。
「できない」と答えた子には、
「うん、ここまでよく弾けたね。あとは練習できる時にまたやってごらん」
と言って、その曲を終わらせる。
プロになるわけじゃないんだ。引き際も肝心。