14、ちょび弾き
そういえば、ウチの子は“ちょび弾き”をする。
ピアノの部屋にこもってガッツリ練習もするけれど、時々思い出したようにほんの5分だけ弾いたりする、それが“ちょび弾き”。
たとえば、休日の朝。
普段は10時までピアノは弾かないことにしている。集合住宅なので他の家に迷惑だから。
それは子どもたちも分かっているけれど、どーしても弾きたい時があるあらしい。
それで、ピアノの弱音ペダルを踏んで(そうは言っても、あんまり音量は変わらない)やや音を小さめにして弾く。
そして時間も、ほんの5分くらいにする。
そうすれば、まあ、休日の朝にピアノが聞こえてきても、他の家の人も耐えられるだろうと、子どもたちは考えるらしい。
(ちなみに一度、上の部屋で聞いてみたことがあるけれど、普通に弾いても音は聞こえなかった)
私が洗濯物を干していると、小さな音でポロリポロリとピアノが聞こえてくる。
何を弾いているかで、誰が弾いているかがわかる。
これは末っ子だな?
と思って聞いていると、いつの間にか私の背後に来ている。
それくらいちょっとしか弾かない。
「今の曲、2小節目の左手、間違ってるよ」
と教えてあげると、すごくびっくりするらしい。
作業中でも、母ちゃんは聞いてるんだよ?




