12、合唱祭の伴奏
中学校の時、毎年合唱祭があった。合唱祭では全クラス対抗のコンクールになっていて、順位がついた。
春は運動会、年に2回の球技大会、そして秋の合唱祭と、クラス対抗で学校中が盛り上がる。
合唱祭ではピアノが弾ける人が重要になってくる。
当時は、どのクラスにも数人ピアノを弾ける女子がいたものの、誰もがピアノを弾きたいわけではない。
だいたい、他の人たちは合唱なのに、ピアノだけは一人ぼっちで、目立つような目立たないような立場の上に、責任も重大で、あがり症の私には絶対にやりたくないものでもあった。
とはいえ「できません」とは言いたくない。
ということで、毎年合唱の伴奏をしていた。
習い始めたばかりで下手でも「やる」と言ったからには、やる。
1年の時は「汽車に乗って」
2年は「涙を越えて」「アムール河の波」
3年は「モルダウ」「大地讃頌」だった。懐かしー!
で、ピアノは習っている人が弾くけれど、指揮はたいてい音楽なんて良く知らない男子がやる。
なぜだ・・・
そして、もれなく速くなる。
どういうわけか、ヒトは緊張すると速くなるのだ。
コンクール当日、指揮者は顔を紅潮させて、指揮棒をブンブンと振りまくる。
つられて、合唱をするみんなも速くなる。
しょうがないから、それに合わせるピアノ伴奏。そんなに速く弾けるかーい!




