4、定規
私の年代の子どもは、習い事といったらピアノかバレエ。女子だったらどっちかを習っているものだった気がする。
それでも私は器械体操を習っていた。(小1でバク転ができた)
音楽は好きだったけれど、ピアノはやっていなかった。
2年生くらいで両手でピアノを弾ける友だちをうらやましく思っていた。
それで、自分で何とかしようと思った。
ウチには、足踏み式のオルガンがあって、父の趣味で様々な楽譜があった。
それを、母に
「どうやって読むの?」
と聞くと、
「これがド。あとは順番にドレミファソラシドってあがって行くから、数えればわかる」
と言われた。
大雑把な説明だったけれど、私はそれで理解した。
音程は分かったものの、音の長さはわからなかった。
それで取り出したのが「定規」。私はこれで楽譜についている音符から音符の長さを測り、黒い丸が1で、白い丸に棒が付いてるのが2で、それに点がついてるのが3で、ただの丸が4だと、リズムを覚えた。
今思うと、よくもまあ、それでちゃんと弾けたものだと思うのだけど、全くの独学で私はオルガンを弾いていた。
そして、姉は、その私のオルガンを一度聞くとサラサラと弾いた。
すばらしい耳の持ち主。彼女は天才だと思う。




