表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いきなり音楽教室  作者: marron
3-18歳(私)編
83/200

8、く、屈辱だ




年子の姉は、6年生になって急にピアノを習い始めた。

お姉ちゃんがやってるから、私もやりたくなり、その1年後、私も6年生になって、ピアノを習い始めた。

これで、ピアノの正しい弾き方を教えてもらえることになった。


ピアノの正しい弾き方は、なかなか恥ずかしいものだった。

なにせ、6年生になって初めてのピアノ。

私が懸命に「バイエル」(入門者の教本)を弾いていると、私の次に来た低学年の子に

「あのお姉ちゃん、大きいのにバイエルやってるー」

と、笑われる。

くそぅ。

こんな簡単な曲。一回のレッスンで10曲くらい合格するのに、まだ低学年の子にすら追いつけないとは。

屈辱だ。


とは思いながらも無言で、レッスンをする私。

いつになったら恥ずかしくなくなるのだろうか。


習い始めて半年後、発表会があった。

なんだったかなぁ。「アルプスの夕映え」と「さくら幻想曲」だったかな、そういう曲を弾いた。


私はものすごいあがり症なので、本当に全身が震えていた。

ガタガタと震えながら、なんとかピアノを弾いていると、客席の一番前に座っていたちびっ子が

「あのお姉ちゃん、ふるえてるよ」

と言った。曲はちゃんと弾けてるのに。

く、屈辱だ。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ